コンドライト
この記事は英語版の対応するページを翻訳することにより充実させることができます。(2023年12月) 翻訳前に重要な指示を読むには右にある[表示]をクリックしてください。
|
コンドライト (英: chondrite) は、石質隕石(ケイ酸塩鉱物を主要組成とする隕石)のうち、コンドルールという球粒状構造を持つ隕石である。
ただし、コンドルールはないがコンドルールのある隕石に似た化学組成のCIコンドライトも、コンドライトに分類される。
起源
編集コンドライトは、熱による分化をしていない母天体に由来する。
ただし、熱の影響をまったく受けていないわけではなく、熱変成を受けたコンドライトは少なからず存在する。これらは、分化した隕石のように母天体の放射性核種の壊変エネルギーによる熱変成ではなく、太陽系形成時の熱変成と考えられている。
分類
編集含まれるコンドルールの岩石学的分類と化学的分類があり、詳しくは、それらを組み合わせて使う。たとえば L4 は、化学的分類が L、岩石学的分類が 4 ということである。
岩石学的分類
編集コンドルールの特徴から、1から6(あるいは7)に分類される。
1はコンドルールがなく、2はあるがまばらである。3からは豊富にあるが、5からは次第に不鮮明になる。
これらは熱変成の度合いを反映していると考えられている。1–3は熱変成を受けておらず、4から増えるに従い強い熱変成を受けている。
化学的分類
編集化学組成から、主にエンスタタイト・コンドライト、普通コンドライト、炭素質コンドライトがあり、これらに属さないカカンガリ・コンドライト、ルムルティアイト・コンドライトの分類が提案されている。詳細な分類を下記に示す。[1]
タイプ | サブタイプ | コンドリュールの特徴など | グループ名[3] |
---|---|---|---|
エンスタタイト・コンドライト | 豊富 | E3, EH3, EL3 | |
明瞭 | E4, EH4, EL4 | ||
やや明瞭 | E5, EH5, EL5 | ||
不明瞭 | E6, EH6, EL6 | ||
溶融 | E7, EH7, EL7 | ||
普通コンドライト | H | 豊富 | H3-H3,9 |
明瞭 | H4 | ||
やや明瞭 | H5 | ||
不明瞭 | H6 | ||
溶融 | H7 | ||
L | 豊富 | L3-L3,9 | |
明瞭 | L4 | ||
やや明瞭 | L5 | ||
不明瞭 | L6 | ||
溶融 | L7 | ||
LL | 豊富 | LL3-LL3,9 | |
明瞭 | LL4 | ||
やや明瞭 | LL5 | ||
不明瞭 | LL6 | ||
溶融 | LL7 | ||
炭素質コンドライト[注釈 1] | イブナ隕石(Ivuna) | フィロケイ酸塩鉱物、磁鉄鉱 | CI |
ミグヘイ隕石(Mighei) | フィロケイ酸塩鉱物、オリビン | CM1-CM2 | |
ビガラノ隕石( Vigarano) | 鉄、カルシウム、アルミニウムに富むオリビン | CV2-CV3.3 | |
レナッゾ隕石( Renazzo) | フィロケイ酸塩鉱物、オリビン、輝石、金属 | CR | |
オーナンズ隕石( Ornans) | オリビン、輝石、金属、カルシウム、アルミニウム | CO3-CO3.7 | |
カルーンダ隕石( Karoonda) | オリビン、カルシム、アルミニウム | CK | |
ベンカビン隕石( Bencubbin) | 輝石、金属 | CB | |
High Iron | 輝石、金属、オリビン | CH | |
カカンガリ・コンドライト | K | ||
ルムルティアイト・コンドライト | オリビン、輝石、斜長石、硫化物 | R |
普通コンドライト (ordinary chondrite, OC) は、最も普通の隕石である。金属鉄(鉄元素ではなく、金属状態の鉄のみ)の量から、鉄が多い順にH、L、LL(アンホテライト)に分けられる。岩石学的分類では3–6になる。
炭素質コンドライトは、熱変成がほとんど見られず、始原的な母天体に由来すると見られている。岩石学的分類では1–6と幅広く、熱変成の少ない1–2の隕石は全て炭素質コンドライトである。炭素の含有比が高く、カーバイドや有機化合物を含む。また蛇紋岩などの含水鉱物が多く、非常に脆い。組成などから、CI、CM、CV、CO、CR、CKに分けられる。CBやCHを加えることもある。
エンスタタイト・コンドライト は、酸素含有率が少ないため、主にエンスタタイト(純粋なマグネシウム輝石)と金属鉄からなる(鉄の塩はない)。岩石学的分類では3–6になる。普通コンドライトと同様に、EHとELに分けられる。
ルムルティアイト・コンドライトは、逆に酸素が多く、鉄の大部分は酸化されている。岩石学的分類では3–6になる。
注釈
編集- ^ 「High Iron」を除き、特徴的な隕石名で分類している。
出典
編集- ^ The Meteorite Market. “Types of Meteorites”. 2009年4月18日閲覧。
- ^ Weisberg et al. (2006) Systematics and Evaluation of Meteorite Classification. In, Meteorites and the Early Solar System II, 19-52 (D.S. Lauretta and H.Y. McSween, Eds.), Univ. Arizona press
- ^ The E stands for Enstatite, H indicates a high metallic iron content of approximately 30%, and L low. The number refers to alteration.