GoogleアプリがiOSで収集している個人情報の詳細が判明、あまりの多さに「隠したがっていたのも無理はない」との声
GoogleがAppleのApp Storeで公開しているGoogleアプリとChromeにアップデートが配信されたことに伴い、アプリが収集する情報を明示した「プライバシーラベル」もApp Storeに掲載されました。このプライバシーラベルには、Googleのアプリが広範囲な個人情報を収集していることが明記されていたため、「GoogleがiOS版アプリの更新をしばらく放置してプライバシーラベルの掲載を先送りにしたのも無理はない」との声が上がっています。
Apple's app transparency rules: Google's privacy labels for Chrome and Search on iOS highlighted by DuckDuckGo • The Register
https://www.theregister.com/2021/03/16/keep_scrolling_googles_privacy_labels/
Appleは2020年11月に、App Storeでのアプリ配布ページに、アプリが収集するデータとその利用目的の明記を義務づける「プライバシーラベル」を導入しました。
Appleが「アプリが収集するデータや利用目的などの情報」を新たな形で明示することを開発者に義務づける - GIGAZINE
プライバシーラベルの導入以降、App Storeで公開されているGoogle製アプリの一部で、更新が行われなくなりました。アプリを更新するとプライバシーラベルを表示せざるを得なくなるため、「iOS向けのGoogle製アプリでアップデートが遅れているのは、プライバシーラベルに対応しあぐねているからではないか?」とのウワサがささやかれていました。
そんな中、App Storeで公開されているGoogleアプリとChromeにアップデートが配信され、両アプリの「プライバシーラベル」が公開されました。iOS版のGoogleアプリにアクセスしてスクロールすると、「ユーザーに関連付けられたデータ」として「財務情報」「位置情報」「連絡先情報」「連絡先」「ユーザーコンテンツ」「検索履歴」「閲覧履歴」「ID」「使用状況データ」「診断」「その他のデータ」が表示されます。しかし、これは一部なので、全体を見るために「詳細を表示」をクリックすると……
とてつもなく長いポップアップが現れ、Googleが収集しているデータがずらずらと表示されました。
Chromeはこんな感じ。
これを受けて、利用履歴等を保存しない方針を掲げている検索エンジンのDuckDuckGoは、Twitterで「数カ月間の停滞の後、GoogleはついにGoogleアプリとChromeで収集している個人情報の量を明らかにしました。彼らがそれを隠したがっていたのも不思議ではありません。ユーザーをスパイすることと、優れた検索エンジンやブラウザを開発することは何ら関係のないことです」とコメントしました。なお、DuckDuckGoのブラウザアプリである「DuckDuckGo Privacy Browser 」は、ユーザーに関連付けられたデータを一切収集していません。
After months of stalling, Google finally revealed how much personal data they collect in Chrome and the Google app. No wonder they wanted to hide it.
— DuckDuckGo (@DuckDuckGo) March 15, 2021
⁰
Spying on users has nothing to do with building a great web browser or search engine. We would know (our app is both in one). pic.twitter.com/lJBbLTjMuu
イギリスのIT系ニュースサイト・The Registerによると、Chromeが収集しているデータは19カテゴリに及ぶ一方で、AppleのSafariは全13カテゴリで、そのうち「ユーザーに関連付けられたデータ」は6カテゴリしかないとのこと。また、Firefoxの場合は全7カテゴリで、そのうち「ユーザーに関連付けられたデータ」は4カテゴリでした。
なお、Appleは自社製アプリのプライバシーラベルを一覧にしてまとめて公開しており、以下から見ることが可能です。
Privacy - Labels - Apple
https://www.apple.com/privacy/labels/
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