スポーツの日 (日本)
スポーツの日(スポーツのひ)は、日本の国民の祝日の一つである。10月の第2月曜日。
スポーツの日 | |
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別名 | 体育の日(旧称) |
種類 | 国民の祝日 |
趣旨 | スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う |
日付 | 10月第2月曜日 |
2023年 | 10月9日 |
2024年 | 10月14日 |
2025年 | 10月13日 |
1964年(昭和39年)に東京オリンピックの開会式が行われた10月10日を「体育の日(たいいくのひ)」に定め国民の祝日とし、2000年(平成12年)から移動祝日[注 1]になり、2020年(令和2年)に現在の名称に改称した。
概要
編集1966年(昭和41年)に「体育の日」として制定され[1]、制定当初から1999年(平成11年)までは10月10日、2000年(平成12年)以降は10月の第2月曜日とされていた。 2018年(平成30年)6月20日に国民の祝日に関する法律(祝日法、昭和23年7月20日法律第178号)が改正され、2020年(令和2年)1月1日に施行されたことで、体育の日が「スポーツの日」に変更された。
同法でスポーツの日の趣旨は「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う。」とされている。
沿革
編集スポーツ振興法による「スポーツの日」の制定
編集1961年(昭和36年)に公布されたスポーツ振興法では、10月の第1土曜日を「スポーツの日」に制定していた[2]。
「体育の日」の制定
編集1964年(昭和39年)に東京オリンピックの開会式が行われた10月10日を、1966年(昭和41年)に「体育の日」に定め国民の祝日とした[注 2]。これに伴い、スポーツ振興法で定めたスポーツの日は体育の日に改められた[6]。最初の体育の日である1966年(昭和41年)10月10日は、月曜日だった。
2000年(平成12年)から、国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律(平成10年法律第141号)によって「ハッピーマンデー制度」が適用され、体育(スポーツ)の日は10月の第2月曜日となった。
「スポーツの日」への名称変更
編集超党派の国会議員でつくるスポーツ議員連盟により、2016年(平成28年)に「体育の日」を「スポーツの日」に変更する検討が始められ[7]、2017年(平成29年)には改正法案の国会提出が準備された[8]。「スポーツ」は、「体育」より広い意味を持ち、自発的に楽しむことを含意することが変更の理由とされる[9]。
2018年(平成30年)6月13日に改正祝日法が参議院本会議で可決・成立し、2020年(令和2年)1月1日付で「体育の日」は「スポーツの日」へと改められることが決定した[10]。また、その趣旨も、体育の日の「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」から、「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」に改められた[11]。
また、「スポーツの日」は史上初めてカタカナ用語の入った祝日で、英語の名称による祝日である。
「体育」を「スポーツ」に改める動きは、スポーツの日に限ったものではなく、2018年(平成30年)4月1日には日本体育協会が日本スポーツ協会に名称を変更している[12]。また、改正祝日法と同日に可決・成立した改正スポーツ基本法では、「国民体育大会」を2023年から「国民スポーツ大会」に改称することが定められている[10]。
2020年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されることに伴い、同年に限り、東京五輪・パラリンピック特措法により、スポーツの日は東京オリンピックの開会式の当初の予定日だった7月24日(金曜日)に変更された[10]。海の日も同特措法により7月23日(木曜日)に移動されたため、続く土曜日・日曜日を含め4連休となった。なお、東京オリンピックはその後新型コロナウイルス感染拡大のため翌年に延期されたが、これによる2020年の祝日の再変更はされずそのまま実施された。これにより、1965年(昭和40年)以来、55年ぶりに10月は祝日のない月となった。また、2021年(令和3年)は令和三年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法により、1年延期された東京オリンピックの開会式の予定日の7月23日(金曜日)にこの年に限り変更された[13]。海の日も前日の7月22日(木曜日)に移動されたため、前年に引き続き土曜日・日曜日を含め4連休となった。もしもオリンピックが2022年(令和4年)に再延期となった場合は、7月22日(金曜日)に変更、海の日も前日の7月21日(木曜日)に移動し、3年連続で土曜日・日曜日を含め4連休となる予定だった。
なお、2021年は特別措置法の法改正が2020年11月末に成立したため、既に印刷が始まっていた一部のカレンダーや手帳では祝日の移動などの修正が反映されないまま、市場に流通した。この事を受けて、日本政府が同年10月11日は平日である旨をTwitterなどで呼び掛ける事態になった[14][15]。
スポーツの日(体育の日)に開催されている行事
編集- 出雲全日本大学選抜駅伝 - 例年、この日に開催されている[16](1994年[注 3]、2020年[注 4]、2021年を除く)。
- マイルチャンピオンシップ南部杯 - 1995年以降開催日はスポーツの日(体育の日)に固定されている(2020年と2021年を除く)。
脚注
編集注釈
編集- ^ ハッピーマンデー制度が適用される祝日及び春分の日、秋分の日。
- ^ 10月10日が東京地方で「晴れの特異日」であることから、1964年東京オリンピックの開会式が催された[3][4]が、1959年(昭和34年)発行の『気象学ハンドブック』では、10月の晴れの特異日は14日とされている[5]
- ^ 1994年は広島アジア大会との日程の重複を避けるため、例外的に開会式前日の10月1日に開催された。
- ^ 2020年はスポーツの日が7月24日に移動したことで10月の第2月曜日が平日となったため、第2日曜日の10月11日開催予定とされていた[17]。実際には新型コロナウイルス感染症の流行にともない駅伝自体が中止となっている。
出典
編集- ^ “【あの日あの紙面】10月10日「体育の日」を検証、王、具志堅、金田、カラーTV…”. 日刊スポーツ (2022年10月10日). 2023年10月7日閲覧。
- ^ “スポーツの日”. デジタル大辞泉. コトバンク. 2019年10月21日閲覧。
- ^ “気象庁キャンペーン資料(平成16年) 平成16年10月号”. 気象庁. 2005年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月21日閲覧。
- ^ “10月10日は晴れやすい!?”. ウェザーニュース (2016年10月10日). 2018年8月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月21日閲覧。
- ^ 三浦郁夫. “10月10日は晴れの特異日?”. 湘南お天気相談所. 2014年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月21日閲覧。
- ^ “総青第二〇五号・文体体第二一三号 体育の日について”. 総理府総務副長官・文部事務次官通達 (1961年9月22日). 2006年10月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月21日閲覧。
- ^ “体育の日、スポーツの日に変わるかも 初のカタカナ祝日”. 朝日新聞. (2016年1月26日)
- ^ “体育の日 名称「スポーツの日」に 改正法案を今秋提出へ”. 毎日新聞. (2017年4月27日) 2017年9月27日閲覧。
- ^ “体育協会名称「スポーツ協会」へ 変更検討、体育の日も”. デイリースポーツ. (2017年1月1日) 2017年1月1日閲覧。
- ^ a b c “東京五輪前後に3祝日移動 改正法成立、渋滞を緩和”. 日本経済新聞. (2018年6月13日) 2018年6月13日閲覧。
- ^ “国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案”. 衆議院. 2019年10月21日閲覧。
- ^ “「日本体育協会」→「日本スポーツ協会」に名称変更”. 朝日新聞. (2018年3月29日)
- ^ “2021年の祝日移動について”. 首相官邸 内閣官房 東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局. 2020年12月13日閲覧。
- ^ “10月11日は「平日」です 五輪で祝日移動、注意を”. 共同通信 (2021年10月9日). 2021年10月11日閲覧。
- ^ “10月11日は「平日」 「カレンダーにご注意を」政府も発信”. 朝日新聞 (2021年10月10日). 2021年10月11日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “出雲駅伝とは”. 出雲全日本大学選抜駅伝競走. 2019年10月21日閲覧。
- ^ “出雲駅伝、来年は10月第2日曜日開催 フジテレビ競馬優先でスタート時間も変更へ”. スポーツ報知. (2019年10月14日)