松下昭
日本の工学者
松下 昭(まつした あきら、1928年 - )は、日本の工学者である。専門は電気機器絶縁層の処理に関する研究 、パラメトロン開発,ワイヤメモリの開発に成功、磁性体の薄膜化技術開発とコンピュータのメモリ素子応用。 神奈川大学工学部教授、名誉教授。
自身が開発し19年かかって特許出願をしていた技術がソニー(とJR東日本が採用)の非接触ICカード技術FeliCaに用いられていると主張し特許侵害で訴えたことで有名[1][2]。
経歴
編集- 1948年(昭和23年)3月 名古屋工業専門学校(現名古屋工業大学)卒業、大阪の設備会社就職。
- 1950年(昭和25年) 東京工業大学電気材料学研究員
- 1954年(昭和29年) 文部教官助手。
- 1960年(昭和35年) 「電気機器絶縁層の処理に関する研究」で学位取得
- 1962年 強磁性膜を極細の電線表面に電気メッキして成る磁気ワイヤー(高密度ワイヤメモリ)発明(戦後初めて輸出した電子機器)
- 1967年4月 千葉工業大学電子工学科助教授
- 1969年4月 神奈川大学工学部電気工学科教授
- 1985年頃 非接触伝送装置の発明を製缶工場の生産ラインで実用化
- 1985年6月3日 非接触伝送装置の発明案件を出願(しかし、審査後拒絶され、以後19年かけて特許出願 )
- 2007年 ソニーとJR東日本相手に非接触ICカード技術の特許侵害で20億円の賠償を請求[2]
- 2009年3月 知的財産高等裁判所が請求棄却の判決を出し[3]、松下は最高裁判所への上告を断念したため、敗訴が確定した。
- 2014年 「松下昭先生の健勝を祝う会」では日本版ディスカバリー制度を提言、会に出席した知財関係者は、4人の元日本弁理士会会長、多くの弁理士、元特許庁長官、特許庁特許技監、知財専門弁護士、企業知財関係者ら100人超[4]。
研究/受賞
編集- 磁性体の薄膜化技術開発とコンピュータのメモリ素子応用
発明の応用
編集- 磁性体の薄膜化技術開発とコンピュータのメモリ素子応用
参考文献
編集脚注
編集- ^ 日経TECH記事2007/09/12「ソニーとJR東日本,非接触ICカード技術の特許侵害で20億円の賠償を請求される」
- ^ a b [https://system.jpaa.or.jp/patents_files_old/200909/jpaapatent200909_094-110.pdf 19 年かかった非接触伝送装置特許の 審査過程の検証と考察東京理科大学知財専門職大学院馬場錬成]
- ^ “FeliCaやSuica巡る特許係争,ソニーとJR東が二審も勝訴”. 日経 xTECH(クロステック) (日経BP). (2009年3月30日) 2019年9月2日閲覧。
- ^ [https://www.hatsumei.co.jp/column/index.php?a=column_detail&id=52 発明通信社記事2014年「日本版ディスカバリー制度を提言した本の出版 出版と松下昭先生の健勝をお祝いする会」]
- ^ 『「スイカ」の原理を創った男』 馬場錬成著 日本評論社