Windows 11の累積更新プログラムを入れると特定のセキュリティソフトを入れたユーザーのChromeが機能しなくなる

2023年6月14日にリリースされたWindowsの累積更新プログラム「KB5027231」を導入すると、特定のセキュリティソフトを導入しているユーザーのChromeが機能しなくなることが報告されています。KB5027231との競合によってプロセスは実行されているものの、Chromeのユーザーインターフェースを読み込むことができなくなる模様です。

Malwarebytes conflict with Google Chrome – Malwarebytes Support
https://support.malwarebytes.com/hc/en-us/articles/17571529651475

Windows 11 KB5027231 update breaks Google Chrome for Malwarebytes users
https://www.bleepingcomputer.com/news/microsoft/windows-11-kb5027231-update-breaks-google-chrome-for-malwarebytes-users/

Windows 11 KB5027231 also breaks Chrome for Cisco, WatchGuard EDR users
https://www.bleepingcomputer.com/news/microsoft/windows-11-kb5027231-also-breaks-chrome-for-cisco-watchguard-edr-users/

KB5027231をインストールすると一部のユーザーでChromeが起動しなくなる問題は、Redditでも報告されています。

この不具合はMalwarebytesを導入しているユーザーを対象に発生していることが確認されています。Malwarebytesの有料版には、アプリやブラウザの脆弱(ぜいじゃく)性に対するエクスプロイトに対処するためのExploit Protectionという機能が搭載されています。KB5027231をインストールしたWindows 11で、このExploit ProtectionがChromeを保護していると、Chromeのユーザーインターフェースが読み込まれず、Chromeを使うことができなくなってしまうとのこと。

セキュリティ問題を扱うニュースサイト・BleepingComputerが実際に確認したところ、Chromeのプロセス自体は実行されていることは確認されていたため、何らかの干渉によってユーザーインターフェースが読み込まれず、Chromeを使うことができなくなっている模様。

Malwarebytesのプロダクト担当ヴァイスプレジデントであるマイケル・シャーウッド氏は6月14日に自社のフォーラムで、「Windows 11でMalwarebytesのExploit ProtectionとChromeが競合して、Chromeがクラッシュする問題が発生しています。2023年6月13日にリリースされたWindows Update(KB5027231)が原因で起こっていると思われます」と述べています。その後、Malwarebytesは6月16日に配信された更新で、Exploit Protectionの対象にChromeを外す修正を行いました。

しかし、BleepingComputerは、WatchGuardやCisco Secure Endpointでも同様の問題が発生していると報告しています。それぞれのセキュリティソフトにはMalwarebytesと同じようにExploit Protection機能が搭載されており、この機能からChromeの保護を無効にするか、システムのデフォルトブラウザとしてChromeを設定することで問題を回避できるとのことです。