「グランド・セフト・オートV」のグラフィックをほぼ実写化するAIが開発される
2013年にリリースされたオープンワールドゲーム「グランド・セフト・オートV(GTA5)」は、PlayStation 5向けの拡張・強化版が開発中であることが報じられるなど、10年近く愛されている人気ゲームです。そんなGTA5のグラフィックを高い精度で実写風に変化させるAIが、Intelの研究チームによって開発されました。
Enhancing photorealism enhancement
(PDFリンク)http://vladlen.info/papers/EPE.pdf
Enhancing Photorealism Enhancement
https://isl-org.github.io/PhotorealismEnhancement/
開発されたAIによってGTA5のグラフィックがどのように変化するかは、以下のムービーを見るとよく分かります。
Enhancing Photorealism Enhancement - YouTube
通常のGTA5のグラフィックはこんな感じ。
そして、これがAIによって実写風に加工されたGTA5のグラフィックです。まるで、ダッシュボードに設置したドライブレコーダーで撮影したような映像に変化しています。
加工前と加工後を並べると、加工後は彩度が落ちて、空に浮かぶ雲の描写や車のランプのテカりなどが現実のモノに近くなっていることが分かります。
研究チームによると、今回開発されたAIの学習には、自動運転技術の開発などに使われている道路情報のデータセット「Cityscapes Dataset」を用いたとのこと。
また。今回開発したAIでは、「ゲーム内のカメラとオブジェクトの位置関係」や「テクスチャの品質」を含む「G-buffer」と呼ばれるパラメーターを用いることで、これまでに開発されたAIよりも自然な仕上がりを実現しています。
実際に、これまでに開発されたAIと加工結果を比べると、旧来のAI(左)では街路樹や空の表現が破綻しているのに対して、新たなAI(右)では実写に近い表現を実現できていることが確認できます。
テクノロジー関連メディアのThe Vergeは、「今回開発されたAIがGTA5のアップデートに適用されることはないと思われますが、AIを用いて昔のゲームのグラフィックを向上させるModは数多く開発されています」「今回Intelが開発したAIは、ゲームのグラフィックをソフトウェア面で向上させる余地が残っていることを示しています」と述べています。
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