インド南部の反原発デモで1人死亡、警官隊が発砲
9月10日、インド南部タミルナド州で原発の稼働に反対するデモ隊に警官隊が発砲し、1人が死亡した。写真はデモ参加者を立たせようとする警察官(2012年 ロイター)
[チェンナイ(インド) 10日 ロイター] インド南部タミルナド州で10日、原発の稼働に反対するデモ隊に警官隊が発砲し、1人が死亡した。
警察によると、数百人のデモ隊が警官隊に投石して抗議したほか、鉄道の線路も封鎖。警官隊が空中に一斉射撃して対抗したが、デモ隊の1人に銃弾が命中し死亡したという。
稼働が計画されているクダンクラム原発は沿岸部にあり、主に女性や子どもたち約4000人が原発の近くにキャンプを張り、放射能の脅威を訴えて反対活動を行っている。
同原発はロシアの支援を受け建設され、昨年には稼働する予定だったが、東日本大震災による福島第1原子力発電所の事故を受けて、原発稼働に反対するデモ隊の抗議が激化していた。原発があるインド南部は、2004年のスマトラ島沖地震で津波の被害を受けた場所でもある。
同原発の稼働は数週間以内に予定されている。数百万世帯に電気を供給できる能力があり、タミルナド州の電力不足を解消できるとされている。
また、インド政府は2032年までに30基の原発建設を予定している。
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