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XCP解説サイトに掲載したSONY BMGの声明文
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米SONY BMG Music Entertainmentは16日、rootkitと同様の手法が用いられているとして物議を醸しているコピー防止ソフト「XCP」を採用した音楽CDについて、市場から引き上げる方針を示した。同社のXCP解説サイトに掲載した声明文で明らかにした。
これによればSONY BMGは、XCPを採用したCDについて、コピー防止ソフトを持たない同タイトルのCDに交換するプログラムを実施する。また、販売店に対しては、XCPを採用したすべてのCDの店頭在庫を回収するよう依頼したという。交換・回収プログラムの詳細は近く発表する予定だ。
XCPは、SONY BMGが一部のCDに採用しているコピー防止機能で、PCにインストールされると特定のファイルの存在やプロセスの実行などを隠す手法が用いられている。ウイルスやスパイウェアが自らの活動を発見されにくくするためのrootkitと呼ばれる手法と同様だとして、セキュリティ専門家などから批判を受けていた。すでに、XCPを悪用したウイルスも複数確認されている。
XCPを悪用するウイルス対策としてSONY BMGは8日、XCPのソフトウェアアップデートの配布を開始した。さらに、XCP自体をアンインストールするツールの配布も開始したが、15日になって配布を一時中止している。SONY BMGはその理由について特に説明していないが、このアンインストールツールはActiveXコントロールを使ったWebベースのもので、セキュリティ上の問題によりリモートでコードが実行される脆弱性があることがUS-CERTやF-Secureなどによって報告されている。
SONY BMGの16日付の声明文によれば、「すでにXCPソフトウェアがインストールされてしまったコンピュータから、それを簡単かつ安全にアンインストールする手順についても近く案内できる見込みだ」としている。
関連情報
■URL
SONY BMGのXCPの解説サイト(英文)
http://cp.sonybmg.com/xcp/
US-CERTの報告(英文)
http://www.us-cert.gov/current/current_activity.html#xcpdrm
F-Secure公式ブログの該当記事(英文)
http://www.f-secure.com/weblog/archives/archive-112005.html#00000709
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( 永沢 茂 )
2005/11/16 21:31
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