米新車販売24年は約1600万台、HVがけん引 EVに陰り
[デトロイト 3日 ロイター] - 米国の2024年の新車販売台数は1600万台に迫り、19年以来の高水準となった。在庫の補充、販売奨励金の拡充、ハイブリッド車(HV)需要が寄与した。自動車メーカー各社は25年も好調を予想するが、トランプ次期大統領が表明している電気自動車(EV)税額控除の撤廃などの自動車政策がどのような影響を及ぼすか不透明だ。
ワーズ・インテリジェンスによると、昨年の新車販売台数は前年比2.2%増の1590万台で19年以降で最高だった。
メーカー別では、米ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)が前年比4.3%増の270万台。23年に続き首位の座を維持した。グローバル市場責任者ロリー・ハーベイ氏は「25年に向けて強い勢いを維持している」と述べた。
大半のメーカーは、EV需要の鈍化に対応し、中核事業であるガソリンエンジン搭載のトラックやスポーツ多目的車(SUV)に重点を置いた。ハイブリッド車に対する消費者の関心の高まりも追い風に堅調な販売を達成した。
ワーズ・インテリジェンスによると、ハイブリッド車の販売台数は前年比36.7%増加した。
<ハイブリッド車は売り切れ>
トヨタ自動車(7203.T)は前年比3.7%増。「カムリ」やスポーツ多目的車(SUV)RAV4のほか、ハイブリッド車が増加した。
北米トヨタの販売・マーケティング責任者デビッド・クリスト氏は「ハイブリッド車は完売」と述べ需要に追い付けない状態だとした。一方、バッテリー電気自動車は「われわれが多額のインセンティブを使い、連邦政府がインセンティブを出したとしても、それほど需要がない」という。
フォード・モーター(F.N)は4.2%増。ハイブリッド車の販売台数が電気自動車(EV)の約2倍になった。
一方、欧米自動車大手ステランティス(STLAM.MI)は減少。米電気自動車(EV)大手テスラ(TSLA.O)も減少した。
コックス・オートモーティブによると、EV販売は、新車販売の約8%に相当する130万台に近づき、23年の120万台、7.6%相当から小幅増加する見込み。
トランプ次期大統領は、7500ドルのEV税額控除を撤回し、メキシコ・カナダからの輸入品に追加関税を課すと表明している。
トヨタのクリスト氏は、優遇措置が廃止されればEVを取り巻く環境が大きく変わると指摘し、「われわれはその準備をしている」と語った。
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