これまで説明したように、アイドルに魅力と愛着が持ちやすいようにできているため、お気に入りを見つけたならば愛でるような感覚で楽しんでみるのもいいだろう。筆者がシンデレラガールズで気になるアイドルといえば、一時期“ボイスが付いているアイドル”というくくりのなかで赤城みりあだ。みりあは天真らんまんで元気と好奇心に満ちあふれた女の子。おしゃべりが趣味で、とにかくかわいいものが大好きなアイドルだ。頭をなでると喜ぶといった反応もある一方で、最近妹が生まれたことからお姉さんとしての自覚も持ち始めている。
そんなみりあの性格と才能を存分に発揮しているシーンが、ストーリーコミュの第15話で垣間見える。あるアイドルイベントの急な代役として登場し、お目当てのアイドルがいないという荒れ気味な空気を一変。握手会では持ち前のおしゃべり好きが奏功して自分のファンにさせてしまったうえライブも行い、イベントを成功させてしまう。将来の大物ぶりを予感させるエピソードだ。
もっとも、記者の独断と偏見による一押しアイドルといえば龍崎薫だ。薫も天真らんまんな性格で元気いっぱいの女の子。愛媛県出身で趣味は料理。プロデューサーのことを「せんせぇ」と呼んだり、「がんばりまー!」と最後の1文字を省略してあいさつするのが特徴。少し背伸びをしたおませな発言やちゃめっ気のあるところも目立つアイドルだ。
ちなみに薫は、2011年のソーシャルゲーム版シンデレラガールズのサービス開始時から登場しているアイドルだ。元気あふれる性格や人なつっこい雰囲気、屈託のない笑顔で初期段階からのお気に入りだったりもする。その後もお正月には獅子舞を手にしたり、ハンドベルを鳴らしてみたり、桜の花びらを集めてきたり、一日署長を任命されたり、お嬢様の衣装をまとったり、最近では白ビキニで“せくしー”な姿を披露するなど活躍しているものの、お世辞に注目を集めているとは言えない存在でもあった。
ソーシャルゲーム版では初期段階でも多数のアイドルが登場し、その後も次々を増え続け現在ではすでに190人以上。これだけの人数がいれば、人気の差やスポットライトが当たりにくいアイドルが出てくるのも仕方のないこと。実際、これまでゲーム内で人気投票も行われてきたが、上位に顔を出したことはない。どちらかというと年少組でヒロインとして真ん中に立つという立ち位置ではなく、性格としても素直な方でクセも少ないとなると、個性派ぞろいのシンデレラガールズのなかでは目立ちにくいほうなのかもしれない。
ことシンデレラガールズにおいては、当初アイドルにボイスが付いておらず、一部のアイドルから徐々に付けられている。初期段階はCDのリリースにあわせてキャストが付く形となっていたため、ゲーム内でセリフにボイスが付くだけではなく、キャラクターの魅力も掘り下げられていった。そうなるとスポットライトを浴びるようになって存在感も増し、魅力が知られて開花することもある。前述したみりあもそうやって魅力が開花したひとりととらえている。ボイスが付くことが全てと思わないものの、なかなかボイスが付かない状況には寂しさもあり、キャスト陣によるファーストライブを取材したときには、少しうらやましい気持ちを持った本音もあった。
2015年1月から開始されたテレビアニメでもすでに人気のアイドルたちが活躍し、さらに続々と新たにボイスの付いたアイドルが登場したことで話題となった一方で、正直なところ薫が登場することもないだろうと思って見続けていた。しかしながら、8月に突如としてアニメに薫が登場してしゃべり、そのままソーシャルゲーム版にもボイスが実装されたのである。予想にもしていなかったことで、当時アニメ登場したのを見ていて、うれしいという気持ちを通り越して「ええええ?」と驚くしかなく、なかなか理解できなかったのは今でも良く覚えていることだ。ようやく存在感が出せるようになってきたようにも思う。
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