ラビオレプス
『ラビオレプス』(RABIO LEPUS)は、1987年に日本のビデオシステムが開発・販売したアーケード向けの横スクロールシューティングゲーム。日本国外では『RABBIT PUNCH』(ラビット・パンチ)のタイトルで稼働された。後に『ソニックウィングス』を手がける中村晋介らによって製作されている。
ジャンル | 横スクロールシューティング |
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対応機種 |
アーケード (AC) 対応機種一覧
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開発元 | ビデオシステム |
発売元 |
ビデオシステム バリー ミッドウェイゲームズ |
デザイナー | 中村晋介 |
プログラマー | 本田忠嗣 |
音楽 |
石田安俊 奥田健司 |
美術 | 中村晋介 |
人数 | 1 - 2人(同時プレイ) |
メディア | 業務用基板(1.31メガバイト) |
稼働時期 |
1987年9月 |
対象年齢 | IARC:7+ |
デバイス |
8方向レバー 2ボタン |
CPU |
MC68000 (@ 8 MHz) Z80 (@ 4 MHz) |
サウンド |
YM2151 (@ 4 MHz) UPD7759 (@ 640 kHz) |
ディスプレイ |
ラスタースキャン 横モニター 288×216 ピクセル 60.00Hz パレット1024色 |
家庭用は1990年10月19日に『ラビオレプススペシャル』のタイトルでPCエンジンにアレンジ移植された他、2006年3月23日に『オレたちゲーセン族』の第4弾としてPlayStation 2に移植されている。ただし演出面においてオリジナルと異なる部分がある。また、2022年7月7日にアーケードアーカイブスの1作品としてPlayStation 4版とNintendo Switch版が配信。
また本作の世界観と共通したゲーム『メタルラビット』(METAL RABBIT)の製作がされており、『ゲーメスト』にイメージイラストが描かれた広告が掲載された事もあったが開発中止となった。
ゲーム誌『ゲーメスト』誌上で行われていた「第2回ゲーメスト大賞」(1988年度)においてベストシューティング賞で9位を獲得した。
ゲーム内容
編集本作は2体のウサギ型ロボット「王家特殊戦闘メカ USAGI」を操作し、異星人に誘拐されたバニーランドの王様と王女姉妹を救出するという内容である。
8方向レバー、2ボタン(ショット、ミサイル)で自機を操作する。ショットボタンはセミオート連射になっており、一定時間ごとに押し直す必要がある。また、敵に近づいてショットボタンを押すことで強力な近接攻撃のパンチが出せる。パンチは一部の背景のスイッチを押す等の使い道もある。ミサイルボタンは画面下のストックの分だけ、威力の高い誘導ミサイルを多数発射する。
地上に接地することで歩くことも可能。この状態では特殊操作としてしゃがみとハイジャンプができる。地上に着地した状態でレバーを下にためて素早く上に入れることで、効果音とともに真上に跳躍する。
プレイヤーは画面下にシールドゲージを3本持っており、一本のゲージ(満タンで5回まで被弾に耐える)がすべて無くなるとダウンする。全てのゲージがなくなるとゲームオーバーとなる。一定スコアに達すると、ゲージが1本追加される(エクステンドに相当する)。
各ステージを攻略すると、にんじんが降ってくるボーナスタイムとなる。にんじんを地面に落とすと終了となる。
全12ステージ構成。2つのモードがあり、ゲーム開始時に1つのモードを選択する。
- ノーマルモード
- エキスパートモード(ノーマルモードに比べて非常に難しいが、全ての得点が2倍で計算される。また、背景の色が異なる)
アイテム
編集アイテムは缶詰を壊すと出現する。壊し方によりアイテムの落下位置、内容に変化がある。アイテムは以下の通り。
- ミサイル
- ミサイルのストックが増える。ストック増加量が3発と9発のものがある。
- ヒートミサイル
- うさ耳にリボンが付く。リボンが付いている間は、ミサイルが貫通する強力なものになる。敵から攻撃を受けるとリボンは外れ後方に流れて行くが、追い掛けていくことで再装着できる。
- にんじん(小)
- ゲージの5分の1に相当するシールドエネルギーが回復する。
- にんじん(大)
- ゲージが全回復する。
- たぬきのタンタン
- 一定時間無敵。体当たりでダメージを与えることもできる。
- とっくり
- ボーナス得点が入る。
移植版
編集No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 |
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1 | ラビオレプススペシャル | 1990年10月19日 |
PCエンジン | 水口エンジニアリング | ビデオシステム | 3メガビットHuCARD[1] | VS-90003 | |
2 | オレたちゲーセン族 ラビオレプス |
2006年3月23日 |
PlayStation 2 | ハムスター | ハムスター | CD-ROM | SLPM-62707 | アーケードの移植 |
3 | ラビオレプス | 2022年7月7日[2][3][4][5] |
PlayStation 4 Nintendo Switch |
ビデオシステム | ハムスター | ダウンロード (アーケードアーカイブス) |
- | アーケードの移植 「こだわり設定」にてボイスの音量を変更可 |
- PCエンジン版
『ラビオレプススペシャル』とタイトルが変更されている。1990年10月19日にHuCARDで発売された。
アレンジ移植版となっており、面構成が一部変更となっている。また業務用にあった2人同時プレイは割愛されている。
スタッフ
編集- アーケード版
- メイン・プログラム:本田忠嗣
- 音楽・効果音:石田安俊、奥田健司
- キャラクター・デザイン:中村晋介
- 背景デザイン:中村晋介
- CGデザイン:中村晋介
- ゲーム・デザイン:中村晋介
- 手伝ってくれた人達:DO RA、小谷栄二、紫帆(沙羅企画)、重田英三、でんわグマ
- PCエンジン版
- プログラマー:K.YOUZI、W.HIROSHI、KIN CHAN、K.MURATA
- デバッグ:HINASAN、AKISAMA、TORU、N.MASARU
- デザイナー:中村晋介
- ミュージック:板村直樹
- S.E.:板村直樹
- ディレクター:中村晋介
評価
編集評価 | ||||||||||||||||
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Akiba PC Hotlineの佐々木潤は、グラフィックと企画を担当した中村晋介との対談の中で、本作をくせのある作品とし、カルト的な人気を博したと述べている[9]。中村自身も、本作を「同人ゲームっぽいゲーム」と呼び、ある意味商業ではできない同人ゲームの乗りだったと振り返っている[9]。
- アーケード版
ゲーム誌『ゲーメスト』誌上で行われていた「第2回ゲーメスト大賞」(1988年度)においてベストシューティング賞で9位を獲得、その他に年間ヒットゲームで30位を獲得した[8]。また、1991年に刊行されたゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』内の「ビデオゲームフルリスト」の紹介文では、「ビデオシステム初の横シューティング。敵に近づいての攻撃がパンチだったり、隠れテクニックがあったりと、よく練られたゲームだった」とゲーム性に関して肯定的な評価が下されている[10]。
- PCエンジン版
ゲーム誌『ファミコン通信』のクロスレビューでは合計26点[7]、『月刊PCエンジン』では80・90・80・85・75の平均82点、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、20.33点(満30点)となっている[1]。また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で316位(485本中、1993年時点)となっている[1]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
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得点 | 3.79 | 3.37 | 3.42 | 3.32 | 3.15 | 3.27 | 20.33 |
脚注
編集- ^ a b c d 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、95頁。
- ^ “Switch/PS4『アケアカ ラビオレプス』が7月7日配信。1987年に発売された、王家特殊戦闘メカ“USAGI”で異星人に挑むシューティングゲーム” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2022年7月6日). 2022年7月7日閲覧。
- ^ 長岡 頼 (2022年7月6日). “ビデオシステムのSTG「ラビオレプス」がアーケードアーカイブスより7月7日配信 戦闘メカ「USAGI」で異星人のボスを倒し人質を救出しよう” (日本語). GAME Watch. インプレス. 2022年7月7日閲覧。
- ^ 杉浦 諒 (2022年7月6日). “「アーケードアーカイブス ラビオレプス」が7月7日発売へ。王家特殊戦闘メカ“USAGI”で異星人に挑むシューティングゲーム” (日本語). 4Gamer.net. Aetas. 2022年7月7日閲覧。
- ^ Gamer編集部 (2022年7月6日). “PS4/Switch「アーケードアーカイブス ラビオレプス」が7月7日に配信!特殊戦闘メカ「USAGI」で戦う横スクロールSTG” (日本語). Gamer. ixll. 2022年7月7日閲覧。
- ^ a b c “Rabbit Punch for TurboGrafx-16 (1990)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月12日閲覧。
- ^ a b “ラビオ・レプス スペシャル まとめ [PCエンジン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年7月26日閲覧。
- ^ a b c 「ゲーメスト大賞11年史」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、22 - 23頁、ISBN 9784881994290。
- ^ a b 株式会社インプレス (2019年12月3日). “ソニックウィングス、戦国エース開発者のルーツはPC-8001!? 超絶技巧作「プラネットタイザー」の中村晋介氏が語る! 【ハル研所長のパソコンミニ対談 第3回】”. AKIBA PC Hotline!. 2020年12月10日閲覧。
- ^ 「ビデオゲーム フルリスト」『ザ・ベストゲーム 月刊ゲーメスト7月号増刊』第6巻第7号、新声社、1991年7月1日、175 - 216頁、雑誌03660-7。