What's up man?
暑い夏もあっという間に過ぎ去り、肌寒さと共に冬の到来を感じさせる季節がやってきました。ここ数年、この季節になると町のあちこちでオレンジ色のカボチャをくりぬいたお面のようなちょうちんを見かけるようになりました。そう、ハロウィンの季節ですね。
日本でもクリスマスはかなり一般的になってきましたが、一方のハロウィンは、カボチャのちょうちんがおなじみになってきたものの、そもそも何のお祭りかよく知らないという人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、ハロウィンについて少しお話ししたいと思います。
起源はケルト人の収穫祭
ハロウィンは、ケルト人の収穫祭が起源と言われています。ケルト人は紀元前から存在していた民族ですから、大昔の伝統ですね。ケルト人にとって1年の終わりは10月31日で、その日は死者の霊が家族を訪ねて来ると信じられていたそうです。その時に、お盆の迎え火のようなイメージでカボチャをくりぬいたちょうちんに火をともしたのだとか。
ハロウィンの起源については諸説あるので何が本当かはわかりませんが、私は毎年子供たちを集めて「ジャックオーランタン(Jack-o'-Lantern)の伝説」という紙芝居をしています。
「ジャックオーランタンの伝説」は、こんなお話です。
あるところにウィルという性格のひん曲がった鍛冶屋がいました。ウィルはたくさん人をだまして悪いことばかりしていましたが、とうとう死を迎えることになりました。人は死んだ後に聖ペテロという死神に会い、天国へ行くのか地獄へ行くのか決めてもらうことになっています。でも驚いたことにウィルは、何度も聖ペテロをだまして生き返り、悪いことを繰り返したのです。
しかし、何度も生き返ったため、時を経て友達が皆死んでしまい、さすがのウィルも寂しくなってしまいました。そこでウィルは、今度死んだら天国でも地獄でも行って、死んでしまった友達に悪いことをしてやろうとたくらみました。
死を迎えたウィルは聖ペテロに会いました。しかし、何度もだまされた聖ペテロは大激怒。あまりの怒りに、ウィルは天国へも地獄へも行くことが許されませんでした。
ウィルは永遠に天国へも地獄へも行けず、暗闇をさまようことになりました。そのあまりにも情けなくかわいそうな姿を見て、悪魔が軒先にあったちょうちんを彼に手渡しました。10月31日は、人間の世界を死者がさまようと言われていて、ウィルはちょうちんを持って今でもこの世界をさまよっているのです。そのちょうちんを、いつしか人は「ジャックオーランタン」(男のちょうちん:ジャックは一般的な男の人を意味します)と呼ぶようになったのです。