オリンパスが支出した買収資金の一部が犯罪組織に流れたのか? 真相解明のカギを握るGC

山口 義正

〔PHOTO〕gettyimages

筆者 山口義正(経済ジャーナリスト)

「うちの会社、もう終わりだ・・・」

 米ニューヨーク・タイムズ紙が、オリンパスから1000億円以上の資金が犯罪組織に流れた可能性があると報じた18日、オリンパス関係者がこんな声を漏らした。同紙は日本の捜査当局者から近い関係者から入手した資料をもとに、買収資金の一部が組織暴力団など犯罪組織に流れた可能性があると報じ、オリンパス社内の動揺を誘ったのだ。

 世界トップシェアを誇る内視鏡でさえ、顧客である病院関係者の視線は厳しさを増している。オリンパスの営業マンが営業先で詳しい事情を問い詰められて追い返されるケースが増えているという。

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 オリンパスが支出した巨額の買収資金は、過去の有価証券投資で失敗した穴埋めに使われ、その過程で常習的に金融犯罪に関与しているとみられる人物たちが運営する海外の特別目的会社をトンネルにしているようだ。

 しかし本当に組織暴力団に流れたかどうかは疑問が残るところだ。

 筆者の取材では、NYタイムズが捜査当局者から入手した資料には、オリンパスが買収した国内3社(医療廃棄物処理のアルティス、健康食品の通信販売業者ヒューマラボ、プラスチック容器の企画・製造を手掛けるNEWS CHEF)について「暴力団のフロント企業」と位置付けられているという。

 しかし3社はオリンパスの一連の企業買収に関わった経営コンサルタントのグローバル・カンパニー社(GC、横尾宣政代表)が2005年に休眠会社を買収したり、新規に立ち上げた零細企業であり、その実態が「暴力団のフロント企業」であるとは考えにくいのではないか。

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