みずほ銀行スキャンダルは終結せず――。そう思わせる内情暴露が、インターネットの情報誌やブログで繰り返されている。
みずほ銀行スキャンダルとは、昨年9月末、系列信販会社のオリエントコーポレーション(オリコ)を通じた提携ローンに絡み、暴力団組員らへの融資が発覚したこと。この件に関し、金融庁は昨年末、みずほ銀行に対し、問題となった提携ローンの1カ月の業務停止命令を下した。これを受けてみずほ銀行は、塚本隆史会長が2014年3月末で引責辞任し、6月末にはコンプライアンス強化のために、委員会設置会社に移行することを明らかにした。
従って、みずほ銀行にとってはもちろん、金融界にとっても〝終わった話〟であり、関心はむしろ、職にとどまった佐藤康博頭取が、3行合併の弊害をどう本気で乗り越え、暴力団融資に象徴される事なかれ主義を脱皮するかにある。
「みずほ」看板の高利ファンドに群がった怪しい面々
だが、みずほ銀行には提携ローンでの暴力団融資以外に、12年9月、懲戒解雇された元審査第2部審査役のO・Mが絡む不明朗な資金があり、それが暴力団組員を含む反社会的勢力(反社)に流れた形跡がある。これが、終結していないみずほ銀行スキャンダルだ。
この「O・M問題」は、チャート図が作成され、O・Mに詐取されたとする投資家が週刊誌などに告白、損害買収請求訴訟も起こされており、既に周知の事実である。
整理してみよう。
首謀者とされるみずほ銀行元中堅行員のO・Mは、老舗出版社「ぎょうせい」の創業者である藤沢一族の担当者として、資産にも関与していた。だが、オーナーが脱税事件を起こして逮捕され、最終的にぎょうせいは、メーンバンクのみずほ銀行(窓口はみずほキャピタル)が買い取った。そのぎょうせいの株の買い戻しのためのファンドを運用しているのがO・Mで、「みずほ銀行が元本保証しているうえに金利は月3~8%」という驚くべき高利で投資を募っていた。
ここまでが第1段階のスキャンダル。現役行員が「みずほ銀行」の看板を使い、高利運用を約束、出資を募っているのだから、それだけで犯罪を構成する。