料理宅配大手のウーバーイーツが、日本国内でも徒歩による配達を開始すると発表した。ネットでは「意味不明」といった反応が多いのだが、シェアリング・エコノミーが持つ本質を考えた場合、徒歩配達が拡大する可能性は極めて高く、むしろ徒歩配達が最大のパフォーマンスを発揮する可能性すらある。さらに言えば、長いスパンで見た場合、人口の都市部への集約を加速させる作用すらもたらすかもしれない。
すでに諸外国では徒歩配達が始まっている
これまでウーバーイーツの配達員は主に自転車を使って料理を配送していた。一部の配達員はバイクを使っているが、自転車やバイクで配達するには、事前にウーバーへの車両登録が必要だった。2021年6月21日からは、登録用アプリで徒歩での配達に切り換えることが可能となり、今後、新たに加入する配達員は徒歩のみでも配達が始められる。
自転車による配達の場合、駐輪する手間がかかるほか、階段や細い路地がある場所は通れないため、場所によっては徒歩の方が効率的になるケースがある。すでにニューヨークや香港など海外の大都市では徒歩による配達が導入されている。
このニュースに対してネットなどでは「意味不明」「近距離の注文など仕事として成立しない」など否定的な意見が目立っている。確かに現時点では徒歩圏内だけで配達員が十分に稼げる地域は限定的であり、あくまでお試しの措置であることは明らかである。
だがウーバーに代表されるシェアリング・エコノミーの本質を考えた場合、徒歩による配送というのはもっともポテンシャルが高い手法であり、長いスパンでは、これが驚異的な成果をもたらす可能性がある。