クーポン共同購入サービス「KAUPON」がリニューアルした。KAUPONを運営するキラメックス代表取締役社長の村田雅行氏には以前、「スタートアップのピボット」というテーマで取材したが、そこで語られた彼らの決断--共同購入の要であるフラッシュマーケティングへのこだわりを捨てること--が反映されたサービスとなっている。
店舗に営業し、クーポンの管理や販売を行い、その収益を分配するというこれまでのビジネスモデルを一新。サイトについてはロゴも含めて全面リニューアル。ログインにはFacebookアカウントも利用できるようになり、ソーシャルの要素を取り入れたチケット販売のマーケットプレースにその姿を変えた。
新しく生まれ変わったKAUPONでは、店舗は毎月5250円の月額課金と手数料を支払うことで、いつでも自由にクーポンを発行できる。従来同様にフラッシュマーケティング型のクーポンも販売できるが、時間制限のない常時販売が可能。村田氏は「常時販売が今後はメインになってくる」と考えているという。
クーポン販売は、すべてキラメックスが提供する管理画面からコントロールできる。またあわせて、契約店舗に対しては、Facebookページを無料で制作する。これをKAUPON上の店舗ページと連動させることで、Facebook上でのプロモーションも積極的に支援する。サービスの手数料は、決済手数料も含めて売り上げの15%となる。
オープン当初は300店舗ほどの利用が可能。気になる各店舗への送客については「現在のカウポン会員は約14万人。このユーザーを各店舗に効率的に流していく」(村田氏)とのこと。
注目したいのは、ユーザーが購入時に体験するソーシャルの仕掛けだ。Facebookアカウントでログインすると、友人が購入しているチケットが可視化されていたり、その情報をさらに友人にシェアする仕組みが用意されている。
このアイデアの効果は、すでに数字に表れている。村田氏は「2月頃にFacebook Connectを実装し、そこから現在のベースになる部分を4月ぐらいまでに仕上げたが、転換率(購入コンバージョン)が従来に比べて4倍ほどになった」と説明する。
ソーシャル対応の実績に手応えを感じつつ、6月頃から本格的に次期バージョンの開発に着手したという。実は今回リリースされたプラットフォーム的な考え方は、モール型のクーポンストア「KAUPONストア」としてリリースされていたものだ。
KAUPONストアは2010年末の公開。当時も店舗の反応はよかったというが、数々の競合サービスが登場する中で戦略転換を急いだため、「KAUPON側で実施するオペレーション周りの設計がまったくできていなかった」(村田氏)という。今回は運用を十分に考慮し、サービスを設計したそうだ。
自分たちのコンセプトは今も変わらず「インターネットの力を使って、陰に埋もれている良いモノを陽の当たる場所に移す」ことだと語る村田氏。この軸をぶれさせずに実施した方向転換が成功するかどうか、結果がでるのはこれからだ。
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