ちろる

最後の日々 生存者が語るホロコーストのちろるのレビュー・感想・評価

3.9
第二次世界大戦が終わる最後の最後までナチスドイツはユダヤ人絶滅はに力を注いだ。
その、1944年、勢力はハンガリーに住むユダヤ人にまで及ぶ。
まず、黄色い星をつける
荷物をパッキングさせられ
家畜輸送車に乗せられる
そして何より残酷なのは友人、仲間だと思ってた人たちが憎々しげに見つめて叫ぶ事
「この街にユダヤ人はいらない!」と

気がついたらそこはアウシュビッツの入り口で、そこでは人の選別が始まっていた。

バッグに素敵な思い出のものをかき集めて詰め込んだのに、収容所では荷物どころか身包みを剥がされて、素敵な思い出が少しずつ消えていってしまうような気がした。

家族とも離れ離れ、自分の明日の命さえも怪しい中でひたすら助けを待つ。

ユダヤ教の安息日に、子どもたちはトイレの奥で静かにヘブライの言葉でいのりを捧げる。
それは静かな反抗でもある。

生き残ったユダヤ人元囚人たちの命の告白。

語られるのは、歴史的に最も非合理的で、非倫理的、非人道的なナチスドイツの政策、ホロコースト。
だから聞くに苦しくても絶対にこのことは風化させてはならないのだ。
ドキュメンタリーゆえに全てが本当の出来事、それがショッキングだ。

なぜ、ここまでにヒトラーはユダヤ人を憎んだのか、その理由は今だはっきりとは明かされない。
1人の男の個人的な思想が、他者をを巻き込み、罪のない人々を民族で一塊にして命の灯火を平気な顔で消す。
こんなことがあったのだという事を忘れてはならない。
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