国際惑星地球年

2007年から2009年にかけて行われた国際年

国際惑星地球年(こくさいわくせいちきゅうねん、英語: International Year of Planet Earth, 2008[1]IYPE)は、主に2008年に行われた国際年の一つである。

2008年を中心とし、2007年から2009年まで各種事業が行われた[2][3]:68

概要

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国際惑星地球年はアジェンダ21兵庫行動枠組[注釈 1]を基に、持続可能な社会のために必要な地球科学の知識を普及することを目標とし、国際地質科学連合国際連合教育科学文化機関が共同で制定した。この目的に対し、以下のトピックについてテーマが制定された[2]:62

これらのテーマについて国際惑星地球年においては、科学技術的側面とアウトリーチ的側面の双方を同時に推進を行った。これは目的の一つに「地球科学の知識を必要とすることを普及する」とある通り、単に科学的側面のみでは一般大衆や政策決定者に対して普及を行うことは不可能であるからである。具体的なアウトリーチ活動として、国際惑星地球年は、地球科学に関連した様々な催しの開催や、写真コンテストの開催などを例として挙げた[2]:63

運営団体

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国際惑星地球年は以下に挙げる団体が、共同でアメリカ合衆国デラウェア州にアメリカ合衆国法が定める501(c)団体を設立し運営を行った[2]:65

  • 国際測地学・地球物理学連合
  • 国際地理学連合
  • 国際土壌科学連合(International Union of Soil Sciences)
  • 国際リソスフェア探査開発計画(Dynamics and Evolution of the Lithosphere Project)
  • オランダ地質調査所(Geological Survey of the Netherlands)
  • ロンドン地質学会
  • 国際土壌情報照会センター(International Soil Reference and Information Centre)
  • 国際応用地質学会
  • the International Society of Rock Mechanics
  • 国際地盤工学会(InternationalSociety of Soil Mechanics and Geotechnical Engineering)
  • 国際第四紀学連合(International Union for Quaternary Research)
  • 米国地質協会(American Geological Institute)
  • 米国石油地質協会(American Association of Petroleum Geologists)
  • 米国地質技術者協会(American Institute of Professional Geologists)

これの他に協賛団体として以下の組織が協賛を行った。

各国での活動

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ここにおいては世界各国内で行われた各種活動について記述する。

日本

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ジオパーク

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日本においては2007年12月に「日本ジオパーク連絡協議会」が、2008年5月に「日本ジオパーク委員会」がそれぞれ設立された[3]:69日本地質学会はこれに際し、ジオパークの推進を国際惑星地球年の重要な活動として位置づけを行い[5]、日本ジオパーク委員会の委員の推薦や候補地の募集などを通して支援を行った[6]

地質の日

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2007年3月13日日本地質学会などは、毎年5月10日を「地質の日」と定めた。2008年に第一回地質の日関連のイベントが執り行われ、一般大衆に向けた広報活動が行われた[3]:70[7]

地学オリンピック

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2007年から国際科学オリンピックの一つである、国際地学オリンピックが開催された。日本は第一回国際地学オリンピックへ日本地球惑星科学連合国際地学オリンピック小委員会から視察団を派遣し、翌年の2008年から国際地学オリンピックに参加することを決定した。

2007年12月には特定非営利活動法人地学オリンピック日本委員会が設立され、2008年8月31日から9月6日まで行われた第二回国際地学オリンピックにおいては、銀メダル3個、銅メダル1個を獲得した[3]:70-71[8]

注釈

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  1. ^ 2005年の第2回国連防災世界会議において採択された枠組[4]

脚注

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  1. ^ 国連総会決議 国際惑星地球年 2008』(プレスリリース)国連広報センター、2007年7月2日。オリジナルの2017年9月20日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20170920005719/https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/778/2020年11月7日閲覧 
  2. ^ a b c d 宮崎光旗 (1 2007). “国際惑星地球年(2007-2009)” (PDF). 地質ニュース 629: 62-67. ISSN 0009-4854. NAID 40015259229. 国立国会図書館書誌ID:8661692. https://www.gsj.jp/data/chishitsunews/07_01_14.pdf 2020年11月7日閲覧。. 
  3. ^ a b c d 佃栄吉「国際惑星地球年 (IYPE) の活動と今後の展望」『学術の動向』第14巻第5号、日本学術協力財団、2009年、68-71頁、doi:10.5363/tits.14.5_68ISSN 1342-3363NAID 130001246502国立国会図書館書誌ID:10340564 
  4. ^ 兵庫行動枠組」『日本大百科全書https://kotobank.jp/word/%E5%85%B5%E5%BA%AB%E8%A1%8C%E5%8B%95%E6%9E%A0%E7%B5%84コトバンクより2020年11月7日閲覧 
  5. ^ 渡辺真人「日本におけるジオパーク推進活動:これまでとこれから」『日本地理学会発表要旨集』2008年度日本地理学会春季学術大会、日本地理学会、2008年、268-268頁、doi:10.14866/ajg.2008s.0.268.0NAID 130007013898 
  6. ^ 伊藤谷生 (2008年2月). “地質学会はジオパーク、IYPEを積極的に推進しています”. 日本地質学会. 2020年4月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月7日閲覧。
  7. ^ 地質の日事業推進委員会事務局. “「地質の日」について”. 国立研究開発法人産業技術総合研究所地質調査総合センター. 2020年7月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月8日閲覧。
  8. ^ 本委員会について”. 地学オリンピック日本委員会. 2020年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月8日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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