三浦展さん【後編】 「ビルの空室を埋めるよりも、10年先、20年先に街が元気でいるためにどうするべきか考えないといけない」
『日本の地価が3分の1になる!』著者に聞く【前編】はこちらをご覧ください。
逃げ切ろうとする“おじいちゃん”たち
三浦 これからの街は、もう、ただ消費する場所を作るだけでは伸びません。吉祥寺がいい例です。なかなか街として客足が伸びないから、ドン・キホーテを建ててみた。けれど、ただドンキが好きだという人は、吉祥寺全体にさほどお金は落とさない。別の街にショッピングモールができれば、もう吉祥寺には来なくなる。
藤野 客層が違うから、カスタマーにはならないんですよね。この本の中にも、吉祥寺で「サイゼリヤはどこだ、しまむらはどこだ」と探している女子高生の姿が書かれていました。
三浦 「ここをどこだと思ってるんだ?」って話ですよ(笑)。吉祥寺がまた魅力的な街に戻るには、大きい建物ばっかり増やすんじゃなくて、「面白い仕事」があるからこの街で働こう、という人を増やさないといけないんです。起業して吉祥寺の空き家をオフィスにしよう、という人を。
藤野 ほほう。街づくりには「面白い仕事」、ですか。意外です。
三浦 アクティブな人っていうのは、昔はアクティブに消費していたんです。でも今は、消費へのエネルギーが新しい仕事を創ることに向いている。
藤野 なるほど、なるほど。「アクティブなエネルギー」が消費から創造に向いているというのはたしかに肌で感じます。
著者= 三浦展、麗澤大学 清水千弘研究室
光文社新書 / 定価950円(税込み)
◎内容紹介◎
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