「気軽に移動できる手段は、浮気のハードルを下げます。乗物から浮気が明らかになった、相談も多くあります」と語るのは、リッツ横浜探偵差社の山村佳子さん。
2023年7月1日からの法改正で無免許でも乗れるようになり、街で一気に多く見かけるようになったのが電動キックボードだ。警察庁は9月19日、『特定小型原動機付自転車施行後1年間の状況について』を発表。1年間(2023年7月~2024年6月)の事故発生件数は219件、都道府県別では東京都での発生が7割超、用途別ではレンタルの車両による事故が9割超。利用者の多さも物語っている。
そのレンタル電動キックボードで妻が深夜に出かけると山村さんのところに相談に来たのが、40歳の大手企業の会社員・秀行さん(仮名)。
秀行さんは妻35歳との間に3歳の娘がいる。結婚は5年前だ。前編「実家にプール、年2回海外旅行…「超裕福な実家」に育った35歳保育士妻「深夜の外出」の謎」で詳細を伝えたように、保育士として働いているときに出会った妻の実家はかなり裕福で、その格差にも驚いていたという。しかし変化があったのはここ数ヵ月のことで、深夜にこっそり家を出るようになったのだとか。実際何があったのだろうか。
プール付き実家、海外旅行は年2回
秀行さんと35歳の妻の夫婦生活を振り返ります。大手企業の研究職として働く秀行さんと、当時、保育士をしていた妻は、7年前に合コンで知り合います。サウナが好きという共通点がある2人は、1年の友人関係、2年の交際を経て結婚。3年前には娘も生まれます。
妻の両親はビルメンテナンスの会社を経営しており、いわゆる“太い実家”です。実家は都内にプールつき庭のある戸建て、新居は妻の実家の社宅名義ゆえに無償、老舗ホテルでの結婚式、ハワイの新婚旅行、娘を出産する産院も、全て妻の実家が提供したそうです。
秀行さんの実家の父は地方公務員。旅行といえば母の実家の新潟に行った程度で、妻の実家との「体験格差」に驚いたそうです。
妻の両親は娘に苦労させないように、金銭面で「万全のサポート」をしている。そのために自分で試練を乗り越えて得られる自信のようなものが備わっていません。
妻は娘が生まれてからは保育士の仕事も休職。メンタルが不安定になると義母がやってきて、買い物や旅行に連れていく。それが妻にいい影響を及ぼさないと思った秀行さんは「僕の給料と、あなたのバイト代で生活してみる?」と言ったら、絶対に無理と言われてしまいました。
産後、心療内科に通っていた妻はこの1年間、さらに不安定になり、あるボランティア活動に邁進し、怪しげな団体に200万円を寄付したり、保護された猫を3匹も貰ってきたりしたと言います。
最近は、朝、起きられなくなって、娘の幼稚園の送り迎えは、秀行さんと実家から派遣されたシッターさんこなしているそう。そうするうちに、毎週水曜日、妻が夜中に出るようになったのです。家族が寝静まる深夜1〜2時にこっそり抜け出して、秀行さんの起床時間の6時に帰宅するのだとか。
秀行さんは、妻のLINE画面をこっそり撮影。そこには、男性名をアルファベット表記にした相手とのトーク画面に、恋人同士らしいやり取りがあったのです。
秀行さんが「妻と離婚になり、自分は追い出される」と直感。そうなると、娘のことが心配です。義両親は目的のためには手段を選ばない。孫欲しさに秀行さんを遠ざける可能性も高い。秀行さんは、娘の親権を得るために、妻の浮気の証拠を押さえたい。そこで私たちに相談をしてきたのでした。