『ラブ&モンスターズ』
あらすじは、まぁシンプルかな。
現代の人間中心文明が崩壊してもて、突然変異でキモさに異常とも云える凶悪化をプラスした野生動物(中には無害もいるって設定)が水陸空を跋扈する、虫嫌いの小生には虫酸が走る世界が舞台すわ。すわ一大事。
カエルもカタツムリも、たまには可愛いクラゲ的なんもおるけど、奴らがどデカイクリーチャーに大変身。
ある意味、ホラーよか怖い世界やわぁ。
んで、そんなヤバさ120%で、人類はほぼ滅亡してしまった世界で、生き残った者たちは地下に潜んで暮らしとる。
そんな虫さん狂暴巨大化アウトブレイクから7年、
無線で高校時代のガールフレンド(ジェシカ・ヘンウィックって綺麗な女優さんで、公開予定の『The Matrix 4』に出演するらしい。マトリックス早よみたい)を探し続けていたジョエル・ドーソンは、130キロ離れた沿岸地域で暮らす彼女とついに繋がっちゃう。
再び淡い恋に火がついたジョエルは、最愛の彼女に会うため、地下での生活を捨て、危険だらけの地上へと命がけの旅に出ることを決意てな感じ。ホロッときて、胸キュンもしたかなぁ。
途中、うぉー『ウォーキングデッド』のダリルの兄ちゃんメルル(生見愛瑠とはちゃいますので)役の、マイケル・ルーカーがチョイとええ役で出てた。
せや、小生はかなりの虫嫌いやけど、ビビりながら見ました。
引きこもりのメタファー映画ともとれなくはないかなぁ。
※虫と云うよりグロテスクなんが苦手な方は注意ですね⚠️
すんません寄り道余談ですが、
虫嫌いてのは世界中で広くみられる現象やと思います。
虫嫌いてのは、昆虫の生物多様性保全が進まない一因と考えられてるらしく、
強い虫嫌いは日常生活を困難にしよるし、大きな課題かも。
なぜ虫嫌いがこんなに世界的に一般的なのかはハッキリ分かってないらしい。
実際、大部分の虫が人間にとって害がないことを考えっと、こりゃ不思議な現象す。
小生を含め、虫嫌いの多くが嫌悪という感情であるちゅう事と、都市部の住民ほど虫へのマイナス感情が大きいちゅうのがある。
『都市化』てのが虫への嫌悪の強さと幅を増大させる経路が2つあるって仮説がある。
1つめの経路てのは、嫌悪ちゅう感情が、病原体回避行動を生み出すための心理的適応やって、『嫌悪感の病原体回避理論』に基づいとる。
嫌悪てのの強さは、対象の感染症のリスクに応じて変化すると予想される。都市化によって野外の虫が減る一方で、居住環境(室内)で虫を見る機会がいがいに増えると云うそうっす。
ほんで、食事や睡眠・休息を行う居住環境に侵入してきよった生物てのは感染症リスクが高いさかいに、
侵入してきた生物を、野外にいる生物よりも嫌悪する傾向があるだろうと。つまり、都市化によって、野外よりも室内で虫を見る機会が増え、その結果虫に対する嫌悪感が高まると云うバターンと、
偽陽性(本当は危険ちゃうのに危険と判断しちまう)と偽陰性(本当は危険やのに危険ちゃうと判断しちゃう)のコストが、進化の歴史の中で非対称的であった場合、コストのかからない誤りをする方に判断が偏る傾向が進化するってパターン。
病原体に対する反応を考えた場合、偽陽性のコスト(=感染症のリスクはあらへんのに対象を避けちゃう)よりも、偽陰性のコスト(=感染症のリスクが高いのに対象を避けずに感染しちまう)の方が圧倒的に高いさかい、
少しでも感染症のリスクがあるものを避ける傾向があると考えられる。
ほんで不確実性が大ききゃ大きいほど、
この偏りが大きくなるんやと予想される。
自然が失われがちな都市部の住民やと、自然に対する知識が失われて、虫の種類を区別でけんようになっとんのかもしれへん。
本来なら避ける必要のあらへん多くの虫まで嫌悪を感じている可能性があるやろなぁ。
これが、都市化によって嫌悪を誘発する虫の種類が多くなると考えた理由やそうっす。
だから、
実際、映画の描く世界なら『殺される』って恐怖は増えても、『虫キモい』って恐怖は減るのかなぁ。
こないな世界に一週間暮らしたあと、この作品を見たら怖さは少ないかも。
だけど、理論的にわかっても虫は怖いし、キモいのは変わらんなぁ。