たんせい3号
たんせい3号(たんせい3ごう)は、東京大学宇宙航空研究所(後の宇宙科学研究所、現在の宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部)が打ち上げた技術試験用人工衛星である。開発・製造は日本電気が担当した。開発名はMS-T3。
試験衛星「たんせい3号(MS-T3)」 | |
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所属 | 東京大学宇宙航空研究所 |
主製造業者 | 日本電気 |
公式ページ | 試験衛星「たんせい3号(MS-T3)」 |
国際標識番号 | 1977-012A |
カタログ番号 | 09841 |
状態 | 運用終了 |
目的 |
ロケットの性能確認 新技術の実証 |
設計寿命 | 13日 |
打上げ場所 | 鹿児島宇宙空間観測所 |
打上げ機 | M-3Hロケット1号機 |
打上げ日時 | 1977年2月19日14:15 |
運用終了日 | 1977年3月8日 |
物理的特長 | |
本体寸法 | ⌀931mm×800mm |
質量 | 129kg |
主な推進器 | コールドガスジェット |
姿勢制御方式 | 沿磁力線安定方式 |
軌道要素 | |
周回対象 | 地球 |
軌道 | 楕円軌道 |
近点高度 (hp) | 791km |
遠点高度 (ha) | 3,813km |
軌道傾斜角 (i) | 65.7度 |
軌道周期 (P) | 134分 |
搭載機器 | |
赤外水平線検出器 | |
デジタル太陽センサ | |
地磁気姿勢計 | |
コールドガスジェット装置 | |
ニューテーションダンパ | |
トルキングマグネット | |
紫外線計測器 |
目的
編集当機は宇宙航空研究所の開発した全段固体ロケットであるM-3Hロケットの打ち上げ性能試験、コールドジェットによる姿勢制御実験、及び沿磁力線姿勢制御実験を行うことを目的に開発された。なお、当機の設計は後続の科学衛星「きょっこう」と一部共通している。
運用
編集当機は1977年2月19日18:15 (JST) 、鹿児島宇宙空間観測所からM-3Hロケット1号機により打ち上げられ、近地点高度791km、遠地点高度3,813km、軌道傾斜角65.8°の楕円軌道に投入された。ミッション期間は電池の寿命である2週間を予定した。
軌道投入時、キックモーターと結合した状態の衛星が予期せぬコーニングを始めると言うトラブルが発生した。これはキックモーターの噴射により自然に収まり事無きを得たが、原因がヒートパイプ中の液体であると推測されたため、後の「きょっこう」ではヒートパイプを搭載しないよう設計変更された。
ミッション前半で予定されたコールドジェット実験は、地上からの妨害電波による誤作動により途中で中止された。このトラブルは後の衛星での誤作動防止策に生かされた。コールドジェット実験中止の後、沿磁力線姿勢制御実験を行い、想定した成果を得た。
関連項目
編集外部リンク
編集- たんせい - ウェイバックマシン(2012年1月17日アーカイブ分) (JAXA宇宙情報センター)
- たんせい3号(MS-T3) (ISAS)