ポーランド、ウクライナ産穀物輸入禁止の解除に合意
[ワルシャワ 18日 ロイター] - ポーランドは18日、ウクライナからの穀物やその他食品の輸入禁止措置を解除することに合意した。
ロシアのウクライナ侵攻に伴う黒海の港湾封鎖を受け、中欧諸国には安価なウクライナ産穀物が滞留し、地元農家の収入を直撃している。このためポーランドとハンガリー、スロバキアは、自国の農業部門保護のためウクライナからの穀物・食品輸入を禁止。欧州連合(EU)欧州委員会が、一方的な行動は容認できないと警告していた。
ポーランドのテルス農業相は、ウクライナ側との協議を通じて輸入食品を密封し、監視付きで移送する方法を採用することで事態が打開されたと述べ、「ポーランドに大量の穀物が入ってくる状況にEUが見て見ぬふりをしていたので、われわれは国境を閉じざるを得なかったが、同時にウクライナとどうすれば穀物を(他の地域に)移送できるか話し合いを続けていた。(その結果)穀物がポーランドに滞留しないと保証される形で、われわれは解決策にたどり着いた」と説明した。輸入禁止は21日に解除される見通し。
ウクライナのスビリデンコ第1副首相兼経済相は、同国の輸出業者がポーランドとの合意条件を尊重すると確信していると語った。
現時点ではハンガリーとスロバキアが、このポーランドとウクライナの合意を踏まえてどのように対応するかは分かっていない。さらにブルガリアも輸入禁止を検討している。
一方スビリデンコ氏は、国連とトルコの仲介による黒海経由の穀物輸出に関するウクライナとロシアの合意について「ロシア側が再び貨物船の検査を妨害しており、(合意)が停止される恐れがある」と訴えた。
ロシア側は自国の農産物や肥料の輸出に対する制裁緩和が担保されていないと主張しており、輸出合意が延長されるかどうかは不透明だ。
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