ちょこっとバス
ちょこっとバスは、滋賀県東近江市で運行されているコミュニティバスの愛称。近江鉄道バスと永源寺タクシーが受託している。ここではちょこっとタクシーについても解説する。
概要
[編集]東近江市内を運行するコミュニティバスの愛称であり、旧市町のバス事業を引き継いでそれを統合・再編したバス路線を「ちょこっとバス」、タクシー路線を「ちょこっとタクシー」と呼ぶ。2009年(平成21年)にバス車内で廃食油の回収活動を開始したが、これは滋賀県内初の試みであった(※同活動は現在も継続中[1])。
歴史
[編集]年表
[編集]- 2004年(平成16年) - 旧八日市市のコミュニティバスとして運行を開始。
- 2005年(平成17年)2月11日 - 市町村合併により東近江市が発足したが、旧市町のバス事業(後述)はほぼそのまま引き継がれた。
- 2007年(平成19年)
- 2009年(平成21年)9月1日 - 「菜の花プロジェクト」の一環として、バス車内で廃食油の回収活動を開始(滋賀県内初の試み)。
- 2012年(平成24年)4月 - 正式運行に移行。
- 2021年(令和3年)3月27日 - ちょこっとバスの路線に対し、交通系ICカード全国相互利用サービスを導入[4][5]。
- 2022年(令和4年)4月1日 - 市街地循環線の運行を開始[6]。
旧市町のバス事業
[編集]2007年に「ちょこっとバス」へ統合する前に運行していた路線の情報は下記の通り。なお、カッコ内は当時の路線本数である。
- 八日市市 - ちょこっとバス(4路線)[2]
- 湖東町 - 湖東線(2路線)とプラチナバス(福祉バス:3路線)[7]
- 愛東町 - 愛東循環線(2路線)[7]
- 五個荘町 - 五個荘町循環バス(3路線)[7]
- 永源寺町 - 永源寺町営バス(3路線)[7]
運賃制度
[編集]「ちょこっとバス」・「ちょこっとタクシー」ともに共通。なお、ちょこっとバスではICOCAなどの交通系ICカードを使用することができる(先述)[5]。
- 運賃
- 大人200円、小人(小学生)100円。
- 回数券
- 一般2,500円(200円券 15枚綴り)
- 学生2,000円(200円券 15枚綴り)
- 子供1,000円(100円券 15枚綴り)
- ※バス・タクシー車内・近江トラベル八日市支店・各地区まちづくり協議会などで販売。
- 1日乗車券
- 大人500円、小人(小学生)250円。
- ※障がい者は半額。バス・タクシー車内・近江トラベル八日市支店・各地区まちづくり協議会などで販売。
- 定期券
- 「1か月用」・「3か月用」・「6か月用」の3種を扱う。こちらも、「一般」・「学生」・「子供」で区分する。
- ※近江トラベル八日市支店・各地区まちづくり協議会(湖東を除く)などで販売。
- 乗継制度(乗継割引)
下記の各停留所で乗り継ぎを行う場合は、降車の際にその旨を乗務員に告げると乗り継ぎ整理券(※乗り継ぎ先で使用することができる割引乗車券)が発行される。しかし、「乗り継ぎ整理券」を発行した路線で使用することはできない。
- 八日市駅
- 東近江総合医療センター
- ハートピア
- 永源寺支所
- 永源寺図書館
- 愛東支所・診療所
- 湖東支所
- 槌の宮・平和堂
- 小田苅
- 小田苅中央
- 下岸本
路線
[編集]「バス路線」と「タクシー路線」に分けて解説する。なお、お盆(8月13日 - 8月16日)と年末(12月29日 - 12月31日)は土曜・日曜・祝日ダイヤで運行し、正月三が日は全路線の全便が運休する[5]。
バス路線
[編集]下記の各路線を運行するが、カッコで記載した停留所を経由しない便がある。なお、各路線ごとの運行本数に関する案内は省略する。
八日市駅発着
[編集]市原線
[編集]- 八日市駅 - 八日市高校 - 市役所 - (川合寺 - )駒寺 - 中小路 - (東近江総合医療センター - )豊道 - 大森 - 瓜生津 - 新出口 - 新出 - 市原小学校前 - 高木 - 上二俣 - (池之脇 - 永源寺図書館 - )永源寺支所
- 1系統:「中小路」という停留所は御園線(近江鉄道バス)と同名であるが、位置は異なる。
愛東線
[編集]- 八日市駅 → 八日市高校 → 市役所 → 関電前 → 野村 → 御河辺神社前 → 小神田 → 上岸本 → 妹 → 妹北口 → マーガレットステーション → 愛東支所・診療所 → 上中野 → 読合堂 → 近江温泉病院 → 百済寺町 → 百済寺本坊前 → 愛東北小前 → 上中野 → (往路と同じ) → 八日市駅
- 八日市駅 → 八日市高校 → 市役所 → 関電前 → 野村 → 御河辺神社前 → 小神田北 → 下岸本 → 梅林 → 大萩 → 池之尻 → マーガレットステーション → 愛東支所・診療所 → 上中野 → 愛東北小前 → 大覚寺 → 愛東外町 → 小倉 → 妹北口 → 愛東支所・診療所 → (往路と同じ) → 八日市駅
- 八日市駅 - 八日市高校( ← 西友前 ← 東本町・敬愛病院前 ← 八日市営業所前) - 市役所 - (関電前 → )野村 - 御河辺神社前 - 上岸本 - (妹 - )(梅林 → 大萩 → 池之尻 → 上中野 → )( ← 妹北口)(マーガレットステーション - )愛東支所・診療所
- 2系統:近江温泉病院経由は「北回り循環」、大覚寺・妹北口(または妹北口・大覚寺)経由は「南回り循環」と呼ばれる[注 2]。なお、愛東支所・診療所を発着する路線には愛称は制定されていない。
湖東線
[編集]- 八日市駅 → 八日市高校 → 市役所 → 堺 → 南町 → 北町 → 滋賀学園・河辺の森前 → すこやかの杜口 → 小田苅 → 下岸本 → 診療所前 → 湖東支所 → 探検の殿堂・味咲館 → 湖東ひばり幼稚園前 → 今在家口 → 湖東記念病院 → 僧坊 → 中里 → ひばり公園 → 湖東支所 → (往路と同じ) → 八日市駅
- 3系統:湖東町へ向かう路線である。なお、この路線は循環系統として運行するが、その路線は「右回り」しか設定されていない。
沖野玉緒線
[編集]- 八日市駅 - 八日市高校 - 西友前 - 東本町・敬愛病院前 - 八日市営業所前 - 東沖野一丁目 - 沖野 - 聖徳 - ハートピア - 芝原 - 下二俣 - 玉緒駐在所 - 新大森団地 - 宝積 - 東近江総合医療センター
- 4系統:沖野通り(市道)と滋賀県道170号高木八日市線を経由する。「沖野」停留所は御園線(近江鉄道バス)と同名であるが、位置は異なる。
南部御園線
[編集]- 八日市駅 - 八日市高校 - 市役所 - 関電前 - 大凧会館前 - 敬愛病院 - 八日市営業所前 - 八日市南高校 - 生長の家前 - 葵町 - 玉園中学校前 - 妙法寺・中村医院前 - 東近江総合医療センター - わかたけ公園 - 岡田 - 今代 - 如来東 - 瓜生津 - 土器
- 5系統:[東近江総合医療センター - 如来東]間は滋賀県道328号五個荘八日市線回りで運行するが、区間内に御園線(近江鉄道バス)と同名の停留所が2つ混在する[注 3]。
市街地循環線
[編集]- 八日市駅 - 八日市北小前 - 南眼科医院前 - つちだ内科医院前 - 市役所 - 西友前 - 東本町・敬愛病院前 - 八日市営業所前 - 東沖野一丁目 - 生長の家前 - ひばり丘団地 - マックスバリュ東近江店 - 図書館・江州音頭会館前 - 八日市駅
- 6系統:[→]は右回り、[←]は左回り(※この路線は「右回り」と「左回り」が交互に運行される[8])。
市辺上平木線
[編集]- 八日市駅 ← 図書館・江州音頭前 ← 文芸会館・青葉メディカル前 ← ハートピア ← 今堀 ← 蛇溝 ←市辺 ← 野口 ← あかね幼児園 ← 三津屋 ← 平田駅前 ← 柏木 ← 平田コミュニティセンター ← 野端 ← 下羽田 ← 上平木 ← 鳴谷
- 系統番号なし:朝1便のみ運行。ただし、土曜・日曜・祝日は運休。
永源寺支所発着
[編集]「市原線」は八日市駅発着を参照。
政所線
[編集]- 永源寺支所 - (診療所前 - 山上 - 山上小学校前 - 紅葉橋北 - 永源寺駐在所 - 永源寺前 - )永源寺車庫 - 相谷 - 永源寺ダム - 萱尾 - 如来堂 - 蓼畑 - 奥永源寺渓流の里 - 杠葉尾 - 黄和田 - 政所 - 君ヶ畑
- 系統番号なし:永源寺地区の北部をゆく路線。夕方以降の一部便はデマンド運行。
甲津畑線
[編集]- 永源寺支所 - 診療所前 - 山上小学校前 - 山上東口 - 山上 - 山上新田口 - 山上新田 - 永源寺図書館 - 和南 - 和南新田 - 甲津畑口 - 甲津畑
能登川病院発着
[編集]大中線(バス)
[編集]- 能登川病院 - 能登川駅東口 - 能登川駅西口( ← 水谷整形外科1) - (水谷整形外科2 → )能登川支所 - 能登川グラウンド前 - 図書館・能登川アリーナ前 - (山路 - 伊庭 - 伊庭西 - )山路西 - 乙女浜 - 福堂東 - 福堂 - 能登川北小前 - 宮前 - 栗見出在家 - 栗見新田 - 大中
- ※バスは平日のみ運行(予約不要)[10]。土曜・日曜・祝日はデマンドタクシー(要予約。詳細は後述)に変更[10]。大中始発で運行する便のうち、朝の1便は「山路」・「伊庭」・「伊庭西」の各停留所を通過する。
タクシー路線
[編集]東近江市では予約制乗合タクシーとして「ちょこっとタクシー」も運行している。なお、タクシー路線の運行は近江タクシーと永源寺タクシー(甲津畑線)と滋賀第一交通(旧滋賀京阪タクシー)の3社が受託する。
ここでは、「路線運行」と「エリア運行」に分類して解説する。なお、各路線ごとの運行本数に関する案内は省略する。
路線運行
[編集]バス路線と同様に停留所間をなぞって運行する。
平田線
[編集]- 八日市駅 - ハピネス前 - ハートピア - 今堀 - 布引台 - 長谷野 - 東近江市総合運動公園 - 大学前 - 六ッ木( ← 八日市西小前) - 羽田南 - 羽田西 - ( ← 平田コミュニティセンター) - 中羽田 - 上羽田平石
- ※上羽田平石発は「八日市西小前」(朝1便のみ)または「平田コミュニティセンター」(それ以外の全便)を経由する。なお、八日市駅発はこの両停留所を通過する。
市辺線
[編集]- 八日市駅 - ハピネス前 - ハートピア - 蛇溝 - 東市辺 - 市辺 - 市辺コミュニティセンター - 糠塚 - 野口町自治会館 - 野口 - あかね幼児園 - 三津屋 - 平田コミュニティセンター - 野端 - 下羽田 - 上平木 - 鳴谷
- ※市辺上平木線(バス)の補完路線として運行される。
大中線(タクシー)
[編集]- 能登川病院 - 能登川駅東口 - 能登川駅西口( ← 水谷整形外科1) - (水谷整形外科2 → )能登川支所 - 能登川グラウンド前 - 図書館・能登川アリーナ前 - 山路 - 伊庭 - 伊庭西 - 山路西 - 乙女浜 - 福堂東 - 福堂 - 能登川北小前 - 宮前 - 栗見出在家 - 栗見新田 - 大中
ドリーム城東線
[編集]- ドリームハイツ集会所 - 今団地 - 金岡医院前 - 能登川プール - 能登川駅東口 - 能登川病院 - 能登川駅西口( ← 水谷整形外科1) - (水谷整形外科2 → )能登川支所 - (図書館・能登川アリーナ前 - )山路 - 猪子 - 伊庭 - 城東東
- ※朝の2往復は「能登川グラウンド前」と「図書館・能登川アリーナ前」を通過する。
神郷線
[編集]- 神郷 - 佐生 - 神郷団地 -
新種 () - 金岡医院前 - 能登川病院 - 能登川駅東口 - 能登川病院 - 能登川駅西口( ← 水谷整形外科1) - (水谷整形外科2 → )能登川支所 - (図書館・能登川アリーナ前 - ) - 猪子 - 愛宕神社
- ※朝の2往復は「能登川グラウンド前」と「図書館・能登川アリーナ前」を通過する。
新宮須田線
[編集]- やわらぎの郷公園 - 安楽寺 - 能登川病院 - 能登川駅東口 - 能登川病院 - 能登川駅西口( ← 水谷整形外科1) - (水谷整形外科2 → )能登川支所 - (図書館・能登川アリーナ前 - ) - 躰光寺 -
尾芼台 () - 川南 - 新宮西
- ※朝の2往復は「能登川グラウンド前」と「図書館・能登川アリーナ前」を通過する。
エリア運行
[編集]予約があったバス停間を最短距離で運行するが、予約が重なった場合は近いほうの停留所を先に経由する。なお、下記の経路は運行例として記載した。
小脇・建部エリア
[編集]愛東・湖東エリア
[編集]五個荘エリア
[編集]蒲生エリア
[編集]主な取り組み
[編集]菜の花プロジェクト
[編集]- 東近江市では廃食油を精製してバイオディーゼル燃料に再生する「菜の花プロジェクト」を推進しており、ちょこっとバスの一部でも軽油にバイオディーゼル燃料を混合して運行する[2]。
利用促進策
[編集]- ちょこっとバスのオリジナルチョロQの発売や、ブログの開設、バス車内に市民の絵画・俳句作品などを展示する「ちょこっとバス美術館」、マスコットキャラクター「ポンチョくん」[15]のお面やペーパークラフトの無料配布、テーマソング「虹色の町をかけぬけよう」(作詞・作曲:安堂ヒロヤ)とそれに合わせた「ちょこっとダンス」[16]の製作などが行われた[2]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 未就学児が無料となるのは同伴者1人につき、未就学児2人まで(※3人目から小児運賃が必要)。
- ^ [池之尻 → 愛東支所・診療所前 → 妹北口 → 愛東支所・診療所前]間の先回り経路は午前・午後で異なる。なお、記載した経路は「午前の運行経路」である(※午後は「妹北口」先回り、「大覚寺」後回り)。
- ^ 「林田」と「如来」の各停留所が該当する(※かつては「岡田」もその対象だったが、近江鉄道バスの停留所名が「岡田ノエビア前」に改称されたため、この対象から外れた)。
- ^ (「永源寺案山子ワールド」と呼ばれる)
- ^ ※「太郎坊宮」(太郎坊阿賀神社)のこと。
- ^ ※「東近江総合医療センター」はエリア外となるが、この停留所との行き来は特例が適用されるため、乗車することができる(※愛東・湖東エリアのみ)。
出典
[編集]- ^ “廃食油の回収について”. 東近江市 (2019年4月1日). 2023年1月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月10日閲覧。
- ^ a b c d “「ちょこっとバス」が東近江市を元気にする!” (PDF). 国土交通省. 2023年6月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月10日閲覧。
- ^ 「予約制乗合タクシー「ちょこっと号」運行」『滋賀報知新聞』2009年6月5日。オリジナルの2018年5月9日時点におけるアーカイブ。2023年10月10日閲覧。
- ^ “ちょこっとバス・近江鉄道路線バスでICOCAの利用開始!!”. 東近江市. 2022年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月10日閲覧。
- ^ a b c “ちょこっとバス・ちょこっとタクシーをご利用下さい(運賃ほか)” (PDF). 東近江市. 2023年3月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月10日閲覧。 “(※利用案内に関する情報)”
- ^ “【2022年4月1日から】ちょこっとバス・タクシーのダイヤ改正を行います”. 東近江市. 2023年1月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月10日閲覧。
- ^ a b c d 中村功一(八日市市・永源寺町・五個荘町・ 愛東町・湖東町合併協議会会長): “協議第27号 交通政策事業について” (PDF). 東近江市 (2003年). 2023年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月10日閲覧。
- ^ “ちょこっとバス 市街地循環線” (PDF). 東近江市. 2023年3月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月10日閲覧。
- ^ “喜ぶ笑顔が見たいから リアルでユーモラスなかかしが大人気”. 素敵な人. 滋賀ガイド (2015年11月12日). 2022年9月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月10日閲覧。
- ^ a b c d “ちょこっとバス・タクシー 大中線時刻表” (PDF). 東近江市. 2023年3月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月10日閲覧。
- ^ “ちょこっとタクシー 小脇・建部エリア” (PDF). 東近江市. 2022年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月10日閲覧。
- ^ “ちょこっとタクシー 愛東・湖東エリア” (PDF). 東近江市. 2023年3月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月10日閲覧。
- ^ “ちょこっとタクシー 五個荘エリア” (PDF). 東近江市. 2022年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月10日閲覧。
- ^ “ちょこっとタクシー 蒲生エリア” (PDF). 東近江市. 2022年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月10日閲覧。
- ^ “ポンチョくんを紹介します”. ちょこっとバス日記 (2007年12月27日). 2008年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月10日閲覧。
- ^ “ちょこっとダンスが出来ました!”. ちょこっとバス日記. 2011年6月28日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- ちょこっとバス・ちょこっとタクシー - 東近江市
- ちょこっとバス日記 - 滋賀咲くブログ