千本桜 (曲)

黒うさPによる楽曲及び同曲から派生した作品

千本桜 feat.初音ミク」(せんぼんざくらフィーチャリングはつねミク)は、2011年に黒うさPが作詞・作曲・編曲し、ボーカルに音声合成ソフト「初音ミク」を使用してインターネット上で公開した楽曲である。

千本桜 feat.初音ミク
黒うさP楽曲
リリース2011年9月17日
規格デジタルコンテンツ
ジャンルボカロ曲
時間4分4秒
作詞者黒うさP
作曲者黒うさP
その他収録アルバム
(ピアニスト)[注 1]
チャート順位

概要

編集
音楽・音声外部リンク
「千本桜」を演奏形態別に試聴
  原曲(初音ミク) - WhiteFlame公式YouTube。
  ピアノ独奏 - よみぃ(P)。よみぃ公式YouTube。
  2台ピアノ - 「H ZETT M」&まらしぃ(Pデュオ→2台ピアノ)。「H ZETT M」公式YouTube。
  吹奏楽 - サンプル音源《出版社提供…演奏団体等記載無し》。ミュージックエイト楽譜出版)公式YouTube。
  独奏Vn+弦楽合奏 - 石川綾子Vn)&ラトビア・リエパーヤ交響楽団。石川綾子(Vn独奏者)公式YouTube。
  歌+管弦楽 - 鈴華ゆう子Vo)、西口彰浩指揮東京音楽大学管弦楽団による演奏。鈴華ゆう子(歌唱者)公式YouTube。

インターネットを中心とするバーチャルシンガー初音ミクの人気ボカロ曲の一つとして知られ、2012年8月に行われた、レコチョクによる「好きなボカロ曲ランキング」調査において、1位を獲得した[4]

カラオケ曲としても人気があり、2012年度カラオケランキングではボカロ曲史上初となる総合カラオケランキング3位を獲得する。公開後3年たった2014年においても、JOYSOUNDカラオケランキング2位を記録し、配信後常にボカロ曲ナンバーワンの人気を維持している[5]。同楽曲のミュージカル化や小説化も行われ、千本桜のキャラクターのコスプレやライブも数多く開催されており、「歌ってみた」「演奏してみた」等の二次作品制作も盛んに行われている。

歌詞は、明治維新後の西欧文化を取り入れた時代を舞台とし、現代を諷刺する暗喩的な内容である。投稿されたニコニコ動画の映像は、大正浪漫の雰囲気を醸し出しており、カラオケでも同映像が使用されている。

2013年には、トヨタ自動車アクア』のCMソングとして、「まらしぃ」演奏のピアノ曲が採用された。

2015年4月3日テレビ朝日ミュージックステーション」に和楽器バンドが出演、同曲が演奏された。同年9月23日には、同番組の10時間SP「ウルトラFES」で初音ミクが番組史上初のバーチャルシンガーとして同曲を歌唱した。

2015年12月31日には、歌手の小林幸子第66回NHK紅白歌合戦に特別枠で出演し、同曲を歌唱した[6]

2016年2月11日にはボカロ曲で「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」「メルト」に次ぐ通算3曲目のニコニコ動画1000万再生を達成した。

2016年4月29日、30日に開催されたニコニコ超会議2016にて、本曲と歌舞伎義経千本桜NTTの最新技術をもって融合した独自演目「今昔饗宴千本桜」が披露された。舞台には、歌舞伎役者の中村獅童と初音ミクが登場した。

落語家三遊亭丈助2020年の真打昇進[7]に伴い、当曲を出囃子として使用している。

2021年12月29日、コンピレーションアルバム「10周年記念アルバム ALL THAT 千本桜!!!」がリリース[8]された。

関連作品

編集

ミュージカル

編集

ミュージカル『音楽劇 千本桜』にて、加藤和樹(青音海斗)主演・石田晴香(初音未来)で2013年3月に上演され、本作のメインテーマとして同曲が歌われた。ニコニコミュージカルの企画の内のひとつ。公演のDVDは2017年3月に東映ビデオから発売。

コラボレーション

編集

小説・漫画

編集

同曲をモチーフとして制作された『小説 千本桜』は、2013年春にオリコンの文芸部門1位を記録した。第4巻の発売時点で累計35万部を突破[9]。加筆修正とイラスト描き下ろしを加えた文庫版が『角川ビーンズ文庫』にて刊行。

  • 一斗まる著/イラスト 『小説 千本桜』全5巻
    1. 壱(2013年3月、アスキー・メディアワークスKADOKAWA
    2. 弐(2013年10月、アスキー・メディアワークス、KADOKAWA)
    3. 参(2015年3月、アスキー・メディアワークス、KADOKAWA)
    4. 四(2015年9月、アスキー・メディアワークス、KADOKAWA)
    5. 伍(2016年7月、アスキー・メディアワークス、KADOKAWA)
  • 一斗まる著/イラスト 『小説 千本桜』<角川ビーンズ文庫>全6巻
    1. 壱(2018年1月、KADOKAWA)
    2. 弐(2018年4月、KADOKAWA)
    3. 参(2018年8月、KADOKAWA)
    4. 四(2018年9月、KADOKAWA)
    5. 伍(2019年1月、KADOKAWA)
    6. 六(2019年4月、KADOKAWA)

また、この小説を原作とした石見翔子による漫画版が、『MIKU-Pack music & artworks feat.初音ミク』(KADOKAWAアスキー・メディアワークスBC)第9号より連載されていたが、同誌休刊により『ComicWalker』に移籍し最終回を迎えた。その後、この続編として「千本桜 -大正百年帝都桜京-」が『ヤングガンガン』(スクウェア・エニックス)2016年No.21から2017年No.21まで連載された。

  • 石見翔子作画 『千本桜』<電撃コミックスNEXT>全2巻
    1. (2016年3月、アスキー・メディアワークス、KADOKAWA)
    2. (2016年8月、アスキー・メディアワークス、KADOKAWA)
  • 石見翔子作画『千本桜 -大正百年帝都桜京-』<ヤングガンガンコミックス>全2巻
    1. 2017年9月、アスキー・メディアワークス、KADOKAWA)
    2. (2017年11月、アスキー・メディアワークス、KADOKAWA)

ゲーム

編集

収録作品

編集

歌舞伎

編集

2016年に開催の『ニコニコ超会議2016』にて、千本桜と義経千本桜を融合させた新作歌舞伎『今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)』が上演される。主演は中村獅童、脚本は松岡亮、演出・振り付けは藤間勘十郎。 2019年の超歌舞伎でリメイクされた。2016年の時と主演、脚本、演出・振付に変更はない。

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ トヨタ自動車アクア』CMソング

出典

編集
  1. ^ コミックマーケットで頒布の『さちさちにしてあげる♪』に収録“小林幸子さん、夏コミ頒布のアルバム「さちさちにしてあげる♪」の動画公開”. ITmedia. (2014年8月2日). https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1408/02/news015.html 2014年8月23日閲覧。 
  2. ^ Billboard Japan Hot 100 Year End”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2015年). 2022年11月6日閲覧。
  3. ^ Billboard Japan Hot 100 Year End”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2016年). 2022年11月6日閲覧。
  4. ^ 高橋克則 (2012年8月30日). “1位は「千本桜 feat.初音ミク」 レコチョク・好きなボカロ曲ランキング”. animeanime (イード). https://animeanime.jp/article/2012/08/30/11277.html 2014年6月17日閲覧。 
  5. ^ 高橋克則 (2014年6月12日). “カラオケ上半期ランキング2位 ボカロ発「千本桜」がスタンダードになった理由とは?”. animeanime (サイゾー). https://realsound.jp/2014/06/post-697.html 2014年6月17日閲覧。 
  6. ^ 【紅白】小林幸子が歌ったボカロ曲「千本桜」とは?巨大衣装「メガ幸子」が降臨”. ハフィントン・ポスト (2015年12月31日). 2016年1月2日閲覧。
  7. ^ 落語家の階級”. 落語芸術協会. 2020年4月6日閲覧。
  8. ^ 収録曲すべて「千本桜」!Ado、小林幸子、和楽器バンド、まらしぃら参加の10周年コンピ盤”. 音楽ナタリー. 2022年1月3日閲覧。
  9. ^ “【書籍】『小説 千本桜 四』本日発売!”. an (初音ミクオフィシャルブログ). (2015年9月30日). http://blog.piapro.net/2015/09/g150930.html 2018年12月30日閲覧。 

関連項目

編集

外部リンク

編集