中国のちょいワル親父たち
今月中旬、新創刊された月刊誌『ジジ(GG)』の編集長インタビューがネット上で炎上する事件があった。読者ターゲットである「モテたい」シニア男性に、美術館で若い女性にうんちくを傾けてナンパせよと説いたり、そうした女性を焼肉屋に連れて行って「『イチボは?』と聞かれたらしめたもの。お尻をツンツン」などと述べた内容が、若者層や女性のネットユーザーから大顰蹙を買ったのだ。
年配の男性でもギラギラしたい。ことに好景気の時代を知る人たちは、年齢を重ねていても札ビラの切り方や地位の使い方次第では一定程度は異性をモノにできるというバブリーな経験則があるため、なおさらギラつきがちでもあるのだろう。
これは現役のバブリー国家・中国における偉いおじさんたちも同様である。現代のご時世、おじさんたちは女性との連絡手段にチャットアプリを利用する。だが、中国人は全体的に見て個人情報の保護やネットセキリュティの意識が薄く、また会話相手との関係の険悪化によってチャット履歴を勝手にネット上に暴露されたり、アカウントのハッキングを受けたりすることも多いため、恥ずかしい会話がしばしば流出して当事者が恥をかくケースが珍しくない。
本稿ではその実例を見ていきたい。中国のちょいワル親父たちの姿も、本邦に負けず劣らず興味深いのだ。
名門校の副校長・不倫チャット流出
まずトップバッターは55歳既婚、江蘇省無錫市にある名門の小中高一貫校の副校長を務めていたおじさんだ。今年4月中旬に数年来の不倫相手とされる人妻とのチャット画面が流出し、南京の大手紙『現代快報』にスッパ抜かれてしまった。せっかくなので以下、中国の名もなきスケベおじさんと名もなき不倫妻の甘い会話をすこし紹介してみよう。
人妻A:恥ずかしいわ。
副校長:送れよ、見たいんだ。
人妻A:まあ、そんなこと言って。
副校長:よく濡れたところを見せてくれ。
人妻A:(恥ずかしい顔文字)
……本稿の品位を落としそうで心配だが、私は彼らが実際に喋った内容を訳しているだけである。どうやら副校長氏(55)は、昼下がりの不倫妻に言葉では到底表現できないほどいやらしい写真を送らせようとしていたのだ。下記、若干の編集を加えた上で会話の続きを紹介する。
副校長:そう言っているうちに本当に見たくなってきたよ。もうガマンできない。君の水で僕の乾きを癒やしてほしい。
人妻A:そんなこと言っちゃって。
副校長:送ってくれ。
人妻A:あなたはもうお水を何年も飲んできたのに、まだガマンできないの?
副校長:そう言われると恥ずかしいよ。
人妻A:そうよ、私はこの歳になるまでそんなことしたことなかったの。夫だって私に撮れとは言わないのに。
副校長:僕は欲しいんだ。
人妻A:あなたは夫よりも熱心なのね。
副校長:(男性器とみられる写真を送信)。
人妻A:大きくなってるわ。
繰り返すが副校長氏55歳、実に元気なことである。2人の関係はもう数年間も続いているのにアツアツなのだ。現地報道によると、この履歴は昨年12月に彼が携帯電話を業者に回収させた後、業者経由で流出したと見られるという。
副校長氏は『現代快報』記者の取材に、チャットアカウントが自分のものであることは認めたものの、上記の甘い会話については外部からのハッキングによる捏造であり、自分も被害者として警察に通報したと主張している。なんだか、間違って私生活のデート写真をツイートしちゃったアイドルみたいな言い訳だ。