オープンソースエコシステムに投資された金額は2024年の1年間で1兆2000億円超
ハーバード大学、Linux財団、GitHubの共同研究チームによるオープンソースプロジェクトの資金調達に関する調査の結果レポートが発表され、調査対象の組織が1年間にオープンソースエコシステムに投資した金額が17億ドル(約2660億円)だったことがわかりました。調査対象は限定的なので、オープンソースエコシステム全体への投資額を推計すると77億ドル(約1兆2070億円)に上るとみられます。
2024 Open Source Software Funding Report
https://opensourcefundingsurvey2024.com/
Understanding the State of Open Source Funding in 2024
https://www.linuxfoundation.org/blog/understanding-the-state-of-open-source-funding-in-2024
研究チームはLinux財団およびGitHubのメーリングリスト、TODO Groupで、合計501に及ぶ組織のオープンソースプログラムオフィス(OSPO)担当者やエンジニアリング責任者、経営幹部などから回答を得ました。回答のあった組織の所在地で最多だったのはアメリカ・カナダで44%。ほか、ヨーロッパが39%、アジア・太平洋地域が11%、アフリカが4%、メキシコを含めた中央アメリカと南アメリカが2%でした。
組織内でオープンソースに関連する運用や管理を担当するOSPOがある、または作りたいと回答した組織は44%。利用しているのは24%で、プロジェクトに実際に貢献しているのは21%でした。また、18%が何らかのプロジェクトをリリースしていて、16%はリーダーやメンテナーの役割を担当してプロジェクトに影響を与えているそうです。
また、159人の回答により、組織はオープンソースソフトウェアのエコシステムに対して17億ドルを投資していることがわかりました。調査対象ではない組織も含めた推定では、オープンソースエコシステム全体への投資額は77億ドルにのぼるとのこと。
ただし、「オープンソースに何らかの貢献をしている」と回答した325件のうち、経済的支援についての回答率は55%あったのに対して、「組織の従業員がOSSに費やす労働時間は?」という質問になると回答率は20%まで下がっており、重要な盲点になっていると指摘されています。
こうした調査結果から、研究チームは組織がオープンソースソフトウェアにどのように投資し、どう貢献しているかを理解できるツールキットを開発して公開しており、「投資をよりよく把握し、追跡するために役立ててほしい」と述べています。
GitHub - sboysel/open-source-funding-toolkit: A collection of resources to improve insight into your organization's open source contribution
https://github.com/sboysel/open-source-funding-toolkit
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in メモ, ソフトウェア, Posted by logc_nt
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