「後千年王国説」の版間の差分
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*17世紀になるとイギリスで綿密な終末論の研究がなされるようになった。[[改革派教会|改革派の神学者たちも、聖書を字義通りとる前千年王国説を主張した。1658年、[[クロムウェル]]が死去して[[清教徒]]の[[共和政治]]が終わり、[[スチュアート王朝]]が復活すると、その時勢の影響で、前千年王国説は廃れていった。かわりに、後千年王国説が台頭してきた。最初は一部の[[清教徒]]の神学者の著作に見られた。英国国教会の聖書註解者ダニエル・ホウィットビがこの説の形成に大きく貢献した。 |
*17世紀になるとイギリスで綿密な終末論の研究がなされるようになった。[[改革派教会|改革派]]の神学者たちも、聖書を字義通りとる前千年王国説を主張した。1658年、[[クロムウェル]]が死去して[[清教徒]]の[[共和政治]]が終わり、[[スチュアート王朝]]が復活すると、その時勢の影響で、前千年王国説は廃れていった。かわりに、後千年王国説が台頭してきた。最初は一部の[[清教徒]]の神学者の著作に見られた。英国国教会の聖書註解者ダニエル・ホウィットビがこの説の形成に大きく貢献した。 |
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*19世紀になると、前千年王国説が勢いを盛り返してきた。また、この時期に[[ディスペンセーション主義]]という考えが広まり、前千年王国説に新しい要素が付け加えられた。特に、[[南北戦争]]以降の[[アメリカ]]ではディスペンセーション主義の前千年王国説が盛んになった。 |
*19世紀になると、前千年王国説が勢いを盛り返してきた。また、この時期に[[ディスペンセーション主義]]という考えが広まり、前千年王国説に新しい要素が付け加えられた。特に、[[南北戦争]]以降の[[アメリカ]]ではディスペンセーション主義の前千年王国説が盛んになった。 |
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*19世紀後半から20世紀の始めにかけて、[[進化思想]]の強い影響で、後千年王国説は広く受け入れられた。 |
*19世紀後半から20世紀の始めにかけて、[[進化思想]]の強い影響で、後千年王国説は広く受け入れられた。 |
2009年7月14日 (火) 15:04時点における版
後千年王国説(こうせんねおうこくせつ、Postmillenialism)は、福音の宣教を通し、また個々人の心の中で聖霊の救いをもたらす働きを通して拡大しつつある神の国、つまり今の世が千年王国であり、今の世の千年期と呼ばれる義と平和の長い祝福の後に再臨があるとする説。千年期後再臨説、ポストミレニアリズムとも言う。
神学
後千年王国説の学者L・ベットナーは「長い目で歴史を見るならば、各時代を通して偉大な進歩が成し遂げられてきた。背世界が明らかに、より良い方向に向かって進んでいることは、誰にも否定できないと思う。」と述べている。
後千年王国説論者は、黙示録20章を無千年王国説論者ほど象徴的にはとらない。けれども、細部に関しては、必ずしも字義通りのものとは考えない。故に、殉教者の復活や、千年期にキリストがからだをもってこの地上に存在するようなことが、実際起こるわけではないとしている。
キリストの再臨の時が近づけば近づくほど、内在的な神の力は、神のもろもろの敵に対して、より強力な形で発揮され、そのような教会の黄金時代(千年期)の後に短い背教、つまり善の力と悪の力の間の抗争があり、ついでキリストの再臨、死人の中から復活、最後の審判という出来事が起こると考えられている。
歴史
- 17世紀になるとイギリスで綿密な終末論の研究がなされるようになった。改革派の神学者たちも、聖書を字義通りとる前千年王国説を主張した。1658年、クロムウェルが死去して清教徒の共和政治が終わり、スチュアート王朝が復活すると、その時勢の影響で、前千年王国説は廃れていった。かわりに、後千年王国説が台頭してきた。最初は一部の清教徒の神学者の著作に見られた。英国国教会の聖書註解者ダニエル・ホウィットビがこの説の形成に大きく貢献した。
- 19世紀になると、前千年王国説が勢いを盛り返してきた。また、この時期にディスペンセーション主義という考えが広まり、前千年王国説に新しい要素が付け加えられた。特に、南北戦争以降のアメリカではディスペンセーション主義の前千年王国説が盛んになった。
- 19世紀後半から20世紀の始めにかけて、進化思想の強い影響で、後千年王国説は広く受け入れられた。
- 20世紀の改革主義神学者たちがこの立場をとったが、二度の世界大戦を経た後は、この楽天主義的な後千年王国の立場は少なくなった[1] 。
- キリスト教再建主義は後千年王国を強調する。
問題点
- この説によると、聖書も歴史も、人間の状況が絶えざる改善の過程にあるとされるが。実際そう考えられる根拠があるように思われない。人間の罪の実態は、むしろ逆行しているように思われる。
- 再臨の前に、黄金時代が来るという思想は、この世の終わりに関連した、聖書の破局的な描写と矛盾する。(マタイ24章等)
- 聖書によれば、悪魔は今日も頻繁に活動している。(第一ペテロ5章8節)
この説を支持する学者
脚注
- ^ 尾山令仁『聖書の教理』羊群社
参考文献
- 島田福安「千年期」『新キリスト教辞典』いのちのことば社、1991年、861-865ページ