禰宜(ねぎ)とは、神職の職称(職名)の一つである。「祢宜」とも書く。今日では、一般神社では宮司の下位、権禰宜の上位に置かれ、宮司を補佐する者の職称となっている。

概要

編集

禰宜の語源は「和ませる」の意味の古語「ねぐ」であり、神の心を和ませてその加護を願うという意味である。古代には、神に祈請を行う者、祭祀に専従する者を指した。古制では神主の下位、(ほうり)の上位に置かれ、また、神職の総称とされたこともあった。賀茂神社松尾社日吉社平野社では禰宜は第一の神職とされ、香取神宮鹿島神宮ではその上に大禰宜が置かれた。明治時代以降は、伊勢神宮官国幣社に禰宜が置かれた。第二次世界大戦後、全ての神社に禰宜を置く現在の制度になった。

禰宜は、年齢的にある程度成熟し、知識や経験が豊富な者が務めることが多く、一般に、祭祀では重要な役割を果たす[1]

「禰宜山伏」という狂言では、伊勢の御師(禰宜)と羽黒山山伏(修験者)が祈祷を競ったところ、祭神(大黒天)が、穏やかな性格の禰宜にひかれていった様子が描かれている[1]

脚注

編集
  1. ^ a b 『神道行法の本』[要ページ番号]

参考文献

編集
  • 『神道行法の本―日本の霊統を貫く神祇奉祭の秘事』学研〈ブックス・エソテリカ〉、2005年2月25日。ISBN 9784056037753 

関連項目

編集