仁山駅
仁山駅(にやまえき)は、北海道亀田郡七飯町仁山にある北海道旅客鉄道(JR北海道)函館本線(本線)の駅である[2]。駅番号はH69。電報略号はニマ。事務管理コードは▲140107[3]。
仁山駅 | |
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駅舎(2017年8月) | |
にやま Niyama | |
◄H70 新函館北斗 (3.3 km) (5.8 km) 大沼 H68► | |
所在地 | 北海道亀田郡七飯町仁山 |
駅番号 | ○H69 |
所属事業者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
所属路線 | ■函館本線(本線) |
キロ程 | 21.2 km(函館起点) |
電報略号 | ニマ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面2線[1] |
開業年月日 |
1936年(昭和11年)9月15日(信号場) 1943年(昭和18年)(仮乗降場) |
備考 | 無人駅 |
歴史
編集当駅の前身は、20‰の急勾配の途中での列車交換のために設けられたスイッチバック形式の信号場である[4]。当時は本屋のほか官舎11戸があるのみであった[5]。
信号場ながら長らく仮乗降場として旅客扱いを行っており、終戦後の疎開者定着、開拓者入地により利用客が増加、設備の改良も行われたが[5]、正規の駅となったのは国鉄分割民営化のときであった。
しかし、仮乗降場扱いであったにもかかわらず、有人信号場時代には信号場職員が当駅発の乗車券を販売していた記録が残るなど[6][注 1]、仮乗降場時代にも正規の有人駅に準じる扱いがとられていた。
年表
編集- 1936年(昭和11年)9月15日:国有鉄道函館本線の本郷駅(現在の新函館北斗駅) - 軍川駅(現在の大沼駅)間に仁山信号場として新設[2][5]。
- この時点では単なるスイッチバック停車場であった[7]。
- 1943年(昭和18年):下り加速線新設に伴い下り列車の待避方法を変更。構内改良の上、駅舎を現在地に移転[5]。
- 1947年(昭和22年):上下仮ホーム延長、仮待合室設置[5]。このほか、信号場と麓の峠下地区を結ぶ道路・踏切道の新設、仁山高原ハイキング道路の新設、住民による「第1回駅昇格運動」が行われる[5]。
- 1949年(昭和24年)
- 1950年(昭和25年)2月:住民による「第2回駅昇格運動」が行われる[5]。
- 1952年(昭和27年)
- 1984年(昭和59年)11月1日:無人化[8]。ただし駅員の出張による乗車券発売を継続。
- 1986年(昭和61年)11月1日:駅員出張廃止、完全無人化[9]。この時に青函船舶鉄道管理局では大幅な無人化が実施され、当時管理駅であった渡島大野駅(現在の新函館北斗駅)も無人化された[注 2][9]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、北海道旅客鉄道(JR北海道)の駅となると共に旅客駅に昇格し、仁山駅となる[2]。
- 2007年(平成19年)10月1日:駅ナンバリングを実施[JR北 1]。
駅名の由来
編集当駅の所在する地名より。太田(2004)ではアイヌ語の「ニ・ヤマ」(ni-yam)(木・栗山)に由来するという説があるがはっきりしない、としている[10]。
駅構造
編集信号場としての開設当時は、本線上に設けられた交差渡り線を中心に、函館方の旭川方に向かって左手に加速線を兼ねた1番線、その対角線上に2番線を設けたスイッチバック形式であったが、1943年(昭和18年)の構内改良で現在に近い形態となった[7]。
現在は下り本線と上り本線の2線に相対式ホーム2面2線と木造駅舎を有する地上駅[11]。互いのホームは中央部分に設けられた構内踏切で連絡している[11]。上下線とも安全側線付帯である[11]。
このほか、下り本線の函館方には加速線が設置されており、勾配が緩やかな藤城線開通以前、重量級の下り列車はいったん加速線に退行してから発車していた。加速線は現在でも保守用として現存する[11]。また、1993年(平成5年)ごろには加速線に短いホームが残っていたことが確認されているが、その具体的用途については不明とされている[12]。
七飯駅管理(夜間連絡先は五稜郭駅)の無人駅となっている[9]が、有人信号場時代からの木造駅舎が残る[9][13]。駅舎は構内の東側(旭川方面に向かって右側)に位置し、下り線ホームとは通路で連絡する[9][14]。また、トイレを有する[13]。待合室は格天井を有し[13]長椅子が設置されている[14]。
2001年(平成13年)時点では、駅舎に掲げられていた駅名表記が「仁山信号場」のままであったが、その後「仁山駅」に変更されている[13]。
のりば
編集番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
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1 | ■函館本線 | 下り | 森・長万部方面[15] |
2 | 上り | 函館方面[15] |
-
ホーム(2017年8月)
-
構内踏切(2017年8月)
-
旧加速線上に留置されているマルチプルタイタンパー(2016年10月)
利用状況
編集乗車人員の推移は以下の通り。年間の値のみ判明している年度は日数割で算出した参考値を括弧書きで示す。出典が「乗降人員」となっているものについては1/2とした値を括弧書きで乗車人員の欄に示し、備考欄で元の値を示す。
また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。
年度 | 乗車人員(人) | 出典 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|
年間 | 1日平均 | JR調査 | |||
1949年(昭和24年) | 24,942 | (68.3) | [5] | 以下『七飯町史』出典の乗車人員には定期券・無償乗車証を含まず | |
1950年(昭和25年) | 21,772 | (59.6) | |||
1951年(昭和26年) | 24,725 | (67.6) | |||
1952年(昭和27年) | 25,522 | (69.9) | |||
1953年(昭和28年) | 24,996 | (68.5) | |||
1954年(昭和29年) | 24,368 | (66.8) | |||
1955年(昭和30年) | 36,344 | (99.3) | |||
1956年(昭和31年) | 43,895 | (120.3) | |||
1957年(昭和32年) | 36,464 | (99.9) | |||
1958年(昭和33年) | 44,626 | (122.3) | |||
1959年(昭和34年) | 44,847 | (122.5) | |||
1960年(昭和35年) | 44,457 | (121.8) | |||
1961年(昭和36年) | 44,198 | (121.1) | |||
1962年(昭和37年) | 45,085 | (123.5) | |||
1963年(昭和38年) | 22,257 | (60.8) | |||
1964年(昭和39年) | 20,846 | (57.1) | |||
1965年(昭和40年) | 20,223 | (55.4) | 繁忙期には行楽客の利用により、1日800人ほどの乗降客数となった[16]。 | ||
1966年(昭和41年) | 26,689 | (73.1) | |||
1967年(昭和42年) | 32,980 | (90.1) | |||
1968年(昭和43年) | 30,806 | (84.4) | |||
1969年(昭和44年) | 28,770 | (78.8) | |||
1970年(昭和45年) | 24,362 | (66.7) | |||
1971年(昭和46年) | 18,116 | (49.5) | |||
1972年(昭和47年) | 16,260 | (44.5) | |||
1973年(昭和48年) | 18,205 | (49.9) | |||
1974年(昭和49年) | 17,795 | (48.8) | |||
1975年(昭和50年) | 40 | [17][注 3] | 以下、『七飯町史 続刊』の数値はすべて概数。 | ||
1976年(昭和51年) | 50 | ||||
1977年(昭和52年) | 40 | ||||
1978年(昭和53年) | 32 | [18] | |||
1979年(昭和54年) | 40 | [17][注 4] | |||
1980年(昭和55年) | 40 | ||||
1981年(昭和56年) | 30 | ||||
1982年(昭和57年) | 40 | ||||
1983年(昭和58年) | 50 | ||||
1984年(昭和59年) | 40 | ||||
1985年(昭和60年) | 40 | ||||
1986年(昭和61年) | 20 | ||||
1987年(昭和62年) | 20 | ||||
1988年(昭和63年) | 20 | ||||
1989年(平成元年) | 10 | ||||
1990年(平成 | 2年)30 | ||||
1991年(平成 | 3年)40 | ||||
1992年(平成 | 4年)40 | ||||
1993年(平成 | 5年)40 | ||||
1994年(平成 | 6年)40 | ||||
1995年(平成 | 7年)20 | ||||
1996年(平成 | 8年)20 | ||||
1997年(平成 | 9年)10 | ||||
1998年(平成10年) | 10 | ||||
1999年(平成11年) | 10 | ||||
2017年(平成29年) | 11.4 | [19] | |||
2018年(平成30年) | 9.6 | [20] | |||
2019年(令和元年) | 「10名以下」 | [JR北 2] | |||
2020年(令和2年) | 「10名以下」 | [JR北 3] |
駅周辺
編集- 七飯インターチェンジ(仮称) - 国道5号(函館新道)/北海道縦貫自動車道(道央自動車道)。開業時期未定。
- 国道5号(現道)
- 北海道道96号上磯峠下線
- 仁山高原スキー場
- ニヤマ温泉[13]
- 七飯発電所
- 七飯町立峠下小学校
- 函館バス「仁山駅通」停留所 - 道道96号沿い。
隣の駅
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 『週刊 JR全駅・全車両基地』 11号 函館駅・大沼公園駅・倶知安駅ほか72駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2012年10月21日、20頁。
- ^ a b c d 今尾恵介 編『日本鉄道旅行地図帳 1号 北海道』新潮社、2008年、26頁。ISBN 978-4-10-790019-7。
- ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、214頁。doi:10.11501/1873236 。2022年12月10日閲覧。
- ^ 書籍『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』(小学館、1993年6月発行)37ページより。
- ^ a b c d e f g h i j 七飯町 編『七飯町史』七飯町、1976年11月2日、900-904頁 。2023年7月29日閲覧。
- ^ a b 種村, 直樹『日本縦断鈍行最終列車 : 消えゆくローカル線に愛をこめて』徳間書店、1986年11月30日、45-46頁。doi:10.11501/12275357。ISBN 4-19-553355-4。
- ^ a b 祖田, 圭介「函館・千歳・室蘭線の路線変更の記録」『鉄道ピクトリアル』第45巻第8号、電気車研究会、1995年8月1日、45-52頁。
- ^ a b 『道南鉄道100年史 遥』 北海道旅客鉄道函館支社 2003年2月発行
- ^ a b c d e 書籍『無人駅探訪』(監修:西崎さいき、文芸社、2011年6月発行)150ページより。
- ^ 太田幸夫 (2004-02-29). 北海道の駅 878ものがたり ~駅名のルーツ探求~ (1 ed.). 札幌市: 富士コンテム. p. 27. ISBN 4-89391-549-5
- ^ a b c d 宮脇俊三、原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、36頁。ISBN 4-09-395401-1。
- ^ 河野, 哲也「函館・千歳・室蘭線趣味的アラカルト」『鉄道ピクトリアル』第45巻第8号、電気車研究会、1995年8月1日、55-65頁。
- ^ a b c d e 書籍『北海道鉄道駅大図鑑』(著:本久公洋、北海道新聞社、2008年8月発行)15ページより。
- ^ a b 書籍『すごい駅』(著:横見浩彦、牛山隆信、メディアファクトリー新書、2010年10月発行)192-193ページより。
- ^ a b “仁山|駅の情報検索(時刻表・バリアフリー)|駅・鉄道・旅行|JR北海道- Hokkaido Railway Company”. 北海道旅客鉄道. 2020年1月2日閲覧。
- ^ 「仁山信号場が駅に」『交通新聞』交通協力会、1960年5月7日、1面。
- ^ a b 『七飯町史 続刊』七飯町、2001年6月、592頁。doi:10.11501/9572278 。
- ^ 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、803頁。doi:10.11501/12065814 。
- ^ “函館線 函館・長万部間の状況について” (PDF). 函館線(函館・小樽間)について(北海道新幹線並行在来線対策協議会). [第6回ブロック会議(令和元年7月~8月)]. 北海道. pp. 4・5 (2019年8月2日). 2021年5月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月4日閲覧。
- ^ “函館線 函館・長万部間の状況について” (PDF). 函館線(函館・小樽間)について(北海道新幹線並行在来線対策協議会). [第7回ブロック会議(令和2年8月)]. 北海道. pp. 4・5 (2020年8月25日). 2021年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月4日閲覧。
- ^ 1943年(昭和18年)9月30日開設、1948年(昭和23年)7月1日廃止
JR北海道
編集- ^ 『駅番号表示(駅ナンバリング)を実施します』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2007年9月12日。オリジナルの2007年9月30日時点におけるアーカイブ 。2014年9月6日閲覧。
- ^ “駅別乗車人員” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 全線区のご利用状況. 北海道旅客鉄道 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月4日閲覧。
- ^ “駅別乗車人員” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 全線区のご利用状況. 北海道旅客鉄道 (2021年9月30日). 2022年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月1日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 仁山|駅の情報検索(時刻表・バリアフリー)|鉄道・きっぷ|JR北海道- Hokkaido Railway Company