米長期金利上昇、長期化なら財政収支の見通し悪化も
[ワシントン 19日 ロイター] - 19日の米金融市場では、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が年内の量的緩和縮小の可能性を示唆したことを受けて、長期金利が急上昇したが、今後、金利の急激な上昇が長期間続けば、利払い負担の拡大で、米財政収支の見通しが悪化する可能性もある。
同日の10年債利回りは、1年3カ月ぶりの高水準となる2.35%まで上昇。議会予算局(CBO)の今四半期予測と2013年の平均予測をすでに上回った。5月初旬時点の10年債利回りは1.6%付近だった。
バイパルティザン・ポリシー・センターのシニアディレクター、スティーブ・ベル氏は、CBOの予測を上回るペースで金利上昇が続けば、今後10年間の利払い負担が年間数千億ドル膨らむ可能性があると指摘。
「金利上昇が財政赤字に及ぼす影響を懸念していない人は、現実を直視しているとは言えない。今財政収支がそれほど悪くないのは、金利が異常な低水準にあることが一因だ」と述べた。
米財政収支をめぐっては、景気回復に伴う歳入増加や、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)、連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)からの国庫納付増加などを背景に、先行きを楽観視する見方が出ていた。
CBOは5月、こうした要因を理由に2013会計年度の財政赤字予測を2030億ドル下方修正。今後10年間の累積赤字見通しも6180億ドル引き下げた。
CBOは、「基本」シナリオで、10年債利回りが四半期ごとに約0.1%ポイント上昇し、2016年の平均が4.1%になると想定している。
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