Microsoft Office は、単体ソフトウェアとしては1983年5月に Multi-Tool Word の名前で XENIX 向けに発売されたのが最初で、オフィス スイートとして複数のソフトウェアがセットになった状態で発売されたのは1989年6月に Macintosh (Mac) 向けが最初である。この時点で Word, Excel, PowerPoint が含まれていた。Windows 向けに発売したのは1990年10月である。日本語版が用意されたのは、Office for Mac 4.2 と Office 3.0 からである。
1994年6月に発売された。32ビット版の Word 6.0 と Excel 5.0 が含まれ、16ビット版の PowerPoint 4.0 が含まれた。Word と Excel は MIPS, PowerPC, Alpha, x86 プロセッサで動作した。
Office 4.0 for Mac
1993年に発売された。Power Macintosh に対応した。Office 4.2 for Mac では日本語版が追加され、Word 6.0 と Excel 5.0, PowerPoint 4.0 と Mail 3.1 を含んだ。
Office 7
Office for Windows 95 (Office 95)
1995年に発売した。最初の完全な 32ビット版 Microsoft Office であり、Windows 95 と同日に発売された。Microsoft Binder を含んだ。Windows 版のバージョン番号が統一された。
Office 8
Office 97
1996年に発売した。Office アシスタント機能が含まれた。ユーザー インターフェイスがコマンド バーに変更された。Office 製品に Outlook が加わった。日本と韓国のみ Microsoft Office 97 Powered by Word 98 が発売され、Word 98 と Microsoft IME 98 を含んだ。
2002年2月でサポートが終了している。
Office 98 Macintosh Edition
1998年に発売した。Mac 向けでは、このバージョンでバージョン番号が統一された。Internet Explorer 4.0 for Mac と Outlook Express 4.0 がバンドルされた。
2000年に発売した。Classic Mac に対応した最後のバージョンで、Office v.X 発売後も併売された。Entourage が含まれたが、Microsoft Exchange への対応のため Microsoft Outlook 2001 for Mac も提供された。MS ゴシックと MS 明朝が含まれた。
2005年12月でサポートが終了している。
Office 10
Office XP (Version 2002)
2001年に発売した。Windows XP と合わせるように名称が変更された。Safe Mode 機能を実装した。日本語版でライセンス認証が要求される最初のバージョンである。入力ミスのためのスマート タグ機能、手書き文字認識や音声認識に対応した。標準でウィンドウ内の右側に作業ウィンドウが設けられた。Office 製品に Visio が加わった。また、Windows 9x系 (95, 98, 98SE, Me) Windows, および Windows NT 4.0 で利用できる Office としては最後のバージョンとなる。
2011年7月13日限りでサポートが終了している。
Office v. X for Mac
2001年に発売した。Mac OS X v10.1 に対応した最初のバージョン。Entourage が Microsoft Exchange クライアントに対応した。
2010年6月17日発売。日本語版にのみアップグレード版も用意されている。また、初めて 64ビット ネイティブ版も登場した[2]。「Office Web Apps」は、同年6月15日に提供された。
全製品に Fluent User Interface(リボン UI)が採用され、統一された操作性が提供されるようになった。ファイルメニューが改良され、履歴の参照や印刷プレビューなどの表示が以前よりもわかりやすくなっている。IME 2010 が Office の正規ユーザー(Office XP以降)に無償で提供されるようになった。化粧箱が Windows 8・7 のパッケージと同様の素材・様式に改められた。このバージョンから、プレインストール製品の初回起動時のプロダクトキーの入力及び、ライセンス認証が必須となった。前バージョンまでは、メーカーがプレインストール時に、ライセンス認証が不要な(インストールした時点でライセンス認証は完了していますと出る)特殊なプロダクトキーでインストールしていたため、初回起動時は使用許諾契約書の確認のみであった。再インストールの際は、CD ケースの裏に記載されたプロダクトキーを用いてインストールする必要があるのでライセンス認証は必須。この措置は、その特殊なプロダクトキーをプロダクトキーを確認するソフトを用いて取り出すことや、レジストリのデジタルプロダクト ID の記述をコピーすることによって、無制限にインストールされてしまうという盲点を回避するための変更と思われる。
2020年10月13日限りでサポート終了予定。
Office for Mac 2011
2010年10月27日発売。Office 2008 for Macと比べ動作速度が向上し、Office 2004 for Mac以来となるVBA が復活した。メール、個人情報管理 (PIM) ソフトウェアはEntourageからOutlookに置き換えられた。この版よりWindows版と同様にアクティベーションが導入されたが、64ビットネイティブ版は提供されていない。
Windows RT には、標準で搭載されている。当初は、プレビュー版を搭載し、のちに正式版がリリースされたら、 Windows Update で無償でアップデートすることができる[5]。また、このバージョンで Windows XP, および Windows Vista がそれぞれ非対応となり、さらにインストールに必要な CD-ROM, および DVD-ROM 等のメディアが同梱されなくなった(ただし一部の大手メーカー製 PC 用のバンドル版に限り DVD-ROM が同梱される。マイクロソフトの公式サイトにて別途インストール用ファイルをダウンロードした直後にそのままインストール、もしくはダウンロード後に DVD-R、USB メモリ、外付け HDD 等の各種メディアに保存する必要がある[6])。
プリインストールされているエディション(OEM 版)は Personalが 過半数である。 しかし、企業や学校においてプレゼンをする機会が増えてきたため、日本では Office 2007 において PowerPoint を Personal に加えた Microsoft Office Personal with PowerPoint 2007 が新たなプリインストール専用エディションとして登場している[11][12]。さらに Office 2010 からは上記の代替として、PowerPoint の他に OneNote が加わった Home and Business エディションが登場している。こちらはリテール版も設定されている。また、BTO では多くのエディションが選択できる場合が多い。
Microsoft Office に関する資格として、Office 2007 に対応したマイクロソフト認定アプリケーション スペシャリスト(Microsoft Certified Application Specialist (略称 MCAS))や、Office 2003 までのバージョンに対応する Microsoft Office Specialist(略称 MOS)がある。以前は Microsoft Office User Specialist(略称 MOUS)とされていた。
製品の特徴
OS との協調路線
マイクロソフトは OS の販売も行っていることから、Microsoft Office は OS の改良にあわせて改良を行ったり、Microsoft Office による改良が OS に取り入れられる場合などがある。
Office 2000 での改良点であるメニューの優先表示などの機能は、後に販売された Windows 2000 でも採用された。また、Office 2007 から採用されたリボンUIは Windows 7 において付属のペイントやワードパッドに導入されるほか、一般のアプリケーションがリボンを搭載できるよう API の公開が決定している[15]。
開発環境との連携
アプリケーション開発者は、Visual Studio Tools for Office(以下 VSTO)、Visual Basic および Visual C# を使用して Office 2003 以降のアプリケーションを拡張できる。
[16]
Visual Studio 2005 シリーズの場合は Team System エディションを購入する、MSDN サブスクリプション契約を結ぶ、あるいは VSTO を別途購入する必要があったが、Visual Studio 2008 の場合、Professional エディション以上から VSTO が標準付属するようになっている。
VSTO を使用することで、Office アプリケーション用アドインの作成、リボン UI のカスタマイズなどが行なえるようになっている。