トランプ氏、FRBに利下げ要求 企業に「関税回避へ米で生産を」
[ダボス(スイス) 23日 ロイター] - トランプ米大統領は23日、米連邦準備理事会(FRB)に金利引き下げを求め、自身の方が金融政策をよく理解していると主張した。
世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)にオンラインで参加し、「原油価格が下落している今、金利の即時引き下げを要求する。同様に、世界中で金利が引き下げられるべきだ」と発言した。
その後、ホワイトハウスで行われたイベントで「私は政策金利について彼らよりずっとよく理解している。その決定を主に任されている人物よりはるかによく理解しているのは確かだ」と述べた。FRBのパウエル議長に言及したとみられる。
新政権発足後初の会合となる28─29日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、利下げが見送られると広く予想されている。
政治から独立して金利を決定するFRBの政策について大統領が発言するのは極めて異例だが、トランプ氏は第1次政権でもFRBやパウエル議長をたびたび批判した。
<「関税避けたければ米で生産を」>
トランプ氏はダボス会議での演説で、世界が身構える関税計画について「米国で製品を製造すれば、地球上のどの国よりも低い税金が適用される」と言明。米国に製造拠点を設けるべきだと呼びかけた。
「米国で製品を製造しないのはあなた方の権利だが、関税を支払うことになる」とし、「関税により、経済の強化と債務返済に利用可能な何千億ドル、何兆ドルもの資金が財務省に流入する」と述べた。
また「過去72時間に世界が目撃したのは、まさに常識の革命だ」とし、自身が1期目に行った減税措置を延長するほか、規制緩和に着手し、米国を人工知能(AI)と仮想通貨のハブ(中心地)にすることに注力するとも表明した。
「米国は地球上どの国よりも大量の石油とガスを保有しており、われわれはそれを活用する。これにより事実上全ての商品やサービスのコストが削減され、米国は製造業の超大国になる」と述べた。
隣国カナダについては、米国はカナダの石油、ガス、自動車、木材を必要としていないとし、「米国の51番目の州になるべき」という考えを再表明。「われわれは他国からの敬意を要求する。カナダは長年、非常に扱いにくい相手だった」とも述べた。
サウジアラビアと石油輸出国機構(OPEC)に原油価格の引き下げを求める考えも示した。 もっと見る
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