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テレビ界の「ジャイアント・キリング」!
「これは、昨年のラグビーW杯で、日本代表が南アフリカ代表に勝利したことに匹敵するジャイアント・キリングですよ」
広告会社社員が、興奮した表情でこう語る。
「番狂わせ」が起きたのは5月13日のこと。この日、民放各局の決算が発表された。現在、多くのテレビ局は関連会社も含むHD制をとっているが、2016年3月期決算で、テレビ東京の局単体の当期純利益が、フジテレビのそれを超えたのだ。
売り上げこそフジテレビ2897億円、テレビ東京1073億円とダブルスコア以上の大差を付けられているが、当期純利益ではテレビ東京約41億円に対しフジテレビは約33億円と2割もテレビ東京が上回っている。
(編集部よりお詫び:本記事は5月31日に一度公開されたものですが、数字に誤りがあったため、数字を確認・修正のうえ再掲載いたしました)
テレビ東京のIR担当は「現代ビジネス」の取材に、
「各社で計算の仕方が必ずしも同じではないため単純に比較することはできません。しかも、近年はテレビ局を単体ではなく関連会社などを含めて評価するのが一般的ですから、純利益だけを取り出して一喜一憂するのもどうでしょうか」
と冷静な回答を寄せる。たしかに経常利益段階ではテレビ東京59億、フジテレビ62億と、今もフジが勝っている。しかし、心の中では嬉しくないはずがない。
何しろテレビ東京と言えば、在京キー局の中では売り上げ規模はもちろん、系列局の数など、ほとんどの指標で最下位を守り続けてきた局である。かたやフジテレビは、売り上げ規模では30年以上首位を続けたガリバー企業。それが当期純利益で上回ったというのだから、「歴史的快挙」と言っても大げさではないのだ。