面白かった。
二つ目に提示されるテーゼは「転生」「主人公最強」「チート」「最強の仲間」「わんこ」とパーフェクト。だが一つ目のテーゼが、単純な貴種流離譚やサクセスストーリーにはならないことを物語る。
夢見る異世界たちが少しばかり正気に返れば、このように不幸せで悲しくも愛らしい主人公が活写されるのだ。
それを彩る世界は厳しいが道理が通っており、主人公に艱難辛苦は寄せるが読解を妨げる理不尽や無闇に物語を乱す複雑な伏線はない。
そして筆者の描写には嫌らしいところが何一つなく、この挑戦的な野心作をそつなく書き上げている。
読みやすさは十分で、それこそハードカバーで商業化してもおかしくない。果たして向かう先はどこなのか、完結に期待する。
主人公は最強ですが、置かれた状況や扱いは酷い。
主人公強いにもかかわらず、ザマァややり返す描写が非常に弱く、読者はヘイトやモヤモヤが溜まります。
俺ツェェ系の作品では珍しい設定。
読み手としては主人公の幸せを願いつつ中々思ったような展開にならないのでモヤモヤ、イライラします。
そのせいかマイナス感想もめちゃくちゃ多い。
ラノベ作品はスッキリ爽快に楽しみたいという需要があるからだと思います。
私も最初は何じゃこりゃと思いましたが、いつか報われるんじゃないかと読むのが辞められない。
しかしこの作風からして最後まで
このままな可能性かなりあるので裏切られたまま終わるかもとも思ってます(笑)
が、だからこそ他作品とは別枠で読まれて評価されていると考えます。
モヤモヤと理不尽や悔しさを楽しむ作品と思って読むのをオススメします。