健全な視点から法人向け販売を捉えることにより、長期的な関係を築くうえで信頼や、目標の共有、共通の価値観の醸成が重要だという点が浮き彫りになる。
潜在顧客との間に信頼関係を築こうとする法人向けソフトウェアベンダーは、顧客の抱える課題に耳を傾けるとともに、顧客のニーズと自社製品を結びつけるような、事実に基づいたストーリーを語る必要がある。こうしたストーリーによって、自社製品が目指すものと、顧客の悩みや要求を結びつけるのだ。この結びつきが強固であれば、顧客は業務上の課題を解決する道筋を見い出し、満足感を抱けるようになる。
さまざまなリーダーに意見を語ってもらう動画を公開するサイトCXO-Talkを運営している筆者は、ストーリーテリングに大きな価値を見出しているため、米調査会社Gartnerのアナリストでリサーチ担当バイスプレジデントでもあるHank Barnes氏に、これらのポイントについて簡潔に語ってもらった。
Barnes氏は今回のビデオのなかで、法人向けの販売活動における信頼関係の重要性について語っている。同氏は潜在顧客との間に信頼関係を築くうえでのストーリーテリングの役割を強調している。
同氏は小規模な企業に対して、ストーリーを活用することで、ブランド認知や信頼、一体感の醸成を図るよう勧めているが、こうしたことは大規模ベンダーにとっても同じくらい重要だ。企業規模にかかわらず、信頼は顧客との長期的な関係の基礎であり、ストーリーはそういった信頼を確立するうえで役立つのだ。
以下は、同氏が語った内容だ。
営業活動やマーケティング活動における信頼関係の重要性に目を向けないベンダーは、長い目で見ればさまざまなトラブルを抱え込むことになる。信頼関係の構築は、顧客を理解するうえで必要不可欠だ。信頼関係を構築できず、倫理観を中核に据えられない企業は、長期的には悪い状況に自らを追い込むことになる。
これは、ブランド認知が十分に醸成されていない新興ベンダーに特に言えることだ。このようなベンダーはしばしば、顧客の数が多くないため、信頼関係の構築は困難だと主張する。しかし、製品開発に至った理由を想起できるようなストーリーを語ることで、誠実さを感じとってもらうとともに、信頼関係を構築することはできる。
一方、信頼関係を軽視して販売攻勢をかけていけば、潜在顧客から「信じてもらいたければ証明してみろ」と言われるようになるだけだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。