習熟運転
習熟運転(しゅうじゅくうんてん)とは、鉄道の運転士が車両や路線に慣れるために行う運転のことであり、試運転の一種ともされる。訓練運転とも言う。
路線に対する習熟運転
編集路線の状態や加速・減速の目安位置などを学んでおくために行われる。列車ダイヤのベースとなる運転曲線は、あらかじめ路線の構造や車両の性能などを勘案して鉄道事業者の運転課・列車課で作成される。線路付け替えや路線開通前には当該区間で徒歩による路線見学を行うことがある。
車両に対する習熟運転
編集鉄道車両の新形式登場の際、または車両に仕様変更が行われたり、従来走行していなかった路線に乗り入れることになった際に、乗務員が運転に十分に慣れるため、また車両の取り扱いを熟知するために行われる。
備考
編集乗務員の勤務スケジュールに影響するため、これらの講習は予備勤務時や泊まり勤務の明けで行われることが多いが、時間的に余裕がない場合は運転区・乗務区の乗務員全員が確実に受講できるように休日出勤を要請したり臨時の勤務スケジュールを組んで行われることがある。そのため、国鉄時代に労使関係が紛糾していた時期は、新型車両の導入もままならなかった(EF64形1000番台・DD51形800番台などにその時代の影響が出ている)。ただし動力車操縦者養成課程にある見習い生の場合はこの限りではなく、動力車操縦者試験に合格して正規に運転士になるまでの間は通常の勤務スケジュールと乗務ダイヤに従って指導運転士の指導・監督の下で乗務して習熟運転を行う。