ネットワーク通信をせずに端末間通信でメッセージのやりとりが可能なアプリ「TinCan」

3GやLTE、さらには無線LANなどでインターネットに接続することなくスマートフォンのWi-Fi機能を利用して端末同士がつながり合うことでメッセージのやりとりを行い、通信時にはアプリを利用する端末が通信の中継点になるので、利用者が多ければ多い程広い範囲にメッセージを届けられるようになるコミュニケーションアプリが「TinCan」です。

TinCanアプリのイメージは以下のムービーを見るとつかむことができます。


TinCanではネットワーク通信を利用せず、アプリユーザーを中継点として広がる端末ネットワークを使うことでメッセージのやりとりが可能になります。

アプリは以下からインストール可能。

TinCan - Google Play の Android アプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.hubski.com.kvh.tincan

まずはTinCanをGoogle Playからインストールします。

インストール後、データ通信なしで本当にメッセージの交換が可能か確認するために機内モードをオンにしました。

TinCanでは端末間のメッセージのやりとりをWi-Fi経由で行うので、Wi-Fiはオンにしておきます。

そして何かしらのアクセスポイントに接続している場合には「ネットワークから切断」をして、Wi-Fiはオンになっているがどのネットワークにも接続していないという状態にしておきます。

この状態でWi-Fi接続可能な環境にいれば「Wi-Fiを利用できます」という通知が表示されます。これを確認したらTinCanを起動。

トップ画面はこんな感じで、TinCanを利用する前にまずユーザーネームを設定する必要アリ。

好みの名前を付けたら「実行」をタップ。

そして表示されるこの画面がTinCanのホーム画面です。

ここでいったんWi-Fi管理画面を開いてみると、「TinCan」という名前の付いたネットワークに接続されており、どこかのTinCanユーザーとWi-Fi経由でつながっていることが確認できます。なお、近くにTinCanユーザーがいない場合には接続する相手がいないのでメッセージのやりとりを行うことはできず、1人チャット状態になってしまうので注意。

ホーム画面からメッセージを送信するには画面下部のテキストボックスをタップ。

テキストを入力して「SEND」をタップ。

するとこんな感じでメッセージを送ることが可能。赤文字部分がユーザーネームとなっており、自分で設定した名前の後にランダムで生成された文字列が加わっています。

自分以外のユーザーが送信してきたメッセージはこんな感じ。

メッセージをタップすれば……

「Subscribe(購読する)」アイコンが表示されるので、これをタップしてみます。

そして画面上部の「Subscribed Users」をタップすると、購読したユーザーのメッセージだけを表示可能になります。

次に画面右上のTinCanアイコンをタップ。

すると設定画面に飛びます。この画面の上部赤枠部分に表示されているのがユーザーネーム。そしてここに表示されているアイコンは上から順に「Reset Username & Unique ID(ユーザーネームのリセット)」「Manually Add User to Subscribed List(手動でユーザーを購読する)」「Your Subscribed List(購読しているユーザーをリスト表示)」「About Us(TinCanの開発者について)」

手動でユーザーを購読する際はこんな感じ。

購読しているユーザーをリスト表示するとこう。ここから購読を外すことも可能。

データ通信が限られている野外フェスやスポーツイベントなどでは、デーツ通信に依存せずメッセージのやりとりが可能なTinCanが役立つ、と開発者のKatakowskiさんは話します。

なお、このTinCanでやりとりするメッセージには特定の電話にリンクするようなデータは含まれておらず、端末を追跡することは不可能。デバイスからデバイスに通信を行うネットワークでは容易にマルウェアを広げることが可能なのですが、「多少のリスクはあるがリスクに勝るポテンシャルをTinCanは秘めている」とKatakowskiさんは言います。