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マスタケ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マスタケ
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
: ハラタケ綱 Agaricomycetes
: タマチョレイタケ目 Polyporales
: ツガサルノコシカケ科 Fomitopsidaceae
: アイカワタケ属 Laetiporus
: マスタケ L. sulphureus
学名
Laetiporus sulphureus (Bull.) Murrill (1920)
和名
鱒茸

マスタケ(鱒茸[1]学名: Laetiporus sulphureus)は、ツガサルノコシカケ科アイカワタケ属食用キノコ。傘の色が、魚のの肉の色に似ていることから、鱒茸(ますたけ)と呼ばれる[2][3]。地方により、アカキノコ(栃木県・福島県)、アカボウ(青森県)の地方名で呼ばれている[1]

形態

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子実体は非常に大型で、傘は径20 - 50センチメートル (cm) にもなり、半円形、扇形、イチョウ形などさまざまな形に例えられる[3]。傘の表面色は鱒の身にも例えられる鮮やかなオレンジ色で、やがて生長すると退色して全体が白っぽくなる[3][1]。はじめ木に近い部分がオレンジ色で、縁に近い部分が淡い肌色をしている[1]。ふつう淡い環紋状の濃淡がある[1]。傘下面は管孔状で、はじめはクリーム色、のちに傘表面より淡色の淡紅色を帯びる[1][2]。肉は若いうちは柔らかいが、次第に堅くなってきて、のちにもろく砕けやすくなる[3][1]

分布・生態

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東アジア、および西日本に分布する[2]。木材腐朽菌[3]。夏から秋にかけて、ミズナラなどの広葉樹、カラマツツガなどの針葉樹の生木、倒木、枯れ木の古木、切り株などに、単生または重生する[3][1]。多数の傘が重なり合い、根元はたいてい融合する[1]

分類

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かつて、マスタケは東日本ではモミなどの針葉樹に、西日本ではシイカシといった広葉樹に生えるサルノコシカケに類するキノコと考えられており、東日本と西日本では味が異なることが、よく知られていた[2]

この針葉樹型マスタケと広葉樹型マスタケとの遺伝子などを詳細に分析した結果、針葉樹型と広葉樹型とは種が異なると結論づけられ、広葉樹型をマスタケ、針葉樹型をミヤママスタケ英語版(深山鱒茸、学名:Laetiporus montanus)とに分けられた[2]

なお、ミヤママスタケの外観は、傘の表面がオレンジ色は同じだが、下面は黄色となる[2]

食用・毒性

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食用になるキノコで、一部の地域では幼菌を食用としてきた[1]。子実体を触ってみて耳たぶくらいの弾力があり柔らかい、色鮮やかな若い子実体を採取する[3]。適当な大きさに切って、天ぷらフライにすると鶏肉のささみのような食感になる[3]。ほかにすき焼きバター炒め野菜炒めなどにして食す[3]。火が通りにくいキノコで、生食すると中毒を起こすことがあるため十分に火を通す[3]

欧米ではこのキノコの仲間を有毒として扱っており、日本のものも生食に近い食べ方をすると中毒を起こすことがある[1]。ただし、毒成分については不明とされる[1]。生食したときに現れる中毒症状は、下痢嘔吐、腹痛、めまい頻脈、方向感覚の麻痺などを引き起こすことが知られている[1]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 長沢栄史 監修 Gakken 編『日本の毒きのこ』学習研究社〈増補改訂フィールドベスト図鑑 13〉、2009年9月28日、218頁。ISBN 978-4-05-404263-6 
  2. ^ a b c d e f 大作晃一、吹春俊光、吹春公子「「マスタケ」の味の違いは、種の違いにあった」『おいしいきのこ毒きのこハンディ図鑑』主婦の友社、2016年、231頁。ISBN 978-4074168415 
  3. ^ a b c d e f g h i j 瀬畑雄三 監修、家の光協会 編『名人が教える きのこの採り方・食べ方』家の光協会、2006年9月1日、132-133頁。ISBN 4-259-56162-6 

外部リンク

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