豪医師会、早期の国境再開に懸念表明 コロナの「格好の標的」に
[シドニー 20日 ロイター] - 豪医師会(AMA)は20日、国内でワクチン接種があまり進んでいないにもかかわらず企業のトップらが早期の国境再開を求めていることについて、国内に住む人々が新型コロナウイルスの「格好の標的」になると警告した。
AMAは、国がウイルス撲滅に成功しているために多くの国民がワクチン接種を遅らせていることを懸念。より効果的な広告キャンペーンを展開するよう当局に求めた。
AMAのバイスプレジデント、クリス・モイ氏はABCラジオに対し、「新型コロナの津波や変異株の出現が起きている海外の状況を見れば、50歳以上を中心に人口の大部分がワクチンを接種するまでわれわれは格好の標的だ」と述べた。
オーストラリアは2020年3月に豪州国籍保有者および永住者の出国と市民権を持たない人の入国を制限した。この結果、感染者数は3万人未満と、比較的低く抑えられてる。死者は累計910人。
豪連邦政府予算では、同国の成人人口2000万人のワクチン接種が完了するのは今年末と想定されている。ここ数週間で接種ペースは上がっているものの、他の多くの先進国に見劣りしたままとなっている。
こうした中で、新型コロナ流行の影響を受けている各業界は連邦政府に対し、来年半ばとしている国境再開スケジュールの前倒しを要求。ただ、モリソン首相はこれまでのところ、海外で新たな変異株が広がっていることを理由に、こうした要求を拒否している。
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