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ハレンチ学園

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハレンチ学園
ジャンル ギャグ漫画学園漫画
漫画:ハレンチ学園
作者 永井豪
出版社 集英社
掲載誌 週刊少年ジャンプ
レーベル ジャンプコミックス
発表期間 1968年8月1日創刊号 - 1972年9月25日41号
巻数 13巻
その他 サイドストーリー「ヒゲゴジラ伝」
ドラマ:ハレンチ学園
原作 永井豪
監督 丹野雄二、柴田米幸、飯塚二郎、柳瀬観
脚本 久保田圭司、鴨井達比古
制作 東京12チャンネルピロ企画日活
放送局 東京12チャンネル
放送期間 1970年10月1日 - 1971年4月1日
話数 全27回
その他 オープニング・エンディングはアニメーション
小説:小説ハレンチ学園
原作・原案など 永井豪
著者 永井豪
イラスト 永井豪
出版社 集英社
レーベル 集英社文庫 コバルトシリーズ
発行日 1983年11月、1983年12月、1984年4月
巻数 全3巻
その他 ISBN 978-4-08-610618-4
ISBN 978-4-08-610624-5
ISBN 978-4-08-610658-0
映画:ハレンチ学園
原作 永井豪
監督 丹野雄二
脚本 山崎巌鴨井達比古
音楽 山本直純
製作 日東プロ=ピロ企画
配給 日活
封切日 1970年5月2日
上映時間 82分
映画:ハレンチ学園 身体検査の巻
原作 永井豪
監督 丹野雄二
脚本 山崎巌鴨井達比古
音楽 山本直純
製作 日活
配給 ダイニチ映配
封切日 1970年8月1日
上映時間 85分
映画:ハレンチ学園 タックルキッスの巻
原作 永井豪
監督 林功
脚本 鴨井達比古
音楽 鏑木創
製作 日活
配給 ダイニチ映配
封切日 1970年9月12日
上映時間 83分
映画:新・ハレンチ学園
原作 永井豪
監督 林功
脚本 山崎巌鴨井達比古
音楽 鏑木創
製作 日活
配給 ダイニチ映配
封切日 1971年1月3日
上映時間 82分
OVA:平成ハレンチ学園
原作 永井豪
監督 村松弘之
脚本 武上純希
製作 徳間ジャパンコミュニケーションズ
ピンクパイナップル
発売日 1996年2月2日、1996年3月1日
収録時間 82分
その他 DVDボックスが2007年2月23日に発売。
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ハレンチ学園』(ハレンチがくえん)は、永井豪による日本ギャグ漫画作品、及びこの作品を原作とするテレビドラマ映画1968年11号から1972年41号まで『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載された。2018年、第47回日本漫画家協会賞文部科学大臣賞を受賞(授賞対象は永井豪の「全作品」)[1]

概要

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当時の少年漫画としては過激な表現で物議を醸し社会現象になった、永井豪の出世作であり代表作の一つである。また手塚治虫高橋留美子吾妻ひでお山本直樹などの漫画家に多大な影響を与えたことでも知られる。

便宜上、内容によって大きく3部に分けられる。

第1部連載中期の1969年(昭和44年)14(7/24)号にて、丸善石油(現コスモ石油)「100ダッシュ」のCMで小川ローザのスカートがまくりあがり『Oh!モーレツ!』という内容を元に「モーレツごっこ」を登場させ、スカートめくり流行の一因となった。

1970年1月8日と9日、『朝日新聞』『毎日新聞』が『ハレンチ学園』を紹介したことで、多くの大人の知ることになり、本作を巡る騒ぎが拡大したものと見られる。なお、『朝日新聞』は永井本人や擁護派の意見も載せており、『毎日新聞』も紹介程度の内容であり、本作を一方的に非難するという記事ではない[2]

主に問題とされたのは2点、性描写と教師批判である[3]

1970年1月に三重県四日市市の中学校長会が問題視し、四日市市少年センターが三重県議会に有害図書指定を働きかけるが実現には至らなかった[4]。同年には福岡県でも問題になった[5]。『少年ジャンプ』編集部へも、各地のPTA教育委員会から多数の苦情が寄せられた[6]

PTA等からの激しい批判の標的となり、作者の人格攻撃にまで発展。ただ永井本人としては、学生時代に教諭が女子生徒の体を触り、その場は教諭個人の冗談を含む一過性の性的揶揄と思ったが、後で隠れて泣いている女子生徒を目の当たりにし、その目撃談を元にデフォルメして作品を描いたという経緯であって、糾弾にまで至った事に困惑していた。

一方、批判ばかりでなく擁護の声もあり、『週刊少年ジャンプ』で活躍していた教育評論家の阿部進はその筆頭であった。阿部は会合に出かけて議論すると共に、テレビ出演して擁護を行った。『毎日新聞』は1970年1月19日の社説で規制に疑問を呈し、2月6日の記事でも子供の精神発達の阻害になる可能性は少ないとの記事を掲載し、『少年ジャンプ』編集部には読者から多数の応援の手紙と電話が寄せられたという。警視庁少年防犯関係者も「大したことはない」と問題視していなかった[2][4][6][7]

後年の永井は、当時の糾弾者達は、ハレンチ描写よりも、余りに理想の教師像からかけ離れた教師達の描写を問題視したのではないかという推測を述べている。評論家の石子順造や編集部員だった西村繁男も同様に、教師という権威をからかったのが怒りを買ったのだと見ている[7][8]

これを逆手に取り、1970年に連載されていた第1部後半では「ハレンチ大戦争」と題するハレンチ学園と「大日本教育センター」の教育関係者たちとの戦争に突入した。この批判派(=既存権力側)対漫画(=若者・子供)の構図は、敵も味方もなくただ倒れていくのみという激しい展開を生む。永井は、当時の教育制度に対しての痛烈な皮肉と、戦争を生むのは醜い人間の欲望と偏った思想であるとの思いを込め、この戦争描写を展開させた[9]

一方、ギャグ漫画としては、神である作者に死の不条理を拒否し異議を申し立てるというメタフィクション的なギャグまで生み出した。

1970年日活で映画として映像作品化。他にも数社から映画化の話が持ち込まれたが、永井本人は日活を見込んで日活による映画化を希望した。しかし、日活が永井の希望を満たすことはなく、永井は映画の出来に落胆したと語っている。読者からもイメージが違うとのクレームが永井に寄せられた[10]

同年には、日活版の監督だった丹野雄二が東京12チャンネル(現:テレビ東京)に企画を持ち込んでテレビドラマ化された。こちらの主演の児島美ゆきは好評を得たと永井は述べている[10]。「大戦争」と同時期の作品だけに原作とした話は比較的大人しい連載初期が元になっていたため、当時としては挑発的なハレンチ描写こそあれど、物語の構造自体はあくまで学園内の大人と子供の戦い程度の図式に留まり、原作のような過激な展開は見せていない。

2010年より『週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)で連載されている永井豪の自伝的漫画『激マン!』において、主人公である「ながい激」は『ハレンチ学園』の連載を終了することになったのは、主に当時連載の始まった『デビルマン』の執筆で異常なまでに体力を消耗するので連載を減らしたいと思ったことであるとし、ジャンプ側に対し、第1部で主要キャラクターの多くが死んでしまったことやストーリーが迷走し始めたこと、などが理由であると説得している。ジャンプ側は連載終了を渋ったものの、『男一匹ガキ大将』の台頭もあってか、結局連載終了は円満に認められる事になった[11]

しかし、実際には『ハレンチ学園』最終回の翌週から『少年ジャンプ』で『マジンガーZ』の連載が開始されたため、すぐには連載作品を減らすことはできなかった。

なお、ハレンチ=破廉恥とは本来、恥知らず、厚顔無恥といった意味であり、本作の流行により、以降性的、エッチといった意味合いが付加されていった[12]

連載時期

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  • 第1部
    • 1968年(昭和43年)8/1創刊号(週刊化前)読みきり掲載・他短編(10/24号、11/7号)を挟んで連載へ 1968年12/26号〜1969年(昭和44年)10/13号、1969年11/3号~ 1970年(昭和45年)5/25号、6/15号~7/20(30)号
    • 少年ブック」(1969年4月号)、「増刊少年ジャンプ」(1969年6/3号、8/31号)にも掲載あり。
    • 「ハレンチ学園小学部」が舞台。山岸八十八たちの、入学式(一年生)から一気に飛んで、五年生、六年生での物語が描かれる。山岸は子分のイキドマリとコンビを組んで、クラスメートの柳生みつ子(十兵衛)、アユちゃんたち女子生徒を守り、ヒゲゴジラたち教師のセクハラ、パワハラ、横暴と戦うが、実はみつ子は柳生流免許皆伝の腕前だった。
    • 「ハレンチ大戦争」はこの部に含まれる。永井自身はハレンチ大戦争で物語世界を完結したのだが、編集部の強い意向により第1部完という形となった[13]
  • 第2部
    • 1970年(昭和45年)8/24(35)号〜1971年(昭和46年)2/8(7)号
    • ハレンチ大戦争から3年、山岸八十八は、妹・マミの通う聖ハレヤカ学園に復学するが、そこで15歳で大学を卒業し教師となっていた十兵衛と再会する。ヒゲゴジラの暴動に巻き込まれて学園にいられなくなった十兵衛は、新たな転勤先、聖ハレンチ女学園を叩き潰すために乗り込んでいく。山岸も妹のマミと十兵衛を追って、聖ハレンチ女学園に入学する。
  • 第3部
    • 1972年(昭和47年)1/1(1)号〜6/5号、1972年(昭和47年)6/19号~9/25(41)号
    • 「ハレンチ学園中学部」が舞台。山岸は、新たな子分のニキビ、レンズと共に、学園の騒動を時には収め、時にはあおって被害を拡大させる。十兵衛は幼な妻の専業主婦(?)。
    • 連載時はサイドストーリー「ヒゲゴジラ伝」が間に挟まり、その頭から第4部と称されていたが、その前後は同一設定上のストーリーのため、ここでは第3部とする。
  • 2部・3部・本誌連載終了後にも読みきり短編が月刊少年ジャンプ(1972年9/15号、1974年8月号、1976年11月号、1977年5月大増刊号)に掲載されている。
  • 平成ハレンチ学園
  • 2005年、第1部の続編として『ハレンチゴルファー十べえ』が「コミックビッグゴルフ」に掲載。
  • 2007年、脚本・近藤雅之、漫画・有賀照人の『ハレンチ学園2007』が「ビジネスジャンプ」新年4号、「ビジネスジャンプ増刊BJ魂」33に掲載される。その後、有賀照人により舞台を企業としたリメイク「ハレンチ学園 〜ザ・カンパニー〜」を連載。
  • 2022年、『デビルマン』『マジンガーZ』50周年記念『永井豪本』(小学館)にて、27年ぶりの新作『新装開店ハレンチ学園』(34ページ)が描き下ろされた。内容は第一部読み切り第一話のリメイクであるが、十兵衛が転校生であったり、途中登場のマカロニが最初から教師としているなど、異同がある。

書籍

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単行本

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選集等

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  • いきなり最終回 PART2(JICC出版局、1991年) - 最終回を掲載。永井豪へのインタビューもあり。
  • 永井豪ショッキング・エッチコレクション(講談社、2003年)
  • 永井豪 美少女マンガコレクション Go-Go Girls! 1968-73(復刊ドットコム、2014年) - 「モーレツごっこの巻」と「オー! ノー!!の巻」を掲載。

主な登場人物

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( )内が本名

レギュラー

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親分(山岸八十八)
暴れん坊だが純情な主人公。女装時は「八十子(やそこ)」と名乗る。常に女の子たちの味方かつ助っ人で、教師たちの天敵。肉屋の息子。身体検査の時には女医に変装して女子のヌードを見ようとしたり、「モーレツごっこ(スカートめくり)」を学園中に流行らせたり、修学旅行では入浴を覗こうとしたり、後のエッチマンガのフォーマットとなる設定を数多くこなしている元祖。第2部で「あの全国的に有名な色キチガイ(後の版では「色キチ」と短縮化、さらに「ハレンチ生徒」と変更)」とその名が知れ渡っていることが示される。しかし、いざヌードを目の前にすると目を回して気絶、第3部では、中学生になっても夫婦が夜に何をするのか知らないほどに奥手。十兵衛がうっかりノーパンで学園に来てしまった時には身を挺して「モーレツごっこ」の被害から守り、正月には教師たちが仕掛けた「パンツかるた」から女子たちを救い出すなど、数々の事件で義侠心を発揮する。第1部最終回で敵に突撃して生死不明となるが、第2部では生きていたことになった。ハレンチ戦争の際、それと知らずに両親を射殺してしまっている。家業を継いで肉屋になるが、義務教育を3年間サボったために、小学6年生に復学した時点で15歳になっている。第2部最終回で、88歳になって未だ壮健な姿を、妻の十兵衛ともども見せた。
『平成ハレンチ学園』では22歳になり、女子校「晴の地学園」に新任教師として赴任する。ただし「ハレンチ戦争」以降の歴史が「なかったこと」にされたアナザーストーリーであるため、独身という設定になっている。
十兵衛(柳生みつ子)
忍者一族の末裔、黒髪、ロングヘア―の美少女。本作のヒロインで、山岸との出会いは、不良に絡まれていたのを助けられて以来。一見、おしとやかだが、すぐに柳生流の免許皆伝であることを知られて「十兵衛」とあだなを付けられる。第1部最終回では山岸とともに突撃して生死不明となるが、同じく生きていたことになった。祖父・但馬、祖母、母、婿養子の父(永井豪の自画像と同じデザイン)、弟・宗冬(史実の柳生三巌の弟と同じ名前)の6人家族。一家(父除く)で徳川家再興のための軍資金(という名目で、実際は自分たちの遊興費)集めで泥棒を働くのが家業。宗冬を残して全員がハレンチ戦争で全滅、第2部では25代目柳生十兵衛三厳を襲名、15歳にして大学を卒業して教師となった。ハレンチ戦争を経験して、全てのエッチ行為を憎むようになり、この世からエッチを撲滅しようと決意するも、最終回で、金目当ての山岸たち生徒全員にプロポーズされ、あっさりと色ボケにもどった。第3部では中学生になった山岸の幼な妻になるが、相変わらず山岸のことは「山岸くん」と呼び、裸を見られるのはやはり恥ずかしいと感じている。その割に、露出度は第3部が一番多い。第1部・2部では、窮地を山岸に助けられることが何度もあったが、逆に山岸を助ける場面の方が多くなっている。
人気の高さゆえに、次作『マジンガーZ』にもヌードでゲスト出演している。
アナザーストーリー『平成ハレンチ学園』では、オリンピック10種目に出場、全ての競技で金メダルを取る万能選手として再登場。山岸とは小学生以来の再会という設定になっている。
ヒゲゴジラ先生(吉永さゆり)
全三部すべてに登場する唯一の教師。口の周りにひげを生やし、虎の毛皮を着て、原始人のような風貌をしている。あだ名の由来は「ヒゲゴジラ」からで、本名は実在の女優と同じ吉永小百合。永井豪の初連載作品「ちびっこ怪獣ヤダモン」の登場人物を『ハレンチ学園』に流用したキャラクター。『ゴジラが行く』[14]ほか、初期の永井豪漫画に多数出演している。
ゴジラ一族の一員で、他のゴジラたちも概ね似たようなスタイルをしている。いとこにハゲゴジラ(酒井和歌子)が、他にデブゴジラ、毛ゴジラ、チビゴジラ、インテリゴジラ、ヤブゴジラなどがいる。喋り方はいわゆるオネエ言葉。しかしオカマというわけではなく、妻帯者で、連れ合いは清純スターの吉永千恵子。さらにおユキちゃんという美人の不倫相手もいる。使用武器は棍棒
昭和十六年十二月八日、ゴジラ谷生まれ。ここで女の子のように育てられたことが、変態的な性格形成に大きな影響を与えた。幼馴染のギドラちゃん(♀)とは、いじめられ、いじめ返す間柄。昭和二四年に小学校に入学、ここで終生のライバルである丸ゴシと出会う。中学校でチカン冤罪で少年院送りになるも首席で卒業、エスカレーター式に刑務所に入学、教師になるため退所した。教師を志望した動機は、子供のころから女の子にいじめられ裏切られ続けた恨みから、先生になれば女の子を合法的にいじめられると考えたため。
実際に、授業をそっちのけで生徒たちをいじめることを生きがいに、数々の策略を巡らしている。しかしそのことごとくが山岸たちによって返り討ちにされ、煮え湯を飲まされる羽目に陥る。あまりにも生徒たちが授業を放棄してばかりなので、給料を下げられ続けている。その穴埋めのためか、校内で賭けマージャンを行ったり、非合法カジノを開いたり、少女ヌードを撮影しようとしたりと、金儲けの算段に余念がない。
第1部最終回で、屍の山の中ただ一人重傷を負いつつ生き延びようとあがく。第2部では生きのびていたことになり、「聖ハレヤカ学園」の看板の「ヤカ」に「ウ×チ」をなすりつけて「ハレンチ学園」にしてしまう。この時、サイボーグ化した描写があったが、第3部で数学教師として再々登場した時は、その設定はなくなっている。
『平成ハレンチ学園』では、女装して「晴の地学園」の校長に収まっていた。
永井豪キャラ総登場の『バイオレンスジャック』「魔王降臨編」では、悪魔に乗り移られ、「ダンテ」と名乗り、ジャックと戦った。ダンテ教を開き、丸ゴシ、マカロニ、パラソル、ドラキュラらを従えている。
炎天家冷奴(永井豪)
作者・永井豪本人。丸顔に鼻のない笑顔で描かれることが殆ど。初出は『アラーくん』で、このときから羽織姿の和服で扇子を持った落語家スタイル。言葉の語尾に「~ガス」と付けるのが口癖。『ハレンチ学園』では主にナレーターを務めるが、ダイナミック牧場のボスや、柳生みつ子の父親役、テンガロンハットの先生役、山岸のクラスメート(♀)役、魔法の鏡の精役など、他の役での出演も多い。しかし第1部「ハレンチ大戦争」編の後半では、状況が悲惨になるにつれ、登場人物たちからの非難、糾弾を一切無視して陰に隠れ続けた。

第1部

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丸ゴシ先生(荒木又五郎)
極貧の学園の教師。天下の豪傑・荒木又右エ門の子孫。空手五段、槍術も名人級。褌に「お買い物は丸ゴシ(丸ゴシ・デパート)へ」と広告を入れて家計の足しにしている(ネーミングのもとは永井の出身地石川県の老舗、丸越百貨店)。ヒゲゴジラとは小学三年生以来のライバルであり親友。連載前の読み切りでは、槍は使うが痩せた情けないキャラだったが、連載開始後、太って怪力になり、山岸たち生徒にとって最大の敵となった。女子生徒たちを学校に監禁する事件(「金嬉老事件」のパロディ)を起こして逮捕されるも刑期を終えて出所、復讐を誓って山岸・イキドマリを裸にして磔にする。十兵衛たちの逆襲に遭って、他の先生たちとともに磔にされる。第1部最終回で槍を片手に突撃、敵の教育センター所長を突き殺し、もろともに爆死したように見えたが、のちに3部「ヒゲゴジラ伝」のラストで、隻眼になってはいたが、生存が確認された。再び監禁事件を起こしての再登場だった。
『平成ハレンチ学園』にも登場するが、女に性転換していた。やはり「ハレンチ戦争」が起きなかった世界であるため、隻眼の設定はなくなっている。
イキドマリ(袋小路)
山岸の幼馴染で忠実な子分。親分のエッチ行為に付き添って、自分もおいしい目を見ることを生きがいとしているが、山岸が園外でもチカン行為をしていることを知ってショックを受け、自分もチカンをしようとして失敗、自棄になって親分を襲ったこともある。ハレンチ大戦争の際、「自分は準主人公なので戦死するはずはない」と楽観視していたが、山岸にそれを否定され、結果、過酷な状況に耐えられず、自暴自棄的な自殺のような形で戦死してしまう。
しかし『平成ハレンチ学園』では作者の確信のもとに何の説明もなく生き返っている。山岸同様に「晴の地学園」の教師となる。第一部では名字が袋小路、下の名前は不明であったが、「袋」が名字で「小路」が名前ということになった。
アユちゃん(鮎原あゆ子)
みつ子と並ぶ学園一の美少女。ツインテールにリボンが目印。十兵衛が登場しないエピソードでヒロインを務めることも多く、その時にはなにかと脱がされそうになる。ヒゲゴジラが少女ヌードで一儲けしようとたくらんだ時にターゲットに選んだのもアユちゃんだった。大人しそうだが、男の子たちの横暴に対抗してプロレスでの決闘を山岸に申し込んだ時には、投げ技に長けていることを示した。永井は、第1部最終回での彼女の凄絶な死で、もう作品が後戻りできなくなったことを自覚したという。永井豪キャラクター総登場の『バイオレンスジャック』によれば、本名は「あゆ子」(『死神警察編』)ないしは「鮎原」(『魔王降臨編』)、ショウワノートから発売されたショウワの絵ノートでは「浅井ゆき子」(蛭田充の本名のモジリ)であるとされている。
ターちゃん
山岸のクラスメートで、クラスの女の子たちのまとめ役。ショートヘアでボーイッシュ、一人称は「おれ」。性格はかなり乱暴で、ヒゲゴジラをとっちめた「トイレット作戦」の立案者は彼女。たまに自分が女子であることを忘れることもある。初期は出番が多かったが、連載が進むにつれ、十兵衛とアユちゃん以外のヒロインの作画がアシスタント(主に岡崎優)任せになったためか、登場しなくなった。第3部にも「女ヤマギシ」と呼ばれる似たデザインのキャラが登場するが、ハレンチ大戦争を生き延びた同一人物かどうかは不明。
フウセン
小柄なのを利用して、他のクラスの偵察係を務めている山岸たちのクラスメート。
パラソル先生
学園の教師。髪の毛が二本だけ生えているハゲ頭で、口ひげを生やし、パラソルを開いてスカートの形にしたものを頭からかぶっている。手には閉じたパラソルを持って、武器にしているが威力はない。着ているパラソルがおちょこになると前が見えなくなるのが弱点。「~バイ」が口癖。第1部最終回で戦死した。『平成ハレンチ学園』で再登場。男女問わず痴漢行為に及ぶ変態ぶりを発揮した。
マカロニ先生(マカロニ・キッド)
学園の教師。テンガロンハットにポンチョ姿、その下は裸で股間に銃を下げているのが基本スタイル。イタリアの鳥取県出身。刑務所に入った丸ゴシの代理でハレンチ学園に赴任してきた。前任校はイタリアのハレンチ学園で、そこでも起きていたハレンチ戦争でのただ一人の生き残り。初期設定では「男の子が好き」で、山岸にも襲い掛かっていたが、第3部で恋人(スパゲッティ・ジェーン)がいることが判明した。修学旅行ではただ食い先の牧場を守ってダイナミック牧場の悪党たちを撃退した。第1部最終回でカッコつけたわりにあっさりと戦死した。そのスタイルは基本的には『荒野の用心棒』のクリント・イーストウッドをモデルとしているが、棺桶を引きずって現れるのは『続・荒野の用心棒』のフランコ・ネロのパロディ。
人食い(亜振)先生
頭に髑髏をのせ、鼻の下にホネを付けた人食い人種のような格好をしている、学園の教師。サ行音がはっきり話せず、語尾に「~でひゅ」と付けるのが口癖。ヒゲゴジラ、丸ゴシとは、一緒にハイキングに行くなど行動を共にすることが多い。第1部最終回で戦死した。初期の名前「人食い」は後の版で「亜振」と改訂されたが、50周年記念愛蔵版では、名前自体が削除されている。新作『新装開店ハレンチ学園』ではついに存在そのものが抹消された。
ジルバー先生
髑髏マークのバンダナに左目にアイパッチ、ひげ面で、海賊の格好をした、学園の教師。ムチが武器。山岸たちが六年生になるクラス替えの司会を務めた(先生たちが、気に入った女生徒を分捕り合う)。第1部最終回で戦死した。
ドラキュラ先生
ドラキュラそっくりの教師。黒いマントの下はやはり裸で、股間には生きたコウモリが羽ばたいている。磔用の十字架の上でアユちゃんを襲った。『バイオレンスジャック』「魔王降臨編」にもヒゲゴジラ、丸ゴシらとともに再登場。
フランケン先生
顔はフランケンシュタインの怪物、首には赤ん坊用のよだれかけを付けている大男の教師。言葉はあまりうまく操れず、よく唸っている。スキー旅行では、教師全員が山岸たちに騙されて山頂に取り残され、たった一本のスキー板で滑走して下山せざるを得なかった際に、全員がフランケンにしがみついた。当然、滑落して全員が裸足で下山する羽目に陥った。
五エ門先生
頭は角髪(みずら)、全身裸で、股間を銅鏡で隠している教師。作者の『あばしり一家』のあばしり五エ門を流用したキャラクター。永井豪キャラクターシステムの代表格で、他にテレビリポーター役やダイナミック牧場のメンバーの一人やナミダのあそこにペンキを塗るクラスメート役(♀)でも出演している。モデルは石川賢。ハレンチ大戦争で、舌先三寸で一年生の生徒たちを騙して敵に突撃させ、全員を戦死させたが、知恵のついた二年生には口車が通じず、逆に自分が突撃する羽目になって射殺された。
女の先生
第1部・ハレンチ学園での唯一の女教師。ロングヘアの美人。新任でハレンチ学園に配属されたものの、教師、生徒、双方から脱がされてパニックを起こし、校外に逃げ出したところを捕まって精神病院に送られてしまう。
セーラーマンらしき先生
顔はかわいいコックさん風で、頭にセーラー帽、首に浮き輪を付けた学園の教師。第1部最終回で戦死した。名前は不明で、見出しの仮の呼称は「永井豪キャラクター図鑑」による。
フンドシリボンの先生
ハゲ頭から生えた一本毛にリボンを付け、ふんどしを胸元からちょうちょ結びにして垂らしている学園の教師。特撮ヒーローのような白い手袋とブーツをいつも(スキー旅館のお座敷など室内でも[15])履いている。第1部最終回で戦死。見出しの名称は同じく「永井豪キャラクター図鑑」による。
小使
ハゲ頭から生えた一本毛、鼻水を垂らしたハレンチ学園の小使(こづかい)の老人。表記は後の版で「校務員」になった。昼寝ばかりでろくに仕事をしている様子がないが、たまに先生と生徒とのトラブルに出くわすと、弱い方の足を更に引っ張る悪辣な性格をしている。ハレンチ大戦争の勃発を最初に校内に知らせた。第1部最終回で戦死した。
ダイナミック牧場
修学「タダ食い」旅行中に、山岸たちが世話になった牧場を襲った隣の牧場主たち。当時のダイナミック・プロのメンバーがモデルで、ボスは永井豪(眼帯をして、いつもの永井キャラとは差別化を図っている)、浅井ゆきお(蛭田充)、石川賢、太田順一(桜多吾作)、岡崎優小山田つとむらが部下。持っている銃はただのモデルガンで、相手に投げつけて倒す。マカロニの銃が本物であることに驚いて逃走する。
狼団
7人組の学園あらし。次々と学園を襲っては女の子たちを脱がして回ったが、山岸には返り討ちされた。実は全員が男装女子で、強い男を探すために学園あらしを続けていた。正体が明らかになった後、全員が山岸にプロポーズする。
将軍(大日本教育センター所長)
隻眼、白髪白髯の老人。ハレンチ行為に明け暮れる学園の内実を知って憤り、陸海空軍の一大軍事組織を結成して、自らも鎧甲冑に身を固めて陣頭指揮を執り、ハレンチ大戦争を勃発させた張本人。正義のために立ち上がったように見せかけてはいるが、それは大義名分に過ぎない。本音ではハレンチ学園に対する羨ましさや嫉妬の念を抱いていた。単に思い切り人殺しをしてみたかっただけで、合法的な戦争を仕掛けた狂人である。高齢のため、尻の穴が緩くなっており、しょっちゅう屁をこいたり、大便を漏らしたりしている。第1部最終回で、突撃した丸ゴシの槍に突き刺されて死亡した。
死神重工社長
ドクロのマークでおなじみの死の商人。ハレンチ大戦争がまたとない武器の宣伝になると、学園のスポンサーを買って出る。多量のマシンガンや手榴弾を山岸たちに提供し、戦争を拡大させる。ベトナム戦争の武器も供給していた。
西本アナウンサー
丸ゴシが監禁事件を起こした時の、テレビレポーター。貝塚ひろし作『父の魂』に登場する、メガネにちょび髭、左目の下に大きなほくろがある、東郷社長の秘書・西本を流用した越境キャラクター。丸ゴシに決死のインタビューを試みた。
デロリンマン
ジョージ秋山の同名タイトルのマンガ『デロリンマン』(「元祖」少年ジャンプ版)の主人公。ハレンチ戦争を止めるべく、三度戦場に赴くが、そのたびに爆撃に逢って顔面がどんどん崩壊していき、最後はデロデロリンマンになってしまう。ハレンチ大戦争には他に、白土三平忍者武芸帳』『ワタリ』『サスケ』から影丸、ワタリ、サスケと猿飛忍群、横山光輝伊賀の影丸』から、影丸と服部忍群がゲスト出演している。全て教育センターの近代兵器で殺戮された。
山岸の父
すだれハゲにちょび髭、でっぷりと太った山岸肉店の主人。肉切り包丁の腕前は超一級で、投げつけられたものを二刀流で真っ二つに斬ることができるほど。しかし、家庭訪問に来たヒゲゴジラの尻の肉を切って、食材に混ぜるあたり、衛生面には全く無頓着。息子の通信簿の成績をネタにしばき倒すのが生きがいだったが、山岸がヒゲゴジラを脅迫してオール5を取ったために、生きがいをなくしてしまった。ハレンチ大戦争に食材(死体)を探しに出かけたところを、息子にそれと知らずに射殺されてしまう。
山岸の母
山岸肉店を夫婦で切り盛りしているがさつで乱暴な母。息子のことは「ガキ」と呼んでいる。顔は山岸にそっくり。夫婦仲は非常によく、夫と協力して息子を暴力で鍛えてきた。ハレンチ大戦争で死んだ亭主の遺言で、その肉を店の肉に混ぜて売るつもりだったが、本人も山岸に射殺されてしまう。

第2部

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山岸マミ
山岸の妹。第1部ではこまっしゃくれた小学生だったが、第2部ではショートヘアにカチューシャの美少女に成長、十兵衛よりも出番の多いヒロインの座を獲得する。典型的なお兄ちゃんっ娘で、八十八の「おさな2号さん」と自称しているが、十兵衛に百合的な好意も抱いている。両親の死後は兄妹二人で山岸肉店を切り盛りしている。通っていた聖ハレヤカ学園崩壊後は、聖ハレンチ女学園に転勤させられた十兵衛を追った兄・八十八を守る名目で自分も転校、ところが彼女を男と疑う教師たちや、実は全員女装男子の生徒たちによって、逆に危険な目に遭わされる。登場は第2部までで、ひまやら山を下山した後の消息は不明。
アレキ先生(ビクトリア・アレキサンダー)
第2部・聖ハレンチ女学園の女教師。通称「アレキ先生」。ザンバラの金髪、黒ビキニスタイルで、ブラから長剣をぶら下げて武器にしている。剣を振るうとあそこが丸見えになるので、山岸は卒倒した。トックリ、ドスコイら女教師たちのボス。それまでは女学園のアイドル的存在だったが、十兵衛の転勤でナンバーワンの座を追いやられ、殺意を抱く。女学園がある米軍基地司令官の娘。ナイスバディだが実は7歳。痔が弱点。一人称は「おれ」。
トックリ先生
第2部・聖ハレンチ女学園の女教師。両胸にトックリをつけ股間には酒瓶を紐で締めている。髪型はおむすびのような三角形のもじゃもじゃパーマで。徳利を投げるが、十兵衛に打ち返され、股間の酒瓶を割られた。
ドスコイ先生
第2部・聖ハレンチ女学園の女教師。まわしを締めた力士スタイル。なので、上半身は裸でかなり太っている。大銀杏の髷を結いがたらこのように太い。
ゴム長先生
第2部・聖ハレンチ女学園の女教師。男物の黒いゴム長を烏帽子のように金髪の頭に被って、両手にハイヒールをはめ、両足に女物の白いゴム長を履いている(牧野大誓「長靴の三銃士」のパロディ)。ほぼ全裸に長靴だけのファッションだが、女教師の中では少女漫画のようなキラキラした瞳を持つ背の高い美人。ハイヒールには、通信機能が内蔵されており軍と交信できる[16]。中距離の敵は、両端に下駄のついた投げ縄でしばり、長距離の相手には、ハイヒールを手裏剣のように投げて中てる。短距離は股間の草履で叩く。
おしゃぶり先生
第2部・聖ハレンチ女学園の女教師。よだれかけをつけ、股間にベビー人形を装着。性格はサディスティック。
ガマグチ先生
第2部・聖ハレンチ女学園の女教師。首から提げたガマグチで、股間を隠している。教師たちの中では子分格で、要領は悪い。うっかりアレキ先生の尻に乗って、彼女の弱点が痔であることを十兵衛に悟らせてしまった。
月姫先生
第2部・聖ハレンチ女学園の女教師。タヌキ顔でほっかむり、鼻水を垂らしたちんちくりんのチビ。眉毛が太く「ゲヘッ」が口癖。生徒たちからの人気は壊滅的にない。作者が同時期に連載していた『馬子っこきん太』からの流用キャラクター。 第一部で山岸の同級生役でも出演していた。
女子生徒たち
第2部・聖ハレンチ女学園の生徒。実は、全員が「女学園」という言葉に惹かれて入学した、女装した男たちである。先生たちはその正体に全く気が付いていない。お下げ髪で女子体操着にブルマ姿の山岸を「おねえさま」と呼ぶ。
聖ハレヤカ学園校長
教師となった十兵衛が最初に赴任した学園の校長。ヒゲゴジラの乱入で崩壊した学園の責任を十兵衛に押し付けて、聖ハレンチ女学園に転勤させた。
開かずの間のバケモノ
聖ハレヤカ学園の元教師。ある時、気が狂って女の先生を食い殺そうとしたために、開かずの間に閉じ込められた。ヒゲゴジラの乱入で解放され、マミを襲う。十兵衛に尻にカタナを刺され、逆上してハレヤカ学苑を破壊し尽くした。
必殺医院院長
人体改造マニアの整形外科医。聖ハレンチ女学園に入るために性転換しようと来院した山岸のオ〇ン〇ンをちょん切ろうとして、逆に切られて犬に食われてしまう。
アレキサンダー将軍
アレキ先生の父で、聖ハレンチ女学園がある米軍基地の長官。娘の頼みで、女学園への爆撃命令を出す。
四浦雄一郎
実在の登山家・スキーヤーの三浦雄一郎のパロディキャラクター。ひまやら山登頂を目指すが、「ひまやら山」とうまく発音できず、舌を噛んで死ぬ。

第3部

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スパゲッティ・ジェーン
新生ハレンチ学園中学部の女教師。マカロニの恋人。マカロニが死んだ日本で、マカロニの敵だった生徒たちに復讐するためにハレンチ学園の教師となる。陸上部と剣道部のけんかに乱入し、真っ先に助っ人の山岸をとっちめた。マカロニと同じくテンガロンハットにポンチョスタイルだが、その下はやはり股間に銃のギリギリのヌード。そのため、「カビゴジラの巻」では自分の陰毛をカビと間違えた。女生徒にも容赦のない冷徹な性格で、「ハレンチ学園祭の巻」では、ヒワイポルノ「悶絶女子中学生真夜中の絶叫!」の監督を務めて、ナミダを無理やりヌードにしている。『西部の用心棒マカロニちゃん』からの流用キャラクターだが、名前は同じでも容姿はかなり異なり、オリジナル版の方は本作ほどには露出度は高くない。
ねんねこ先生(子森先生)
第3部の国語教師。学園には子守に来ていて授業はしない。教師をする前は相撲取りだった。子供を乱暴に扱ってすぐに死なせるので、子作りに帰宅し、授業は自習になる。
インフル先生
第3部の教師。ハレンチ学園では唯一正常な教師だが、いつもインフルエンザでマスクをしていて、声が殆ど聞こえない。しかも教卓の陰に隠れてしまうほど小柄なので、生徒に存在を気づかれない。おかげで授業は生徒が勝手に自習にしてしまう。
宮本美蔵
第3部の女教師。美貌の二刀流使い。第3部後半から最終回にかけてのラスボス。ナミダちゃんの服を斬る。秘剣「二刀返し(二刀流の燕返し)」の技を持つが、燕を切れたためしがない。兄を倒された復讐のため、十兵衛に果し状を送りつけ、がんりゅう島で対決した。十兵衛に全裸にされて発狂、学園の生徒や先生全員を切りまくって、裸ないしは真っ二つにした。
オッピャイ先生(宮本先生)
第3部の教師。美蔵の実兄。ピンクの長靴と手袋のみで乳丸出し全裸女のようなスタイル。股間も作り物乳房で男性器を隠している。マスクを取ってもおっぱいのような頭をしていて、作者から「たいして変わらんなー」と突っ込まれる。第3最終回で、発狂した妹・美蔵に上下真っ二つに切られるが、生きている模様。
ナンジャモンジャ先生(土方先生)
第3部の体育教師。徹底的に体を鍛えているため、一年中裸体でも平気。股間には地下足袋を引っ掛けている。「~ナンジャー!」が口癖。初登場回でプールで氷漬けになるも復活、氷怪人となり女子生徒たちを襲った。教師の身でありながら、ナミダちゃんに惚れていることが、「カビゴジラ」事件で発覚した。真っ二つに斬られても根性で死なない。第3部最終回では美蔵に四つに切られても「四分の一がナンジャー!!」と叫んでいた。
ホッテン先生
第3部の教師。ホッテントット族がモデルの黒人。
ハレンチン・シュタイン
女子生徒集め(拉致)のために教師たちがチカンの死体をツギハギして作った人造人間。頭に二本の腕があり、キンタマは五つ、ナニは三本ある。手縫いで、ミシンを使わなかったため、糸のほころびが弱点。
ナミダちゃん(波多七美)
第3部の新ヒロイン。ふわふわの金髪で外国人のような外見が特徴。傷つきやすく、すぐに涙を流す。第3部を通して、宿題を忘れて山岸から逆さ吊りに尻叩きのお仕置きを受けたり、氷怪人ナンジャモンジャに胸をしもやけにされたり、カビゴジラに裸にされてカビだらけにされたり、山岸にモヤシ(あそこの毛)を引きちぎられたり、美蔵に水着を斬られ裸にされたりと、散々な目に遭うが、一応、正気は保っていた。しかし、連載終了後の読み切り『ハレンチ学園祭』の巻で、ヒゲゴジラたち教師にむりやりポルノ映画のヒロインにさせられて脱がされたあげく、教師たちをとっちめに行ったはずの山岸が寝返って、映画の宣伝のためにオールヌードにさせられ、公衆の面前で股間を開脚、そのショックのあまり発狂した。『あばしり一家』にゲスト出演したときには山岸の彼女役で山岸と裸で風呂に入って抱き合って、山岸に乳首を触られて喜んでいた。
女神ちゃん(女神サオリ)
第3部「ヒゲゴジラ伝」のヒロイン。ヒゲゴジラと丸ゴシの中学時代の同級生で読書家。その清純な容姿ゆえに二人から思いを寄せられるが、全く相手にする気配もなかった。気が付かぬうちにヒゲゴジラによって裸にされたことを恨みに思って陰湿な復讐を企み、痴漢の冤罪で彼を少年院送りにした。
葉土らん奈
陸上けんか部部長。ツインテールで男勝りの美少女。剣道部とのケンカの助っ人を山岸たちに依頼するも負けてしまい、剣道部に、はいていたパンツを取られてしまう。
ニキビ(思井)、レンズ(天眼)
第3部での山岸の子分たち。第1部で死んだイキドマリの代わりとして出したが、「激マン!」ではキャラとして物足りず「ノって描けなかった」と語っている。
ニキビは長身で顔中がニキビだらけ、山岸と剣道部の助っ人に参上したが、スパゲッティ・ジェーンのヌードに目がくらんで気絶、全く役に立たなかった。
レンズは逆に超小柄で、瓶底メガネをかけている。東北出身らしい訛りがある。基本的に勉強好きだがハレンチ学園では全く授業が成り立っていないことに気づかず、学業は万全だと思い込んでいる。

その他

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校長
第1部後半の校長。つるっばげで素っ裸、白髭でヨダレをたらしており、完全に狂っている。松島精神病院(東京都立松沢病院がモデル)に入院していて、登場はあまりしなかったが、もともとはまともな人物。精神病を完治し復帰した時、運悪くハレンチ大戦争が起こっており、あまりの状況に狂い、再度、精神病院に送られた。第1部の読み切り第1話「授業参観日の巻」に登場した校長とはキャラクターデザインが異なる別人(こちらの人物は「教頭」表記で再登場する)がいる。

TVドラマ

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パチンコ台

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1999年に三星(現:サンセイR&D)からリリース。

小説

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コバルト文庫より全3巻。1983年~1984年発行。表紙イラストや挿絵は永井豪が描き下ろしている。

映画

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  • 青春喜劇 ハレンチ学園(1970年・日活
  • ハレンチ学園 身体検査の巻(1970年・ダイニチ映配
  • ハレンチ学園 タックルキッスの巻(1970年・ダイニチ映配)
  • 新・ハレンチ学園(1971年・ダイニチ映配)
ハレンチ学園 ハレンチ学園
身体検査の巻
ハレンチ学園
タックルキスの巻
新・ハレンチ学園
公開日 1970年5月2日 1970年8月1日 1970年9月12日 1971年1月3日
企画 園田実彦 園田実彦
時枝国文
監督 丹野雄二 林功
監修 阿部進
脚本 山崎巌
鴨井達比古
鴨井達比古 山崎巌
鴨井達比古
原作 永井豪
撮影 高村倉太郎 萩原憲治 山崎善弘 上田宗男
音楽 山本直純 鏑木創
製作 日東プロ=ピロ企画 日活
配給 日活 ダイニチ映配
上映時間 82分 85分 83分 82分
役名 キャスト
マカロニ(馬加呂仁) 宍戸錠 -
ゲバゲバ - 宍戸錠
ヒゲゴジラ(吉永百合夫) 藤村俊二 高松しげお 牧伸二 高松しげお
甚兵衛 左卜全 -
アルフアタ甚兵衛 - 左卜全
丸越(荒木又五郎) 小松方正 近藤宏 世志凡太 -
パラソル(丸傘丸男) 由利徹 林家こん平 平凡太郎 -
いきどまり(袋小路太郎) 大谷淳
フーセン(風間二郎) 渡辺史郎 アタック・一郎
十兵衛(柳生みつ子) 児島美ゆき -
二代目柳生十兵衛 - 渡辺やよい
柳生宗成 なべおさみ 小笠原章二郎 河上喜史朗 -
柳生勝子 ミッキー安川 榎木兵衛 -
柳生只則 十朱久雄 なべおさみ 大泉滉 -
柳生弥生 武智豊子 -
オヤビン(山岸八十八) 雷門ケン坊 小宅まさひろ 千葉裕
山岸大八 石井均 正司玲児 -
山岸ハナ 小桜京子 正司敏江 福田トヨ
山岸マミ - 池田ひろ子 中島真智子
あゆ子(佐藤あゆ子[17] 星野みどり -
あけみ(田中あけみ) 倉園朱美 -
ひろ子(西野ひろ子) 増田ひろ子 -
校長 上田吉二郎 - 雪丘恵介
西尾みどり うつみみどり -
警官 小松政夫 -
木戸 大泉滉 -
白坂 - 藤村有弘 -
依田圭子 - 伊藤るり子 -
シスター・アントワーヌ - 真理アンヌ -
シスター・エミリー - 宮川和子 -
月亭可朝 - 月亭可朝 -
虎子 - 鳳啓助 -
京太 - 京唄子 -
母親 - 宮地晴子 -
とも子 - 中川みなみ -
酷税庁の役人 - 新山ノリロー -
- 新山トリロー -
みどり - 宮野リエ -
蝶ネクタイの男 - 南州太郎 -
春菊 - 大泉滉
サンタクロース - 常田富士男
シルクハット - E・H・エリック
料理人・敏江 - 正司敏江
料理人・玲児 - 正司玲児
コータロー - 海野かつを
初子 - 増田ひろ子
良子 - 秋とも子
郵便配達 - 玉井謙介
ゲバ子 - 森みどり
友子 - 原田千枝子
泥棒 - 桂三枝
教育大臣 - 三遊亭円楽
カバゴン - 阿部進

製作

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当時の週刊誌による作品紹介では、「話題となった永井豪のマンガ映画化。大人と子供、先生と生徒の"断絶"をカリカチュアライズした喜劇。日本テレビ"ロンパールーム"の"先生"だったうつみ・みどりがハレンチ学園の"先生"として主演」(原文まま)と書かれている[18]

初代十兵衛・児島みゆきが「まくられるのはもうイヤ!」と駄々をこね降板したため[19]、二代目十兵衛には、同じ東映児童演劇研修所で、児島とも仲が良かった渡辺やよいが抜擢された[19]。渡辺は監督に「なんならパンティも脱ぎましょうか?」などと進言する度胸の良さであったが[19]、本作出演により、高校を退学処分になった[19]

『ハレンチ学園 身体検査の巻』で使用されたモラル・マイナス・ワンの『ハレンチ学園・身体検査』は要注意歌謡曲指定制度において放送禁止となるAランク指定を制度が失効する1988年まで受け続けた[20][21]

OVA

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1996年、OVA(アダルトアニメ)『平成ハレンチ学園』がVHSで発売。後にDVDで再販。ビデ倫により成人指定を受けているため18歳未満は視聴不可。

キャスト

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スタッフ

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  • 原作:永井豪
  • 総合プロデューサー:乱交太郎
  • プロデューサー:大宮三郎、山崎良彦
  • 脚本:寺田憲史
  • 絵コンテ:野間吐晶
  • 演出:小林浩一
  • キャラクターデザイン:大野君代
  • 作画監督:浜須田星子
  • 原画:佐々木様、邪美兎、都波九郎、織楠青浪、越地英夫、千葉麻厘、花輪弘昌、鈴木一男
  • 動画チェック:大栄たか子
  • 動画:大川明日香、大矢荼降太、谷口刀主、瀬賀佐多子、夜野尾和
  • 色指定:久保田明美
  • 特殊効果:菅原利香
  • 仕上:李容姫
  • 検査:船田圭一
  • 美術監督:山口昌恭
  • 背景:斉藤信二、坂本和美、石塚弘美、和田道江
  • 撮影監督:斎藤秋男
  • 撮影:松澤浩之、小林愼吾、喜多敏雄、和泉俊之
  • 音楽:BANG HEADS
  • 主題歌「OK!!ハレンチ学園」
    • 作詞:伴春作
    • 作曲:BANG HEADS
    • 歌:卯輪茶
  • 音響監督:高桑一
  • 音響プロデューサー:飯塚康一
  • 音響効果:高木良行(スワラプロ
  • 録音調整:蝦名恭範
  • 録音スタジオ:KSSスタジオ
  • ポジ編集:尾形治敏、伊藤勇喜子
  • ネガ編集:中溝哲生
  • VTR編集:西船長太郎
  • 現像:イマジカ
  • 宣伝担当:桜井久
  • デザインワークス:RYO
  • タイトル:マキ・プロ
  • 制作担当:鈴木直仁
  • 制作デスク:赤堀由佳
  • 制作進行:岩村健一
  • 協力:スタジオボギー、アテネアートスタジオ、A・クリエイション、星山企画
  • アニメーション制作:ワイズガイ
  • 監督:野間吐晶
  • 製作:ピンクパイナップル

映像ソフト

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映画
  • ハレンチ学園(DVD)(2008年3月14日、日活 DVN-177)
  • ハレンチ学園 身体検査の巻(DVD)(2008年3月14日、日活 DVN-178)
  • ハレンチ学園 タックル・キッスの巻(DVD)(2008年3月14日、日活 DVN-179)
  • 新ハレンチ学園(DVD)(2008年3月14日、日活 DVN-180)
  • ハレンチ学園・ズビズバDVD-BOX(4枚組)(2008年3月14日、日活 DVN-1025)
    • 上記4作をセットにしたDVD-BOX
テレビドラマ
  • ハレンチ学園 DVD-BOX大作戦(実写版)(7枚組)(2003年3月21日、発売:ハピネット・ピクチャーズ/販売:テレビ東京メディアネット BIBJ-9063)
  • 昭和の名作ライブラリー第32集 ハレンチ学園 コレクターズDVD <デジタルリマスター版>(3枚組) (2018年6月29日、発売:株式会社ベストフィールド)[1]
オリジナルビデオ
OVA
  • 平成ハレンチ学園(VHS)(1996年3月1日、ピンクパイナップル JSVA-52849)
    • (DVD)(2007年2月23日、ピンクパイナップル JDXA-56019)

脚注

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  1. ^ 漫画家、永井豪さんと教育界が歴史的和解 「ハレンチ学園」騒動から半世紀
  2. ^ a b 竹内オサム『戦後マンガ50年史』筑摩書房、1995年、p.99。
  3. ^ 竹内オサム「マンガの差別・発禁・規制の事件史」『誌外戦』コミック表現の自由を守る会編、創出版、1993年、p.122。
  4. ^ a b 中村紀、大久保太郎「漫画の事件簿 漫画と社会、激闘の歴史50年」『まんが秘宝 つっぱりアナーキー王』洋泉社、1997年、pp.194-196。
  5. ^ 竹内オサム『戦後マンガ50年史』筑摩書房、1995年、p.132。
  6. ^ a b 西村繁男『さらばわが青春の『少年ジャンプ』飛鳥新社、1994年、p.155
  7. ^ a b 西村繁男「IV ヒット作の舞台裏 (1)一九六八年〜一九七〇年 模索と試行の創刊」 『まんが編集術』白夜書房、1999年4月25日、ISBN 4-89367-595-8、100頁。
  8. ^ 石子順造『戦後マンガ史ノート』紀伊國屋書店、1980年、p.154
  9. ^ 『永井豪クロニクル』ゼスト、1998年、p.56。
  10. ^ a b 永井豪『漫画家』実業之日本社、1992年、p.149-150。
  11. ^ 『激マン!』デビルマン編第12話(単行本第2巻収録)
  12. ^ 飯間浩明、山本大樹: “「斜め上」は冨樫義博の『レベルE』が語源⁉ 辞書に載ったマンガ生まれの言葉たち | 集英社オンライン | 毎日が、あたらしい”. shueisha.online (2022年8月5日). 2023年5月14日閲覧。
  13. ^ 『いきなり最終回 PART2』(JICC出版局ISBN 4-7966-0134-1)インタビューより。
  14. ^ 野村宏平、冬門稔弐「5月9日」『ゴジラ365日』洋泉社映画秘宝COLLECTION〉、2016年11月23日、128頁。ISBN 978-4-8003-1074-3 
  15. ^ 「ハレンチ学園 VOL.1」90頁など(小池書房、2007年。ISBN 978-4-86225175-6
  16. ^ 「ハレンチ学園 VOL.4」313頁など(小池書房、2007年。ISBN 978-4-86225183-1
  17. ^ 1作目の役名は「佐東アユ子」
  18. ^ 「〔タウン 映画 邦画〕」『週刊新潮』1970年5月9日号、新潮社、12頁。 
  19. ^ a b c d 藤原いさむ「オールタレント・ドッキリ記録集 芸能界なんでもベスト5&ワースト5」『週刊平凡』1971年1月14日号、平凡出版、43頁。 
  20. ^ 吉野健三『歌謡曲 流行らせのメカニズム』晩聲社 (ヤゲンブラ選書) 、1978年、244頁。同書113頁に1978年9月5日時点のものと記載。
  21. ^ 森達也『放送禁止歌』光文社知恵の森文庫、2003年 pp.71 ISBN 9784334782252

参考文献

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  • 永井豪、2010、『激マン!』1、日本文芸社 - 永井豪の自伝漫画。1 - 6巻は、主にデビルマンの製作について収録。40年前の事象について記述しているため、記憶に自信が持てない部分があることから、「事実を元にしたフィクション」または「ノンフィクションにきわめて近いフィクション」としている。