シャネルが3Dプリンターで出力した素材を使ったオートクチュールを発表
シャネルはオートクチュールコレクションの新作を半年に1度発表しているのですが、2015年秋のオートクチュールコレクションには、なんと3Dプリンターを使って制作されたジャケットやスカートが登場しています。
26 Exclusive Photos of Chanel's New 3-D Printed Couture Collection - Racked
http://www.racked.com/2015/9/24/9372551/chanels-couture-collection-3d-printing
2015年秋のシャネル オートクチュールコレクションには、1920年代風のクラシックなツイードジャケットや、キルト地のシャネル2.55ハンドバッグ、モダンデザインの黒いドレスなど多数の服や装飾品が登場しましたが、新作コレクションのうち10着ほどは、なんど3Dプリンターを使って制作されているとのこと。
例えば写真右側のツイードジャケットには、袖や裾部分に3Dプリンターで格子状に出力した素材が縫い付けられています。
アップで見るとこんな感じ。服全体を3Dプリンターで製造するのではなく、3Dプリンターで出力したパーツを服に取り入れて、最後は仕立職人が手縫いで仕上げているそうです。制作現場では、人間のデザイナーたちの隣にPCや3Dプリンターの機械が並んで作業しているという奇妙な光景だったとのこと。
実際にモデルが着用している様子はこんな感じで、遠目で見ていると3Dプリンターを使ったパーツが使われているとは思えないほど、パーツが服の生地によくなじんでいます。
写真右側に写っている白いジャケットとミニスカートのセットは、3Dプリンターで網目状に出力した素材をキルト地の上に重ねて縫い付けたもの。
アップで見ると以下のようになっています。網目状の素材は一見すると布製のようにも見えますが、シリコンのような固い触り心地とのこと。
3Dプリンターで作った白いパーツの裏側に金色のスパンコールを縫い付けた生地を組み合わせることで、角度によって服の色が変化して見えるそうです。
モデルが着用している様子は以下の通り。
こちらは色違いの赤バージョン。
背後は以下のようになっています。
黒を基調としたシンプルなジャケット&スカートの組み合わせもあります。
真冬用の分厚いジャケットにも、3Dプリンターで出力したパーツが縫い付けられています。
ジャケットの裾部分や……
襟元、袖口とスカートの裾にも3Dプリンターを使った四角のタイルのような素材が敷き詰められています。
シャネルのデザイナーをつとめるカール・ラガーフェルド氏は、今回発表したオートクチュールコレクションで3Dプリンターを使ったファッションデザインを初めて手がけたとのこと。ラガーフェルド氏はAFP通信のインタビューで「デザイナーとして生き続けるためには時代の流れと共に変化していくことが不可欠です。眠り姫のように時の流れの中で止まってしまうと、人々に忘れ去られていきます。現代の服を買うのは現代の女性であり、過去のブルジョア階級の貴族ではない、ということを心に留めておかなくてはいけません」と語っています。
シャネルの2015年秋オートクチュールコレクションの新作には、3Dプリンターを使った服以外にも手の込んだドレスやジャケットが数多く登場しています。例えば立体的な花を全面にあしらったコートや……
シックな黒一色のドレス。
別のバージョンの黒いドレスもあります。
服以外にも、銀色のマットな質感のハイヒールなど装飾品もあります。
なお、オートクチュールコレクション新作が発表されたショーの様子は、以下のサイトから見ることができます。
2015/16秋冬 オートクチュール コレクション シャネル 公式サイト : CHANEL.COM
http://www.chanel.com/ja_JP/fashion/haute-couture.html
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