米当局のデータ収集問題、リークした元CIA職員が実名公開

米当局のデータ収集問題、リークした元CIA職員が実名公開
6月9日、米国家安全保障局(NSA)が米大手インターネット関連会社からデータを収集しているとされる問題で、CIA元職員エドワード・スノウデン氏が自ら情報をリークしたことを認めた。写真は英紙ガーディアン提供(2013年 ロイター)
[ロンドン 9日 ロイター] - 米国家安全保障局(NSA)がグーグルなど米大手インターネット関連会社や通信会社からデータを収集しているとされる問題で、NSAに契約企業の職員として勤務していた中央情報局(CIA)元職員が自ら情報をリークしたことを認め、「世界中の人たちの基本的自由」を守るための行動だったと述べた。
この人物はCIAの元技術アシスタントで、米コンサルティング会社ブーズ・アレン・ハミルトンなどの職員としてNSAで働いていたエドワード・スノウデン氏(29)。同氏は「PRISM」というコードネームで呼ばれる情報活動の存在を明かすまで非常に悩んだと話し、メディアにリークした理由について、米国が全国民を監視する説明のつかないスパイ活動の仕組みを作り上げているためと説明した。
6日にこの問題を相次いで報じた米紙ワシントン・ポストと英紙ガーディアンが9日、スノウデン氏の要請で同氏の実名を公表した。
ガーディアンがウェブサイトに公開したインタビュー映像の中で、スノウデン氏は「私は自分の行動や発言の全てが記録されるような世界に住みたくない」とコメント。「NSAは、ほぼ全てを捕捉することが可能なインフラを築いた。情報のやり取りの大部分が、狙いが絞られることなく自動的に収集されている」と明かした。
また、実名を明かした理由については、オバマ大統領がブッシュ前政権から続くこうした情報活動を継続する考えを示したのがきっかけだと話した。
この件について、CIAはコメントを拒否した。

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