第6話 もう私、いやらしい目見られたから大丈夫だよ!
「初めまして、私はお兄の妹の舞です。お兄がセクハラや犯罪をしたんですよね?」
「おい待て、妹よ。お兄ちゃんはそんなことはしてないぞ!」
どうやら妹からは女の子と話してる状況はセクハラや犯罪をしないと起こらないような状況らしい。やべぇ、泣けてくる。
「こんにちは、舞ちゃん。私は涼風理央。私と舞ちゃんのお兄ちゃんは仲良く下校してただけだよ?」
と、ニコニコしながら言う涼風さん。
(え、いつの間に仲良く下校してたことになってるの!?あー!なるほど!俺をいじめるのがそんなに楽しかったんだなぁ。あれ?目から汗が……)
「お兄と仲良く下校?そんな感じには見えなかったけど?ねぇ、どーなの?お兄?」
「私と仲良く下校してたよね?そうだよね?汐留くん?」
(あれ?目から汗が出てるからかな?なんか二人からオーラみたいなのが見える。はっ!ついに俺も何かに覚醒する時がきたのか!いやー長かったなぁ、父さんの鬼みたいな特訓に付き合わされていたけど、やっと覚醒的なことが起きたのかぁ)
「ちょっと聞いてるの!お兄!」
「汐留くん聞いてる?」
なんか二人からのプレッシャーがすごい。
(こ、これは下手なことを言えないぞ。ど、どうすれば……あ!)
「ま、まぁ、そんなことは些細なことよ!それよりも、喉渇いたでしょ!二人ともジュース奢るよ!」
そう言ってダッシュで目の前の自動販売機へ移動する凛であった。
「はぁ、まさかお兄ちゃんがこの女を庇うとは…ホントに困ってたら絶対私の意見に賛同するはずなのに…」
と、小さい声が聞こえる。
「ねぇ、舞ちゃん。汐留くんとは兄妹なんだよね?」
「はい、そうですが…」
「汐留くんの彼女とかじゃないなら、別に汐留くんが女の子と一緒に下校してもいいんじゃないかな?」
ニコニコしながら舞へ迫る。
「良くないです!あ!いや、べ、別にお兄にがどの女と一緒下校しようが私はどーってことはないのですが!そ、その一緒にいた女に風評被害と言いますか、悪口を言われるのを防がないといけないから!仕方なくですね、私が涼風さんを守るためにですね!」
対する舞はテンパりすぎて顔を真っ赤にしながら言う。
「ふふっ、そーなんだ!それなら舞ちゃんは心配しなくてもいいよ!私はそんな被害を受けても別になんとも思わないからね!」
さらにニコニコしながら舞へ迫る。
「うっ!そ、それに……!」
「おーい、そこの自動販売機で……」
「それに!お兄は家では普段から私をいやらしい目で見てるから!涼風さんがそんな目に遭わないように防ぐために!わ、私は別に妹だから、お兄からいやらしい目で見られても平気だし!むしろもっと見てほしい…くはなくて!それが妹の役割だし!」
「グハッ………」
舞の攻撃が凛にクリティカルヒット!
しかし!凛はHPが1残る装備品、“きあいのは○まき”で、なんとか生き残る!
(いやらしい目では見たことは一度もないよ!?でもさ、舞が風呂上がりに薄着やバスタオル一枚でリビングに出てくる時とかあるからさ!そんな時にちょっと目がいってしまっただけだし!決していやらしい目で見たわけではない!てか、それが嫌なら薄着やバスタオル一枚でリビングうろつくな!)
舞の体は中学生にしては出るとこは出て、ウエストは細い。おまけに可愛いので自然と目がいってしまう。
「ま、舞よ、お、俺はそんな目で妹のことを見てはいな……」
「あ、もう私、いやらしい目見られたから大丈夫だよ!」
「グハッ………」
涼風の攻撃が凛にクリティカルヒット!今度こそ地面に横たわる!返事がない、ただの屍のようだ。
(いや、たしかに昼休憩の時、胸に目線がいってしまったよ!?でもさ、それを今言う必要なくね!?)
そんなことを心の中で弁明していると…
「お兄………さいてー」
妹からゴミを見るような目で見られた。
(ヤバい、そんなものがあるかはわからないが、積み上げてきた兄としての信頼を一瞬で無くしてしまった…)
そこから凛は復活するまでにはかなりの時間を要したとか要さなかったとか……。
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