働き盛りに働いていない理由は
令和5年3月にリリースされた「東京暮らし方会議」を見ると、「就業に関するニーズが満たされておらず、未活用労働の状態」の35~54歳の女性が、男性または他の年代の女性に比べて、かなり多いのがわかる。
これは、もっと働きたい、もしくは、もっと働けるのに、実際はそうできていない女性が、たくさんいることを表している。
その数、同じ年代の男性24万人に対し、女性は69万人、3倍近い数である。
35歳~54歳と言えば、働き盛り真っ只中。なのになぜ、この年代の女性たちは、フルタイム(1週間の標準労働時間を35〜40時間)ではなく、それよりも短いパートタイムを選ぶのか。
「パートタイマーに関する調査」によれば、「都合のよい日や時間に働きたいから」(45.3%)、「家族、家庭の事情」(33.5%)、「配偶者の扶養の範囲内で働きたいから」(19.4%)、「正社員として適当な仕事が見つからなかったから」(17.9%)などの理由が上がる。
ここにも、働きたいのに働けずにいる女性がいる。
漫画『ママ、今日からパートに出ます! 15年ぶりの再就職コミックエッセイ』(野原広子著 / KADOKAWA)の主人公、ユリコである。
ユリコは、今、まさに再就活中の、働きたい40歳の主婦である。
結婚を機に退職、家事と育児に専念してきたが、下の子が幼稚園にあがるタイミングで、「子どもが幼稚園に行っている間だけ、働こう」と考えた。だが家族の理解が得られず断念。ユリコも「全力でお母さんできるのも幸せ」「今はこの幸せを大切にしよう」と思い直した。