Microsoft Office
Microsoft Office(マイクロソフト オフィス)は、マイクロソフトが開発・製造・販売するオフィススイート製品である。MS-Officeとも呼ばれているが、これはMS-DOSから訛称されているもので名称にMSとつく製品はMS-DOSのみである。「Office」の名を冠する製品はマイクロソフト社だけではないが、単に「Office」と呼ばれた場合はマイクロソフト社のOfficeを指す場合がほとんど。
開発元 | マイクロソフト |
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最新版 | |
対応OS | Microsoft Windows, Mac OS X |
種別 | オフィススイート |
ライセンス | プロプライエタリ |
公式サイト | · www.microsoft.com/japan/ |
概要
Microsoft Office 1.0 for Macを1989年6月発表、初代Microsoft Officeが誕生した。これには、Word、Excel、PowerPointが含まれていた。Windows用の最初のバージョンはOffice 3.0で、Office 4.3までは16ビット版であった。したがって、Office 4.3がWindows 3.x、Windows NT 3.1、3.5をサポートする最終バージョンである。
Windows 95 登場に合わせて、オペレーティングシステム (OS) 開発元の利点を生かし、いち早く32ビット化したOffice 95を市場に投入し、対応が遅れた他社製オフィススイート商品を圧倒した。また、このころのパーソナルコンピュータ(パソコン)への組み込み販売では、マイクロソフトがパソコンメーカー各社に対し、Windows 95への初期導入ソフトとしてMicrosoft Officeを指定した。Office 95登場まで、米国ではWordPerfectがワープロの、Lotus 1-2-3がスプレッドシートの、また日本では一太郎がワープロの、それぞれシェアNo.1であったが、初期導入指定という販売手法も相まって、1990年代後半からデファクトスタンダードとしてMicrosoft Officeが市場を支配している。
圧倒的なシェアの前に競合種は苦戦を強いられており、極端な低価格で対抗したものの多くは撤退を余儀なくされた。唯一、OpenOffice.orgが政府系機関を中心にシェアを奪いつつあり、これに対してマイクロソフトはOffice2007でオープンなファイル形式を採用するとともに、ユーザインタフェースの大幅な変更で差別化を図るなどして対抗している。
尚、パッケージは2003までは紙製のケースが使用されていたが、2007からはVistaと同じプラスチック製の化粧箱に変更された。
製品
2007においては、Project、SharePoint Designer、Visio以外は統合製品にバンドルされているが、それ以外のアプリケーションでも単体製品は存在する。
主要な製品
- Access
- データベースソフト。Windows版のみ存在する(かつてMac版としてMicrosoft Fileという製品が存在した)。
- Excel
- 表計算ソフト。マクロ言語によって、表計算ソフトを越えた利用も可能である。
- Outlook
- 個人情報管理ソフト (PIM)。電子メールクライアントとしての機能を備えてあり、グループウェアの利用も強く意識されている。Windows版のみ存在する(Mac版ではEntourage)。
- PowerPoint
- プレゼンテーションソフト。
- Publisher
- デスクトップパブリッシング (DTP)。Windows版のみ存在する。
- Word
- ワープロソフト。アウトラインでの作業やテーマの設定などが行える。
その他の製品
- Groove
- コミュニケーターツール
- InfoPath
- XMLオーサリングツール
- InterConnect
- 電子名刺・情報管理ツール
- OneNote
- メモ管理ツール
- Project
- 工程管理ツール。単体製品のみ存在する。
- SharePoint Designer
- Webオーサリングツール。単体製品のみ存在する。
- Visio
- グラフィックツール。単体製品のみ存在する。
サーバー向けの製品
サーバとしてのOfficeファミリー製品は、Microsoft Serversを参照のこと。
以前に存在した製品
- PhotoDraw
- フォトレタッチ。Office 2000のバージョンのみ。
- FrontPage
- Webオーサリング。2003まで存在した。2007のSharePoint Designerに置き換わった。
関連ツール
- Home Style+
- 家庭向け機能拡張ツール
- IME
- 日本語入力システム
- Photo Editor
- フォトレタッチ。Office 2003 Editions以降には含まれない
- Picture Manager
- フォトレタッチ。Office 2003から Microsoft Photo Editorの置換えとして搭載
- Bookshelf Basic
- 統合辞書。Office 2003 Editions以降には含まれない
- Virtual PC
- エミュレーション機能も備えた仮想化ソフトウェア。単体発売およびMacintosh版Office 2004 の上位バージョンに付加される
エディション
これらの各種ソフトウェア群をそれぞれのエディション毎に選別して「オフィススイート製品」として販売している。単体パッケージでも販売されており、この内、Project、SharePoint Designer、Visioはオフィススイートでは販売されず、単体パッケージでのみ提供される。そのため、最上位エディションであるUltimateでもオフィススイートが全種類揃うことはない。旧バージョンからのアップグレード版も提供されており、その場合はアップグレードと同時に下位エディションから上位エディションに変更することもできる(例えばPersonal 2003からUltimate 2007へのアップグレードも可能)。プリインストールされているエディションはPersonalが過半数であるが、これに加える形で他の製品が単体で同梱する場合もある(例 : Personal with PowerPointなど)。
Windows版のエディション
現在のエディション
- Personal
- 含まれている製品 : Excel · Outlook · Word
- 個人向けとして用意される最下位スイート。大抵のメーカー製機種にはこのエディションがプリインストールされている。
- Standard
- 含まれている製品 : Excel · Outlook · PowerPoint · Word
- 個人・企業向けとして用意される下位スイート。
- Personal with PowerPoint
- 含まれている製品 : Excel · Outlook · Word · PowerPoint
- プリインストール限定のエディション。
- Professional
- 含まれている製品 : Access · Excel · Outlook · PowerPoint · Publisher · Word
- 企業向けとして用意される上位スイート。アカデミック版が存在する。
- 稀に法人向けやハイエンドスペックのメーカー製機種にプリインストールされていることがある。
- Professional Plus
- 含まれている製品 : Access · Communicator · Excel · InfoPath · Outlook · PowerPoint · Publisher · Word
- ボリュームライセンスのみで提供されている。
- Enterprise
- 含まれている製品 : Access · Communicator · Excel · Groove · InfoPath · Outlook · OneNote · PowerPoint · Publisher · Word
- ボリュームライセンスのみで提供されている。
- Ultimate
- 含まれている製品 : Access · Excel · Groove · InfoPath · InterConnect · Outlook · OneNote · PowerPoint · Publisher · Word
- 個人・企業向けとして用意される最上位スイート。アカデミック版が存在する。Office 2007で新設された。
過去に存在したエディション
- Professional Enterprise Edition
- 含まれている製品 : Access · Excel · Outlook · InfoPath · PowerPoint · Publisher · Word
- 2003まで存在した。
- Professional Special Edition
- 含まれている製品 : Access · Excel · Outlook · PowerPoint · Word
- 2002まで存在した。
- Developer
- 含まれている製品 : Access · Excel · Outlook · FrontPage · PowerPoint · Publisher · Word
- 2002まで存在した。
- Professional with FrontPage
- 含まれている製品 : Access · Excel · Outlook · PowerPoint · Publisher · Word · FrontPage
- 2002まで存在した。
- Premium
- 含まれている製品 : Access · Excel · FrontPage · Outlook · PhotoDraw · PowerPoint · Publisher · Word
- 2000まで存在した。Office 2007のUltimateに相当。
Macintosh版のエディション
- Office 2008 for Mac Standard Edition
- 含まれている製品 : Excel · Entourage · PowerPoint · Word
- Office 2008 for Mac Special Media Edition
- 含まれている製品 : Excel · ExpressionMedia · Entourage · PowerPoint · Word
- Office 2008 for Mac ファミリー&アカデミック
- 家庭内および学生ユーザの利用に限られるが、最大3台のMacintoshで利用可能。また、ExchangeServerクライアント、Automator対応が省かれている。
プリインストール版と製品版の相違点
プリインストール版は搭載されたPCでのみ使用可能であるが、製品版はあるパソコンで使用しなくなれば別のパソコンで使用することができる。また、Windows向け製品版ならば、同時使用しないという前提であるが、2つのパソコン(デスクトップとノート)にインストールすることができる。
バージョン
Windows版
- Office 1.5
- マイクロソフト初のOfficeスイート。
- 16ビットバージョン。
- Office 4.3
- 最後の16ビットバージョン。
- Windows 3.1時代におけるオフィススイート。
- Office 95 (Office 7)
- Windows 95と同時発売。
- Windows 95の登場に合わせ32ビット化。
- 基本構成、インタフェースの大部分はOffice 4.3とほぼ変わりない。
- Office 97 (Office 8)
- Office 97ではMicrosoft Officeシリーズでは初の「Officeアシスタント」機能(後述)が追加された他に日本語関連の機能改善などが施されている。
- 日本独自のMicrosoft IME 98の発売とそれに伴うWord 98の発売により、Microsoft Office 97 Powered By Word 98が存在する。
- Office 2000 (Office 9)
- Windows 2000と同時発売。
- 自動的にアプリケーションの不具合を検査し、必要に応じて修復処理を行う機能や、頻繁に使用するメニューを優先的に表示する機能、HTMLファイルの読み書き強化やネットワーク関連機能が強化されている。
- また、ユニバーサルフォント (Arial Unicode MS) 搭載など多言語環境への対応も進んだ。
- メニューの優先表示などの一部の機能はOffice 2000のリリース後に発売されたWindows 2000でも採用された。
- Office XP (Office 10)
- Windows XPと同時発売。
- 右端(標準)に煩わしい作業を短縮できる「作業ウィンドウ」機能やOfficeアシスタント不要でも記事検索ができる「質問バー」機能、ネットワーク関連機能の強化が施された他、細かな点で改良が加えられており、特にPowerPointではOffice 2000のそれとはかなり異なったものとなっている。
- 日本ではライセンス認証機構の「プロダクトアクティベーション」が搭載された。
- また、タブレットPCでは「タブレットPack」をインストールすることで、ペンによる書き込みができるようになった。ルック・アンド・フィールはフラットな印象のものに変更された。
- the 2003 Microsoft Office system (Office 2003、Office 11)
- XMLへの対応強化とネットワーク関連機能を中心に強化された。特にグループ内での共有機能に重点が置かれている。ルック・アンド・フィールはメタリックなものになった。
- Office ファミリーに、InfoPathとOneNote、InterConnectが追加。
- 2007年9月19日にSP3をリリース。
- the 2007 Microsoft Office system (Office 2007、Office 12)
- 2007年1月30日にWindows Vistaと同時発売されたバージョンで、企業向けボリュームライセンスは2006年11月30日より提供が開始された。
- 主要アプリケーションにおいて、メニューバーとツールバーを用いたWindows標準ユーザインタフェースを廃し、「リボン」と呼ばれるコマンドタブを採用した。マイクロソフトはこれを、肥大化したOfficeアプリケーションの機能へのアクセスを容易にするための変更としているが、すでに以前のバージョンのMicrosoft Officeの操作に習熟したユーザの間では、再習得が必要なこの変更を不安視する向きもあり、たとえば英国教育工学通信協会は教育機関でのOffice 2007の導入に注意を呼びかけている。
- 描画エンジンは一新され、手の込んだ外観の図表を簡単に作成可能になった他、かつての16色や256色環境を想定した配色も見直されている。
- デフォルトの保存形式がOpenXML形式に変更された。旧バージョンとの互換性を保つためには、Office 2007側で「Office 97〜2003 ドキュメント」として保存するか、旧バージョンを使用しているPC側にマイクロソフトから提供される互換機能パックをインストールする必要がある。[1]
- Office Systemとして、サーバ用Officeが強化されている。
- OfficeファミリーにGrooveが加わった。
- 2007年12月にSP1をリリース。
- 2009年前半にSP2をリリースする予定である事が2007年5月21日(米国時間)発表[2]された。
- Office 14(開発コード名)
- 2009年上半期にリリース予定。
- バージョン13は忌み番を考慮してスキップされた。
Macintosh版
Microsoft Officeに関する資格について
Microsoft Officeに関する資格として、Microsoft Office Specialistがある。以前にはMicrosoft Office User Specialist(略称 MOUS)とされていた。
Officeアシスタント
Office アシスタントは、Microsoft Office系アプリケーションにおいて、ヘルプメッセージの表示などを行うユーザーサポートキャラクター。Windows版、Macintosh版ともに利用できる(若干の差異あり)。Office 97で初採用され、次バージョンのOffice 2000ではウィンドウを飛び出して自由に移動できるようになった。しかし、Officeアシスタントを常駐させることがかえって作業の邪魔になったり、アシスタント機能そのものが不要という意見も多く、Office XP以降では標準では表示されないように設定された。
また、Officeアシスタントは質問を入力すると該当する項目またはそれに近い記事を検索するが、Office XP以前とOffice 2003では該当する記事の一覧表示方法が異なっており、Officeのバージョンが上がるにつれてアシスタントが目立ちづらくなってしまった。そしてOffice 2007ではこの機能は完全に廃止された。
なお、Officeアシスタント機能の代替としてOffice XP以降ではメニューバーの端に検索用語を入力することで該当記事を即座に検索できる「質問バー」が付加された。また、別途用意されている開発ツールを駆使すれば自作でOfficeアシスタントを開発することも出来る。
主なアシスタント
- クリッパー
- ゼムクリップがモデルのOffice アシスタント。体は細い針金でできており、その形状を自在に変化させることができる。体の端を丸めることで物をつかむこともできる。英語版のMicrosoft Officeを使用している場合はこのアシスタントが標準のキャラクターとして表示される。
- カイル
- イルカがモデルのOffice アシスタント。愛用するホタテ貝形のノートパソコンを鼻先でタイプする。日本語版のMicrosoft Officeを使用しており、アシスタントを有効にしている場合はこのイルカが標準のキャラクターとして表示される。Office 2000より擬似的な立体感を表現するようになった。同様の例では上記のクリッパーや下記のF1、Officeロゴが例に挙げられる。
- F1
- 二足歩行ロボット風Office アシスタント。Office 2000より登場。300/Mシリーズに属し、その初代型であるという。ボディの分解・再構築も得意。退場時にたびたび爆破される。
- Office ロゴ
- Office XP及びそれ以前のロゴマークをモチーフとしたミステリアスなOfficeアシスタント。
- マーリン
- 立派なひげをたたえた老人男性風Officeアシスタント。本人は魔法使いという設定。Windows Meの初回設定画面にも登場する。
- 孫悟空
- 『西遊記』の主人公、孫悟空がモデルのOffice アシスタント。
- ミミー
- ネコのアシスタント。しばらく操作等せずに放置しておくと、居眠りを始める。
- ロッキー
- イヌ。たまに登場するとき、チェーンが引っかかるのでガスバーナーを使って切る。Windows XPの検索アシスタントでは標準のキャラクターである。
- スーパーわん太
- マントを装着したイヌ。Office 97のみに登場。
- 冴子先生
- 表情豊かな女性Office アシスタント。名刺が変形した専用のデスクに席を構えている。不思議な力を持っている。日本語版オリジナルのアシスタント。退場時に突然現れた穴に吸い込まれる。
- まんまちゃん
- Office 2000の販促キャンペーン時にのみ存在したテレビ番組のマスコットキャラクターを模したアシスタント。現在では入手不可能。
- マックス
- Mac版限定。足の生えたMacパソコンといった風体。放っておくと、ルービックキューブになったりする。
関連項目
- Microsoft Office Specialist(Microsoft Officeの利用技能に関する試験)
- Macintosh Business Unit(通称「Mac BU」。Macintosh向けMicrosoft Officeを開発している)
- Microsoft Windows
- Microsoft Servers
- Microsoft Works
- オートシェイプ
- オフィススイートの比較
競合製品
参照
- ^ Word/Excel/PowerPoint 2007 ファイル形式用 Microsoft Office 互換機能パック
- ^ 八木 玲子 (2006年5月22日). “Office 2007が対応文書形式を拡大、PDF/XPS/ODFなどを追加:ニュース”. 日経パソコン オンライン. 日経パソコン. 9月1日閲覧。accessdateの記入に不備があります。