黛敏郎の音楽が対位法の対位法みたいになっていて、小津映画の深刻なシーンなのに深刻な音楽が流れるという違和感が発生している。
チシャ猫みたいな原節子、下級天使の笠智衆。唯一現世を生きていた中村鴈治郎が死>>続きを読む
登場人物の多さと手ブレ撮影に心が折れそうになったが、運転手が変わったあたりから群像劇要素が後退し、乗客がただの人間の塊として扱われるようになってぐっと見やすくなる。
渡瀬恒彦は、実際の腕っぷしの強さと>>続きを読む
ジャケ写のイメージから勝手に風雲たけし城的なトラップハウスものを予想してたら全然ちがった。
ゴシックホラーとして見れるぶん他のクロサワ時代劇よりとっつきやすく感じだが、三船敏郎の一本調子ぶりに可愛げが>>続きを読む
仲代達矢のエロさに尽きるが、高橋悦史のひたむきバカっぷりも見応えがある。エンタメとは一口に言うが、視点の渋滞と舞台転換の多さを乗りこなせるキャラクターの強さは並大抵のもんじゃない。登場した瞬間に愛着が>>続きを読む
編集の妙が光る。カットとカットの間の省略と飛躍。つねに観客の半歩先を進みつづける。
ネオレアリズモのような風景描写にうっかりホラーだと忘れてしまいそうになる。ラスト、幽霊たちが普通に太陽の下で走り回っ>>続きを読む
謎を謎のまま放置しさっさと舞台を移動する割り切りの良さ。ブチギレまくるパン屋の彼女、瑞々しい風景と人々の動き。バカンス映画としても見れる。
中盤まで奇跡のような映画だったのが、ラスト数分で急に辛気臭く>>続きを読む
何も起きてなさがすごい。ひたすら描写の積み重ね。引きのアングル・長回し・横移動。
主人公がクライマックスでやることが「無視」っていうのがヤバい。
「俺、鮎川のことが好きなんだ」と言われて、一瞬驚いたリ>>続きを読む
ちゃんと殴り合いがあるのが嬉しい。
婦警さんに本当に何のケアもないのが気になる。後年のフライシャー作品の冷徹さとはまた違って、本当に視界に入ってない感じ。面白いがモヤる。
完全に主人公が入れ替わっててワロタ。善悪の対立によって悪役を因果応報で裁くのではなく、単純に眉間をぶん殴って脳挫傷にして世界をネガポジ反転させて物理的に地獄を見させるというのが凄まじい。
面白すぎる。総合芸術としての映画の力。のけぞるリアクションや小走りでの移動も含めてアクションに組み込んでいるため、心地よいリズムが途切れない。音を聞いているだけで絶頂。
屋敷での戦いから一夜明けて、暗>>続きを読む
邦画のど真ん中をいくプロットがゆえに、相米演出の異質さが際立ってくる。回想シーンがキャラクターのバックボーンではなく「記憶」そのものとしてスクリーンに現れてくる感じ。
なにげに浅野忠信のベストアクトだ>>続きを読む
相変わらず3時間に感じたが、初見よりも楽しめた。
カットのキレがずば抜けてるのは理解できるが、音楽の使い方だけはどうしてもわからない。環境音と効果音とモノローグだけで成立する気が。実際ラストシーンはそ>>続きを読む
シュヴァンクマイエルってこんなジャンピエールジュネみたいな感じだっけ?と思いながらぼーっと見ていたら、後半王道のモンスターパニックへと変貌して楽しく見れた。ここで終わりってマジ?
ニコラスレイの人間観とは根本的に合わない。若者を甘く見ている気がするし、純粋さとひたむきさへの過剰な信奉にキャラクターが置いてけぼりを喰らっているように感じた。
少なくともキャシー・オドネルはつなぎ姿>>続きを読む
人生!小市民だけで構成された世界。全員気持ちがコロコロ変わって、ちょっと楽しくなったと思ったら水を差されての繰り返し。
ちまちました人間の悲喜交々をよそに、水は流れ、舟は進む。それでいいっしょ。
ロージーらしい倒錯したブロマンスの片割れがすでに死んでいるため、いまいちドライブがかかりきらない。というか尻拭いをさせられるジャンヌモローの役回りがかなり損。
しかし室内シーンの演出は絶品。階段の使い>>続きを読む
テンポが早いと飽和するのも早い。フーパーならその先に人間の尊厳と悲哀を浮かび上がらせるが、キム・ヘンケルはひたすら即物的なドタバタに終始する。
part2ゆずりのカーチェイスを白昼の草地でやる意味がわ>>続きを読む
大作らしい大作。予算がどこにつぎ込まれているか見てわかるだけでも昨今のアメコミ映画より安心感がある。
しかし、スピ映画の俳優の顔の印象に残らなさは一体なんだろう。
さすがにウンザリしてしまった。
原節子の平面感。奥行きのない一枚の白い紙。虚無の具現化。
岡田茉莉子も結局は生け簀を泳ぐ魚でしかないし、とてもこれを女性映画とは呼べない。
0を0に戻す作業。人物の想いが放射状に広がるーー像を結ばぬまま、グラグラのまま、ちょっと怪我しながら、沈む。
いつか思い出せたらいいねって、それ何の話?
「ミスミソウ」「許された子どもたち」と社会派で鈍重なつくりの映画が続いた内藤瑛亮、ここに来て原点回帰!徹底したコンテ主義によって繰り出されるキメキメの構図が役者の動きのぎこちなさをカバーする。
つねに>>続きを読む
男優2人とゼンデイヤの照明の当たり方が違いすぎて同じ空間にいると思えない。というかゼンデイヤがあまりに蚊帳の外すぎる。たしかに彼女が魅力的に映る瞬間はあるが、どれも本人の自己プロデュースの賜物でしかな>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ニコラス・ホルトが果たして「平凡な男」に見えるだろうか?そもそも顔つきが大天使ミカエルのようだし、映っていないシーンでどんな暮らしをしてどんなことを考えているのかが見えてこない。
北野武の『首』でも思>>続きを読む
モブにも心があってそれぞれの人生を生きているんだ、というテーマは下手すると原作批判にもなってしまいそうだが、そこはうまく収めてる。
物語が高速で進むなか、ふと回想のイメージショットが挿し込まれると時間>>続きを読む
近藤敦の第一印象の悪さからの巻き返しがすごい。令和の日本映画でも一夜モノは作られまくっているが、男キャラの造形は絶対こうはならない。歩き方のぎこちなさと歌の上手さがギャップとしてばっちり効いてる。
ヘ>>続きを読む