Oracle ADFをサポートしたGUI開発が魅力のJDeveloper
最後に登壇したのは日本オラクルの佐藤直生氏だ。同氏は、オラクルが提供するIDE「JDeveloper」についての紹介を行った。
JDeveloperも、GUIを用いたプログラミングを非常に得意としているIDEだ。佐藤氏は、同じくオラクルが提供しているアプリケーションフレームワーク「ADF (Application Development Framework)」を用いて、リッチなWebアプリケーションをGUIのみで構築するというデモを行った。
まずは、データベースのテーブルをリッチなHTMLテーブルに表示するというもの。以下の画像で下部に表示されているテーブルは、ソートは列の並べ替えを行うことができる。ウィザードによるコード自動生成と、WYSIWYGなエディタのみを使用して、ほんの数分で完成した。
次の画像は、データベース内のデータをグラフ化したものだ。こちらも、コードには一切手を触れていない。
オープンソースを土壌に、それぞれ独自の進化を遂げるJava IDEたち
これらのデモが終わった後の質疑応答で非常に興味深かった質問が、「マイクロソフトのVisual Studioに対する優位性は何か」という質問であった。
この質問に対して講演者達は、Visual Studioは非常に完成度の高いIDEであることを認めながらも、EclipseやNetBeansがオープンソースであることが優位につながると述べた。近代的なIDEは、どれも多かれ少なかれプラグイン・アーキテクチャの構造をとっており、プラグインの作成においては他人のソースやIDE内部のソースを参照できることが非常に重要だ。IDEの発展性を占う上で、この事実が非常に重要なファクターになるとのことである。また竹添氏は、Eclipseはソースコードの編集にかけてはVisual Studioにも劣らず、むしろ勝っているとの見解を示した。
今回のセミナを通して筆者が考えたことは、それぞれのIDEが違った強みを持ちながら、競争状態においてお互いを高め合うという現在のJava IDE市場は健康的である、ということである。だが、開発者としては一つのIDEで全て事足りるのが理想、という思いも否定しがたい。そこでこうしたイベントを通して、それぞれのIDEのコミュニティ間の交流が深まれば、競争だけでなく協調も育まれることになり、Java IDEの底上げにつながる、と感じた。