他の先進国と比べると「日本の公園は異常」…遊具に起きている変化に警鐘を鳴らす

過剰管理で遊び場が失われる

いま、子どもの遊び場が貧しくなっている。そう語られてから時間が経った。しかし、依然として日本の公園は貧しいままである――。そう警告するのは、東京科学大学准教授の北村匡平氏だ。

北村氏は『遊びと利他』の中で全国各地の公園をリサーチしつつ、公園をはじめとする日本の遊び場が直面する危機を指摘する。日本の遊び場の現状について北村氏に伺った。(以下、「」内は北村氏のコメント)

コストをかけない日本の公園

――『遊びと利他』では「いま、日本の遊び場が貧弱になっている」という警告がされていますね。やはり、日本の公園は“貧弱”なのでしょうか?

「外国に比べて、『公園にはコストをかけるべきだ』という意識がとても低い。僕は各国の公園も視察していますが、ドイツでは公園に木の遊具が使われていることが多いです」

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――木の遊具といえば、素材として優れていて、子どもにも馴染みやすいですよね。

「はい。でも木製遊具はメンテナンスのコストがとても掛かる。それでも木を使うのは、子どもにはお金を掛けるべきだというコンセンサスがあるからです。

それと、水遊びや泥遊びが盛んなのも、日本の公園と違うところです。例えばドイツの公園は、すごく広い敷地の中に大きな砂場があり、そこで水を流しっぱなしにできる遊び場が多い。そして、子どもも大人も一緒になって遊んでいるのを何度も見かけました。

日本で水をたくさん流すと『もったいないから止めなさい』みたいな話になりますよね。けれど、こうした国の場合はそのコストをマイナスだと思っていない」

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