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:「[[太陽系]]の調査がほぼ達成され、人類初の恒星間飛行が行なわれることになった。目的地は地球から300光年先の[[ベテルギウス]]。宇宙船の船内で2年間、実際の時間で300年を経て、主人公を含む3人の宇宙飛行士が到着した[[惑星]]は、知能の進んだ猿([[類人猿]])が知的に劣った人類を狩る星であった。 |
:「[[太陽系]]の調査がほぼ達成され、人類初の恒星間飛行が行なわれることになった。目的地は地球から300光年先の[[ベテルギウス]]。宇宙船の船内で2年間、実際の時間で300年を経て、主人公を含む3人の宇宙飛行士が到着した[[惑星]]は、知能の進んだ猿([[類人猿]])が知的に劣った人類を狩る星であった。 |
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: 1人助かった主人公は猿たちから、他の人間と同じような知能の低い生き物と思われて檻に入れられ、研究動物として扱われるが、猿と同様な知的能力や抽象的思考力があることを示して彼らの誤解を解き、彼らの言語を覚えて仲間入りに成功した。しかし猿たちは、人類と猿の関係(猿が賢く人類が愚かである事)は固定的なものではなく、何らかの理由で入れ替わる可能性があるのではないかと考え、主人公を危険視し始める。 |
: 1人助かった主人公は猿たちから、他の人間と同じような知能の低い生き物と思われて檻に入れられ、研究動物として扱われるが、猿と同様な知的能力や抽象的思考力があることを示して彼らの誤解を解き、彼らの言語を覚えて仲間入りに成功した。しかし猿たちは、人類と猿の関係(猿が賢く人類が愚かである事)は固定的なものではなく、何らかの理由で入れ替わる可能性があるのではないかと考え、主人公を危険視し始める。 |
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: 彼は猿の打ち上げる人工衛星に潜り込んで、周回軌道上で待機していた宇宙船に戻り、無事に地球へ帰還した。だが、600年以上もの未来の地球に降り立った彼が見たのは、人間とそっくり入れ替わった猿達の姿であった。地球でも同様に猿と人間の地位が逆転してしまっていたのである。」 |
: 彼は猿の打ち上げる人工(猿工?)衛星に潜り込んで、周回軌道上で待機していた宇宙船に戻り、無事に地球へ帰還した。だが、600年以上もの未来の地球に降り立った彼が見たのは、人間とそっくり入れ替わった猿達の姿であった。地球でも同様に猿と人間の地位が逆転してしまっていたのである。」 |
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この記録を読んだ旅行者達は、人類が高い知能を持っているなんてそんな馬鹿な、と嘲笑する。実は、彼らも猿だったのだ。 |
この記録を読んだ旅行者達は、人類が高い知能を持っているなんてそんな馬鹿な、と嘲笑する。実は、彼らも猿だったのだ。 |
2017年6月6日 (火) 02:12時点における版
猿の惑星 La Planète des singes | ||
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著者 | ピエール・ブール | |
訳者 | 大久保輝臣 | |
発行日 |
1963年 1968年7月12日 | |
発行元 |
Livre de Poche 東京創元社 | |
ジャンル | サイエンス・フィクション | |
国 | フランス | |
言語 | フランス語 | |
形態 | 文庫判 | |
ページ数 | 243 | |
公式サイト | www.tsogen.co.jp | |
コード | ISBN 978-4-488-63201-4 | |
ウィキポータル 文学 | ||
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『猿の惑星』(さるのわくせい、La Planète des singes)は、フランスの小説家ピエール・ブールによるSF小説。1963年発表。アメリカで制作された同名の映画の原作である。
あらすじ
宇宙ヨットで宇宙空間での遊覧飛行を楽しんでいたとある一組の旅行者達が、一通の通信文の入った容器を拾い上げる。そこには、以下のような奇妙な記録が記してあった。
- 「太陽系の調査がほぼ達成され、人類初の恒星間飛行が行なわれることになった。目的地は地球から300光年先のベテルギウス。宇宙船の船内で2年間、実際の時間で300年を経て、主人公を含む3人の宇宙飛行士が到着した惑星は、知能の進んだ猿(類人猿)が知的に劣った人類を狩る星であった。
- 1人助かった主人公は猿たちから、他の人間と同じような知能の低い生き物と思われて檻に入れられ、研究動物として扱われるが、猿と同様な知的能力や抽象的思考力があることを示して彼らの誤解を解き、彼らの言語を覚えて仲間入りに成功した。しかし猿たちは、人類と猿の関係(猿が賢く人類が愚かである事)は固定的なものではなく、何らかの理由で入れ替わる可能性があるのではないかと考え、主人公を危険視し始める。
- 彼は猿の打ち上げる人工(猿工?)衛星に潜り込んで、周回軌道上で待機していた宇宙船に戻り、無事に地球へ帰還した。だが、600年以上もの未来の地球に降り立った彼が見たのは、人間とそっくり入れ替わった猿達の姿であった。地球でも同様に猿と人間の地位が逆転してしまっていたのである。」
この記録を読んだ旅行者達は、人類が高い知能を持っているなんてそんな馬鹿な、と嘲笑する。実は、彼らも猿だったのだ。
経緯
第二次世界大戦当時、ブールが仏領インドシナにて有色人種の現地人を使役していたところ、同じ有色人種である日本人の軍の捕虜となり、1年半の収容所生活を送ったという「立場の逆転」した苦い経験を基に描かれたとされる[1]。しかし、実際にはブールを捕虜にしたのはヴィシー政権下のフランス軍であり[2]、日本軍を猿に見立てて小説を書いたという説については確証がなく、ブール本人も言及したことは一切無いため、噂の範疇に過ぎない。
評価
それまでに類を見ない設定とストーリー展開、及び人間社会への辛辣な風刺を込めた作風は高く評価されている。その結末は、ロッド・サーリングの脚本によるハリウッド映画らしい視覚に訴えるものと異なった内容になっている。
地球の類人猿と同じように、猿の惑星にもゴリラ・オランウータン・チンパンジーがいて、ゴリラは体が大きく体力もあり行動的で単純、オランウータンは記憶力等に優れ決まりきった仕事には有能であるが創造性に乏しい、チンパンジーは小柄であるが知的で発展的であるなどの性格が描かれ、地球上の人種に対するステレオタイプな見方がパロディのように投影されている。
また、それまで西部劇で描かれてきたインディアンを悪者とする白人至上主義的な勧善懲悪に代わって、「白色人種の新たなカタルシスとしてシリーズ化された映画」とも見られている[3]。
日本語訳
日本語訳は、1968年(昭和43年)4月の映画版日本公開に合わせ[4]、同年2月に早川書房から小倉多加志訳が、同年7月に東京創元新社(現在の東京創元社)から大久保輝臣訳が出版された。
東京創元新社版の訳者である大久保輝臣は、当時の事情を巻末に収録の「訳者あとがき[5]」で、日本語訳翻訳権は東京創元新社が独占所有しているはずなのに、早川書房が出版しえたのは「奇怪であると言うほかない」とし、早川書房版は「英語版からの重訳であることが明らか」で、英語版に起因する誤訳や脱落が散見されることや、大久保自身の都合で出版が早川書房に先んじられてしまったことを記している[6]。
その後も両社による併売は続けらているが、東京創元社が大久保輝臣訳を重版しているのに対し、早川書房は2000年(平成12年)2月に仏文学翻訳家の高橋啓による新訳で再出版している。
- 小倉多加志訳.東京,早川書房,1968年(昭和43年)2月,212p.,(ハヤカワ・ノヴェルズ),NCID:BN10837304.
- 大久保輝臣訳.東京,東京創元新社,1968年(昭和43年)7月,246p.,(創元SF文庫632-01),ISBN 978-4-488-63201-4.
- 高橋啓訳.東京,早川書房,2000年(平成12年)2月,287p.,(ハヤカワ文庫SF1300),ISBN 978-4-15-011300-1.
翻案
20世紀フォックス社は、『猿の惑星』の直接的な映画化を2度行なっている。1つめは1968年に公開された『猿の惑星』で、フォックスはその後1970年代に『続・猿の惑星』から『最後の猿の惑星』まで同作の続編を計4本公開した。2つめは2001年に公開された『PLANET OF THE APES/猿の惑星』で、こちらの方がより原作に忠実なものとなっている。さらに2011年、フォックスは『猿の惑星』(征服)から着想を得た新たな物語として『猿の惑星: 創世記』を公開した。
映画以外のメディアにおける『猿の惑星』の翻案としては、1974年に放送された20世紀フォックス製作のテレビドラマや、その翌年に放送されたアニメシリーズがあり、さらに、これらに付随してノベライズやコミカライズが多数発表されている。
脚注・参考文献
- ^ 町山智浩『〈映画の見方〉がわかる本』洋泉社、2002年8月1日、78頁。ISBN 978-4-89691-660-7。
- ^ Wikipediaフランス語版のピエール・ブールの項(fr:Pierre Boulle)を参照。日本語版には、フランス語版や英語版等にない日本軍の捕虜説も掲載されている。
- ^ 「週刊SPA!」田中康夫連載「その『物語』、の物語。」Vol.64
- ^ 高橋啓.“訳者あとがき”,猿の惑星.初版,東京,早川書房,2000年(平成12年)2月,pp. 281 - 287.,(ハヤカワ文庫SF1300),ISBN 978-4-15-011300-1.
- ^ 大久保輝臣.“訳者あとがき”,猿の惑星.初版,東京,東京創元新社,1968年(昭和43年)7月,pp. 239 - 246.,(創元SF文庫632-01),ISBN 978-4-488-63201-4.
- ^ この部分は、初版には掲載さているが、1995年(平成7年)刊の31版で確認すると削除されている。